青い服

義兄さんが昔の仲間とインド料理を食べに行くが、よければ来てもいいとおっしゃった。
それで私は彼等の集まりにのこのことついて行った。

その集まりはハーバード大学を出たようなエリートビジネスマンやキャリアウーマンの会合で、
彼等の話題は企業合併、億単位の金融取引、タイに別荘を買う話、就職活動のためこれからアメリカとフランスの企業に面接に行く話などなどであった。

そんな彼等の中に見覚えのない東洋人が一人いて、モシャモシャとナンをカレーにつけながら食べているわけである。
場違い感バリバリである。



君は何をしているのか、と問われ

理論物理学をやっています、と答えて

将来何になるのか、と聞かれ

何にもなりません、と返事をした。



マーイ　ジェネェレェェェショオオオン！

ノー　フュウウチャアアアアアアアアア！！




帰りの電車の中で、私は久しぶりに見る人間の姿を一人で懐かしく観察した。
青色の制服を着たやたら背の高い格好いい女の子がいたり、両拳にケンカダコのできている皮ジャンとメガネの青年がいたりして、楽しかった。