防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

1.17に想う

2009年01月17日 | Design with Nature
私にとっても1.17は特別な日です。あれは、卒論を提出した次の次の日でした。

 その瞬間を、私は大阪の千里丘陵の麓にあった、学生街の下宿で体験しました。既に多く語りづがれているように、轟音と突き上げるような衝撃がベッドを伝わり、寝ぼけるどころではありませんでした。私の下宿していた街の震度は5ということでしたが、”体感震度”はそれ以上でした。最も大きくゆれた瞬間は、床か通いなれた大学からの下り坂と同じくらいの勾配に見え、全てが転げ落ちるのではないかと、本当に肝を冷やしました。
 ゆれが治まると、今度は大家さんや近所の方々が、大きな悲鳴をあげ屋外に飛び出し”どないしたん、地震?爆発?”まさにパニックでした。
 そんななか、大学で地理学を専攻し、近畿には活断層が密集しており、2ヶ月前に発生していた猪名川町の群発地震に関する住民説明資料などを作成した経験もある私は、”どこかの活断層が動いた、揺れの方向と強さからみて六甲か有馬・高槻線か、いずれにしても凄まじいことになった、友達、後輩は大丈夫か”と妙な頭の冷静さとまったく身動きのできない体と、表現しにくい不可解な状態にありました。

 しかし、いまに代表されるように、阪神・淡路大震災の後に続いた不況が圧倒的な国民的関心事になってしまって、防災に対する考えかたはほとんど変わりませんでした。むしろ、根拠なき温暖化論によって退化したともいえます。

 さらには、暮らしの基本となる住まいについては、住宅と宅地の扱いが完全に分離してしまっています。地盤そのものが商品にならないだけに、経済やローンなど実利的な関心をひきつけにくい側面があります。しかし、CO2と違い、調査・対策を行うことによって、間違いなくあんしんが得られます。

 このごろ急に寒くなりました。そろそろ、温暖化をビジネスとしてぬくぬくと設けようという発想はやめるべきでしょう。

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