防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

銀座地すべり-いまはドバイか?-

2008年11月23日 | 防災・環境のコンセプト

いつものように遅く起きた日曜日サンデーモーニングを見ていたら、アラブ首長国連邦のドバイに、一泊250万円もするスィートルームを持つ超高級ホテルが現れたようです。映像をみると、私たちの世代なんかは『巨大なばぶるだあ』と思ってしまいますが、石油産業以外の目玉商品はリゾートというわけでしょう。世界的なステイタスシンボルにしたわけでしょうね。

さて、ステイタスシンボルといえば、銀座があります。そして、太田ジオリサーチのサイトには『銀座地すべり』なるサイトがあります。1980年の論文で、私なんかは「大都会に果てしない夢を追い続けえ~えええ~」ですが、それはさておき。。。

銀座地すべり 
http://www.ohta-geo.com/ginza.html
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銀座地すべりというのは泥臭さを忘れて、ただ格好だけ良い地すべりの研究や、対策のことである。まずその代表的なものは模型実験と、コンピューターを使ったやり方であろう。ただし、模型実験やコンピューターを駆使することを揶揄しているわけではない。模型実験を行うからには、その実体が正確に解明されていなければならないことであり、コンピューターにかけるためにはその資料が信頼されるものでなければならない。そういう基礎的なものを軽んじてただ実験や計算を精密に行ったとしても得られる結果は何の役にも立たないばかりでなく害をまくばかりであろう。」
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まさしくそのとおりです。この時代は、パソコンではなく「マイコン」という言葉が使われていた時代です。
いまの調査方法は、パソコンのなかで崖の線を引いて、まさに一粒の泥、一握の砂にも触れずに、調査とも視察ともいえない仕様書上の「現地調査」を満たすだけで、人生を変えるレッドゾーンを『決めなければならない』システムとなっています。

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「現在行われている斜面の安定に関する調査は、地質が第三系の何々層であるというような地質調査や、ボーリングによる地質柱状図、電探による比抵抗値、弾探による弾性波速度、地下水の成分の分析、移動層の中を流れる地下水の経路、検層、ボーリング孔内水の用水試験というようなことが行われているが、このようなことは斜面の安定にはおよそ無関係のことであって、こんな結果から斜面の安定問題を考えようとしているのだから難しいのは当然のことであるといえるのであろう。つまり、何も役に立たないガラクタ材料を集めて家を建てようとしているような問題であって、どうやって測定値の誤差を少なくするかという問題である。
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土石流なんかは、土石流の真っ最中に現場にいけないのを逆手にとって、机上の空論が地上の正論を上回っています。

1980年にはやった言葉で言えば、どうあがいても、それなりに写ります