防災ブログ Let's Design with Nature

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地すべりの活動から直下型地震の履歴を読む

2009年08月27日 | Design with Nature
 今回の地すべり学会でとても興味深い発表がありました。5年前の新潟県中越地震において大規模な天然ダムを形成した東竹沢地すべりが、2,900年前に同じような地すべり→天然ダムを形成したと言うものです。産業総合研究所地質調査所の行った活断層のトレンチ調査とも良く整合するということでした。
 
 ということは、東北日本の巨大地すべりは、内陸直下型地震で形成されたという可能性がますます高くなります。そのメカニズムは、粗っぽくて間隙に水を含んでいる砂層が液状化し、だるま落としのごとく崩落するといったところでしょうか。
 
 最近ではIT技術ばやりで、GPSや合成開口レーダーなどの測地技術で相対的に地震のエネルギーを溜め込んでいるところを抽出しようという論調ですが、このようなまさに地に足をつけた研究も大変重要だと思います。また、東北日本だと、地すべりという形で順を追って年代を計ることができるのでしょう。しかし、今懸念されている東海・東南海地震では内陸直下型地震に比べ頻度が高いことで証拠となる物質が砕け散り流れ去ってしまうので、山の斜面から地震の履歴を読みとこくことは難しいかも知れません。

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