防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

大規模水害対策に関する専門調査会報告 首都圏水没 -土地の歴史はどこへ行った?

2010年04月10日 | Design with Nature
内閣府のサイトに大規模水害対策にの関する専門調査会の資料が公表されておりました。

大規模水害に関する専門調査会 首都圏水没
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/suigai/100402/100402_shiryo_1.pdf

まず、温暖化による海面上昇60cmが”検討の背景”としてあげられていますが、正直???だし、報告書のなかにもあまりでてきません。地球は温暖化しているんだぞというムードをあおる、あまり根拠がない感じがします。賛否両論あるでしょうけど、、、

私が最も気になったのは、「利根川・荒川の類型区分図」です。
いうまでもなく、平野は洪水の繰り返しによってできた地形です。そして、洪水は堤防が切れる「外水」、河川に排水されずに街中に水がたまる「内水」とがあります。江戸時代以前は、関東地方の主要な河川は、東京湾をめがけて流れていて、埼玉県の中川流域の低湿地帯を形成しました。、、が、、この図には入っていません。”堤防が必要ですよ”ということをアピールしたいためでしょうか

私は、このあたりの低地を空中写真判読してことがあるので、堤防が決壊してできた”押堀(おっぽり”という地形があったり、自然堤防、旧河道など、地形量の数値だけはわからない、”質的な側面””土地の歴史の痕跡”から、洪水の受けやすい土地を推定するという研究をてつだったことがあります。防災を語るには地質学だけではなく、歴史資料を猟補することも大事で、学際的な見方が必要になります。

この報告は、どうも手段が目的化しているような印象がいなめません。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ためにする調査・研究 (下山眞司)
2010-04-10 09:43:02
素人なりに、同じような感想を抱いていました。堤防築けばいい、てな問題じゃないはず。
とかく工学系の調査・研究にはよくあります。利益誘導型研究とでも言いましょうか・・・・。
返信する