グリフォンの日記

時事のニュースについて書いていきます

人の死は何故悲しいのか

2010-10-31 23:58:19 | 教育

秋も深け、台風の通過から冬への準備が整った昨今。如何お過ごしですか?昨日、声優、俳優、演出家の野沢那智さんが天へ召されてしまいました。

 

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10/30 47NEWSより

 

映画「太陽がいっぱい」のアラン・ドロンの吹き替えや、ラジオの深夜放送などで人気を博した、俳優で演出家の野沢那智(本名那智=やすとも)さんが30日午後3時36分、肺がんのため東京都内の病院で死去した。72歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行う。後日お別れ会を開く予定。喪主は長男聡氏。

 

 大学中退後、演劇を志し、複数の劇団を経て劇団「薔薇座」を結成。演出家、俳優として活躍した。声優としては1965年から放送のスパイドラマ「0011ナポレオン・ソロ」の軽妙な吹き替えで一躍人気に。アラン・ドロンやブルース・ウィリス、アニメ「ベルサイユのばら」のフェルゼン役などで知られた。

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個人的にショックです。声優さんとして、活躍されていた事を改めて思い出し、ご冥福をお祈りしたいと思います。

 

それにしても、最近の話題は、反対中的な報道を自粛し、民主党の完全に信頼0政治に嫌気が指し、経済では、円高に歯止めがかけられず、馬鹿民主は「さっさと解散しろ!」と言う、最低レベルの日本を味わえる悪夢に彩られております。

 

それとは別に、悲しいかなイジメの問題は、根本的に、今も昔も変わりません。

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■10/26 Yahooニュースより「小学6年生の上村明子さん自殺」

 

「自分で手編みで編んだマフラーで・・・家内にプレゼントするはずだった・・・」(自殺した上村明子さんの父・竜二さん)

 

 23日、群馬県桐生市新里町の住宅で、小学6年の上村明子さん(12)が自分の部屋でマフラーで首をつり、死亡しているのが見つかりました。マフラーは明子さんが母親のために編んだものだったといいます。

 

 遺書は見つかっていないということで、発見された状況などから警察は自殺と断定しました。 父親によると、亡くなった明子さんはおととしの秋に愛知県から転校し、去年から家族に対し「学校でいじめられている」と訴えていたといいます。

 

 「言葉で『臭い、こっちへ来るな』とか『あっちへ行け』とか、『お前の母さんゴリラ顔だからお前もゴリラだ』とか。どこへ行っても独りぼっちで・・・」(自殺した上村明子さんの父・竜二さん)
 
 父親の竜二さんによると、明子さんは10月19日と20日に学校を欠席し、21日の社会科見学に参加した際に同級生に「なぜ、こういう時だけ来るんだ」と言われ、の後に両親が担任の教師に相談したところ、教師は「その生徒に確認してみます」と返答していたといいます。

 

 25日に行われた小学校の会見では、「6年生になってからは、いじめの対象になっているという把握はしていなかった」と説明しました。

 

 「きのうのことだが校長先生がみえて、「全校生徒の前ではいじめとか自殺とか伏せて話したい」と。そうじゃないでしょう。実際に人が1人死んでいるんだから」(自殺した上村明子さんの父・竜二さん)
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10/26 Yahooニュースより「心無い対応が人を傷つける」 

 

群馬県桐生市の小学6年、上村明子さん(12)が23日に自宅で自殺し、家族がいじめが原因と訴えている問題で、明子さんは学校の給食を好きな児童同士で食べるようになった10月以降、欠席が急増したことがわかった。

 

 学校や市教委によると、明子さんのクラスでは当初、決められた5人程度の班ごとに給食を食べていたが、9月末頃から仲良しのグループに分かれるようになり、明子さんは1人で食べることが多くなったという。

 

 4~9月はほとんど欠席はなかったが、10月は5日と急に増えた。

 

 クラス担任は9月28日に席替えし、「(明子さんと)一緒に食べてあげるように」と児童に指導したが、改善されず、亡くなる前日も班編成を替えていた。

 

 明子さんが愛知県から桐生市の学校に転入したのは4年生の秋。父親の竜二さん(50)によると、転校は4度目だが、過去に学校でいじめられたことはなかった。

 

 明子さんが「いじめから逃れるため、別の小学校に転校したい」と何度も訴えたため、来春には大阪方面へ引っ越す予定だったという。竜二さんは「卒業まで頑張ろうと励ましていたのに」と無念そうに話した。

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10/26 読売ONLINEより「告別式で、いつまでも忘れないと偽善者ども」

 

上村明子さんの告別式が26日、みどり市笠懸町阿左美の斎場で営まれた。クラスメートや教職員ら約120人が参列し、祭壇には、好きだったお菓子や果物、ジュースが供えられた。

 

 代表の男子児童が「転校してきた時に鬼ごっこをしたこと、運動会、修学旅行で一緒に過ごしたことをいつまでも忘れません」と弔辞を読み上げると、参列者からむせび泣く声が漏れた。

 

 父の竜二さんは「学校では一人で寂しかったと思うが、今日はみんな来てくれたよ」と、明子さんに語りかけるようにあいさつした。

 

 校長は「学校でつらい思いをさせてしまった。二度とこういうことを起こさないように明子さんに誓います」と弔辞を述べた。

 

 出棺直前、竜二さんは学校関係者に「(明子さんを)返してください」と怒りの声を上げていた。

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10/30読売ONLINEより「大阪へ行くんだ」

 

群馬県桐生市の小学6年、上村明子さん(12)が自殺し、家族がいじめが原因だと訴えている問題で、明子さんが4年生の秋まで住んでいた愛知県一宮市の友達に送ろうとしていた手紙が見つかった。

 

 家族が自宅居間のテレビ台の中から見つけた。「あのね、中学になったら、大阪に行くんだ。愛知県を通るかもしれないから、会いにいくね」と、引っ越しを心待ちにしている思いがつづられていた。

 

 父親の竜二さん(50)によると、一宮市の小学校で仲が良かった女児から今年夏に届いた手紙への返事として、イラスト入りの便せんに鉛筆で書かれていた。封筒にあて先があり、いつでも送れる状態だった。

 

 両親は、いじめを受けていると明子さんから相談を受け、来年3月に大阪方面に引っ越そうと考えており、「卒業するまで頑張ろう」と励ましていた。

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なんとも、やりきれない事件です。明子さんは、きっと両親思いの優しい子だったと思います。たまたま、日本人の父親とフィリピン人の母親の間に生まれた事。そして、授業参観に来た母の姿を馬鹿餓鬼に見られ、卑しめられた事が災いしてしまったような気がします。

 

しかし、子供のイジメ問題と言うのは、本当に難しい。大人になれば、そこに責任があるわけで、「窮鼠(きゅうそ)ネコを噛む」と言う諺があるように、いざとなれば、法律で対決する術さえ知っておけば、事足りる。

 

相手が殴りかかって来ようものなら、受けて立てばよい。仮に殴られて、一撃返しても、正当防衛範囲内であり、また、怪我でもしたら、慰謝料と治療費の請求に、相手は刑務所送りのオマケ付き。罵倒、恐喝の類も、裁判沙汰にでもなって、脅迫罪適用になれば、相手のダメージも大だ。

 

しかし、子供となると、話がややこしいのです。イジメを行う人間は数人のはずだが、苛められたくないのは、誰もが同じ。庇うような事をすると、標的が自分の所に廻ってくるのだから、傍観決め込み、時には、「前習え」「長い物には捲かれろ」と同調を見せてしまう。

 

しかも、親も自分の子供が苛めたとか苛められたとか、お互いの領域にまで踏み込みたくないと言うジレンマ抱えていなければならないため、学校と言う場所、先生を触媒として介する以外に手がないのも、また現実です。

 

取り付く島のない、やり場のない怒りを学校の所為にしなければいけない ご両親も不幸。(学校に行かせない事も選択肢の一つです)学校の先生も不幸。イジメに参加しなければならなかった生徒も不幸。苛めた馬鹿ガキが一番悪いのですが、実際、社会で働く我々も、同じ穴の狢(むじな)のような気がしませんか?

 

他人の不幸を見ては、喜び。自分と比較して、劣っている人間として烙印を押して、見下し、卑下する心。自分への劣等感から来る憤りを他人に転嫁して、自己顕示欲を満たすだけの日々。

 

今回の事件は、フィリピン人の母親の血を濃く受け継いだ事から、一部の扇動によるイジメへと発展した事が、始まりだと思います。昔、ケネディ大統領は、「白人も黒人も、有色人種も、同じ人類として共感し、共鳴し、一つになれる」と言うようなことを発言されたそうですが、それには300年かかると明言してましたね。

 

自分は日本を多国籍人種の坩堝(るつぼ)にする気はサラサラ無いですが、顔立ちや体臭などは、それぞれ異なりますから、そうした区別と言うか、分別と言うのは、何処かに違和感を持ちやすいのも、また事実です。

 

別にそれは日本特有の人種差別ではなく、白人と黒人、有色人種と宗教観や歴史、世相、習慣などの区分けがある事を考慮すれば、何処でも起こりえる事例だとも言えます。でも、判りあえる人間が必ずいる。それは明子さんの両親、妹さんだったり、親戚、別れた友人だったり、一人ではなかった。その人達の悲しむ顔を浮かべ、死ぬと言う選択は避けてほしかった。

 

高校の頃の教師が言った言葉ですが、「親より先に死ぬのは、最大の親不幸」 この言葉の意味を考えて、自分の境遇を何時までも人の所為にしない事から、道は開けてくると自分は思います。人と比較し、人の所為にし、自分と対峙しないから、自殺と言う選択へと誘(いざな)われるのです。(但し、政治家、官僚、公務員は、日本人の生活の根本を担っているのですから、間違った選択には、所為にされて当たり前。それと、マスコミは、特別保護を受けている時点で、批判されて当たり前です。)

 

本当の自分と対峙すれば、答えは出てくる。本当の自分、そこには、尊敬とか敬意とか、感謝の気持ちが、心の片隅にあるからです。傷つけられても、嫌われても、自分を愛し、育み、自分の尊さを諭してくれた人達がいる事に気づくはずです。そして、知恵を付け、磨く事に専念する事で、選択肢がある事に気づくはずです。

 

今は、無理をしなくてもいい。そう神様が言っていると思えば、気も楽になるでしょう。戦いたいなら、防具を身に付ける事もまた、選択肢なんです。恥ずかしいんじゃない。自分を守る術なんです。若いうちは、逃げる事も勉強だと思います。

 

こうした区別、違和感と言うものは、何処にでもあるものです。タバコ臭いとか、体臭が臭いとか、髭が濃いとか、頭髪が・・・とか。でも、難しいのは、子供の世界観は、まだまだ狭いと言うことなんでしょうね。

■追記

 

一昔前、テレビ朝日は、イジメ問題を取り上げる目的で、ヤラセのイジメ事件を作り出しました。苛められ役の女子生徒の母親がそれを観てしまい、その母親が自殺へと追いやられたのです。無慈悲なマスコミの報道にも注視して頂きたいです。