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NHK・BS2で『七人の侍』を鑑賞しました。概要等はウィキペディアでご確認下さい。
途中に「休憩」をはさんで3時間半という大作でしたが、退屈する暇もない傑作だと思いました。コッポラやスピルバーグ、ジョージ・ルーカスといったハリウッドの監督達が絶賛したのも頷ける出来です。まさにハリウッド的なサービス精神てんこ盛りな「日本映画」!
しかし、落としていけないのは、そうしたアクション性だけでなく、「戦争の忌まわしさ、空しさ」「無償の愛」といったメッセージも届けようと丁寧な作り方がされていることでしょう。また、登場人物の造形が素晴らしい… 一人一人の個性が見事に描き分けられ、それぞれが互いに関わり合うことにより、響き合って観客に迫ってきます。
当然ながら名シーンの連続なのですが、私が一番好きなシーンは、菊千代が燃え盛る水車小屋の前で幼子を抱きしめて「これは俺だ!」と叫ぶシーンです。あの絵によって、戦の怖さ、空しさがくっきりと浮き出ており、また菊千代という戦争孤児の人生を雄弁に語ってくれていると思います。
そして、「雨中の合戦」ですね… これは言うまでもなし。雨中の戦いを描いた映画としては『プライベートライアン』が私のお気に入りなんですが、久々(約15年ぶりかな)に鑑賞した『七人の侍』も落としてはいけないな、と改めて思いました。