グリフォンの日記

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血という絆で結ばれし者

2008-03-31 23:11:24 | 日記・エッセイ・コラム
 <長女と長男助けようと父も焼死 宮城・気仙沼:毎日新聞>
 
 29日午前5時ごろ宮城県気仙沼市幸町、無職、内海松雄さん(89)方から出火し、木造一部2階建て住宅約245平方メートルを全焼。焼け跡から内海さんの長男:辰一さん(64)、 辰一さんの長女:幸子さん(37)、長男:辰也さん(32)の3人の遺体が発見された。 県警気仙沼署の調べでは死因は焼死で、出火原因を調べている。松雄さん(89)は右腕に軽いやけど。
  
 隣に住む内海松雄さんの次男(61)は「兄貴がおやじを外に出し、子供を助けると言ってまた家の中に戻っていった。皆が止めるのも聞かずに」と声を詰まらせた。出火直後に駆け付けた近所のアルバイト男性(36)は 「玄関をけ破ると、上半身裸で大やけどをした辰一さんが、おじいさんを両手で 抱きかかえるように引きずって出てきて外の人に託すと、火の中に戻ってしまった。止める間もなかった」と沈痛な表情だった。松雄(89)さんは足が不自由で、つえを使わないと歩けないという。
  
近くの住民の話では、幸子さんは仙台空港で貨物仕分けの仕事をしていたが、母親の看護のため8年ほど前に実家に戻り、数年前に母親が亡くなった後は、松雄さんの介護をしていたという。
 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080329-00000110-mai-soci
 
<家族殺傷:会社経営で悩む父親「全部おれが…」 3人死亡:毎日新聞>
 
 6人が死傷する事件があった民家=東京都文京区小石川で2008年3月28日午前3時40分、武市公孝撮影 28日午前0時15分ごろ、東京都文京区小石川3、製本業「三成社紙工(さんせいしゃしこう)」社長、江成征男さん(42)方で一家が血まみれでけがをしていると110番があった。警視庁富坂署員が駆け付けたところ、社長ら家族6人が胸などを刺されて倒れており、両親と妻の3人は出血多量で間もなく死亡した。江成社長も腹に刺し傷があったが「全部おれがやった」と話している。捜査1課と同署は社長が無理心中を図ったとみて殺人容疑で捜査する。
 
 調べでは、江成社長方は両親と妻、子供3人の7人家族。父三男さん(74)、母敏子さん(70)、妻伸子さん(37)の3人がいずれも胸などを刺されており、病院に運ばれたが1時間半~2時間後に死亡した。小学2年の長男(8)と幼稚園児の次男(4)も胸などを刺され重傷。小学6年の長女(12)は、逃げ出して隣家に助けを求め無事だった。
 
 江成社長宅は3階建てで1階が作業場。三男さんは2階の介護ベッドで、敏子さんは隣の寝室の布団で、伸子さんは3階寝室で倒れていた。就寝しているところを刺されたとみられる。遺書は見つかっていない。
 
 江成社長は、取引先の移転や廃業で資金繰りが悪化することを心配しており、自分の会社の騒音にも悩んでいた。警視庁は事件との関連を調べている。
 
 現場は地下鉄丸ノ内線茗荷谷駅近く。東証1部上場の「共同印刷」本社があり、下請けの製本、紙裁断業者など中小の印刷工場が多い。最近は、マンション建設が増え、居住者と工場の共存も問題になってきていた。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080328k0000e040055000c.html
 
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一番目の記事の父親は、自分の父親を助け、その後娘と息子を助けに行って、お亡くなりになった。一方で、自らの命を絶てず、自分の子供達の命までも道連れにして奪おうとする卑怯者の父親がいる。いずれの主人公は父親であり、その性情によって全く異質な対応が生まれてくるものであると気づかされるものである。
  
 最近でも、一人暮らしの老人を殺害し、飽き足らずに土浦市のJR荒川沖駅周辺で8人を殺傷した金川真大容疑者(24)やJR岡山駅のホームから38男性を突き落とした18歳の少年などの事件があったが、別段今に始まったわけではない。それより前に起きた”バスジャック事件”といい、”誰でもいいから人を殺してみたかった”奴といい、”ゆとり教育”以前の問題が、累積して今に溢れ返っているのである。
  
 それは、家族間における本当の意味でのゆとりが無いことだ。ここ10年の日本全体における余裕の無さこそが、核家族への打撃になり、破滅へのプロローグではないのかと本気で考えてしまうのである。余裕とは、お金ではなく、心のゆとりのことである。ある程度、何でも与えられるだけの生活を送ってきてしまうと大人になった時に、自分が何をするのか、何をしたいのか、そして出来るのかということを考え、行動することが出来なくなってしまっているのではないだろうか。家族間の交流を通して、生きる術を身に付けられないまま大人になってしまった結果が今にあるわけだ。確かに、時代背景としてバブル崩壊に続く、リストラ、終身雇用の廃止、実力成果主義社会、就職氷河期があった事も否めないが。
 
 しかし、考えてみて欲しい。太古の昔より続く日本人という血脈は、どのような社会情勢であろうと、生き抜いて来れた事を。そして今、何故多くの人が他人を傷つけ、自らを滅ぼそうとしているのかを。今、ここに生きていると言うこと。それは、先祖から受け継いだ血の繋がりによって、今の自分があることに思いを馳せる。今一度見直してみて欲しい。今の家族の位置づけはあなたの中の何処にあるのか。それが、日本を正常に導く鍵になると思うのである。


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