防災ブログ Let's Design with Nature

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斜面と防災・別記

2010年05月27日 | 技術動向
私のブログを読んでくださっていた方から、

ネット上に「斜面と防災・ 別記」と題したPDFが転がっています。

とのコメントを頂きました。検索してみたところ、まさに”ぶら下がって”おりました。
http://www.ctt.ne.jp/~myama/slope_landslide.pdf

PDFには栞がつけてありまして、読みやすい状態になっていました。別記とあるとおり、『斜面と防災』そのものではなくて、こちらの方は、追加項目もあり、より焦点を絞った力説型となっています。そして、より批判的な内容になっているとのことですが、強烈な文章がありました。

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『空論の法則』
 地すべりとは、読んで字の通り土地がすべる現象を指しているのであるから土地の摩擦に関する問題であるといえる。摩擦の問題といえばクーロンによって三つの実験的法則が確立されたのであるが、この報告がクーロンの思いつきや研究で実ったものではなく、300年もの歴史の上に打ちたてられたものであることは、曽田範宗さんの『摩擦の話』(岩波新書)という本に面白く書かれている。地すべり研究者は一度はこの本を読んでみることを薦めたい。
 現在地すべり研究者のなかにこの本の中に書かれている先人達に対しても恥ずかしいような実験や、それに基づいた奇妙な理論やを振り回している者があって、それが幅を利かせているようで、これを評して「空論の法則」と揶揄したのである。
 代表的な例は前からたびたび述べているように、地すべりを防止するためには地下水さえ抜けばよいというような理論である。
 現在集水井などによって排除されている地下水は、大部分がすべり面に接している地下水ではなくて、単に移動層内を流れている地下水である。このような地下水を排除すれば、移動層の重量が軽くなるだけであって、すべり面上にある自由地下水の水位を上げて移動層の見かけの重量をかるくしたことと同じ結果である。すなわち、すべり面に接していない地下水を排除することは防止する工事ではなくて地すべり促進工事である。
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摩擦の話については、このブログで紹介されておりました
http://blog.goo.ne.jp/picarin2005/e/6b2691030be3ce623cbe04e0a462730c


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Ya_y)
2011-01-11 22:13:39
プログを拝見しています。
高野さんの考えを 継承して 地すべりを総合的な地球の営みとして 調査・解析してください。

「斜面と防災・ 別記」の置き場を変えましたので 連絡します。
http://www.ctt.ne.jp/~myama/pdf/slope_landslide.pdf

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