防災ブログ Let's Design with Nature

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論文-応用地質と市民生活

2009年10月25日 | 技術動向

今日は現在登校中の論文について、査読者の方の指摘事項について修正しておりました。大変興味深く読んでいただいて、うれしい評価も頂いておりました。いわゆる”てにをは”の修正も多かったので、なかなか時間がかかりました。

市民にとっての地質技術のアウトリーチという内容ですが、いわゆる”わかりやすい表現”は具体的にどんなことか、ということを考えさせられる指摘事項がありました。

地質学は直接見えない部分を仮説をたてて推測し、問題解決の筋道を立てる学問ですので、調査者、技術者が、何をみたかイメージを共有しやすいということが、わかりやすいということだと思います。だから表現は定性的なものになります。

ところが、(あえて残念なことにと言いますが)定量的な解析をしなければ”ハク”がつかないという風潮が確かに存在します。実際は、斜面問題に関する定量的解析とは、”ラク”をするという側面が多分にあります。数値入れれば答えが出で来るのですから。定性的なモデリングは、いくつも表現方法があって確かにとりとめもない部分もあります。しかし、そこにやりがいがあります。一昨日の地すべりの発達段階を示した画像は、私が以前論文に出した図面ですが”定量的な解析をすれば、報告から論文になったのに”という(ある意味定番のコメントですが)指摘を頂きました。太田さんのブログに”パソコンの中の計算しやすく加工されたモデルを自然そのものだと思いこんでしまうと多々弊害が発生します”とありますが、実際そのとおりです。


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