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国葬3|憲法研究者84氏国葬反対声明◇安倍元首相の国葬は憲法に反し国民の権利侵害の恐れ/少数派

2022年09月01日 | 国葬・桜・森友・赤木
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/政治情勢
国葬3|憲法研究者84氏国葬反対声明◇安倍元首相の国葬は憲法に反し国民の権利侵害の恐れ

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■まず投稿者の文章|憲法研究者84人が発表した反対声明のひと言ひと言が仰る通りだ
憲法研究者84人が発表した反対声明を、長い文ながら何度も読み返してみた。5項目のひと言ひと言が仰る通りだ。投稿者が今後も投稿する安倍氏の国葬反対の連載は、全てこの5項目に尽くされている。岸田首相が言う理由と対比させると、実に出鱈目な理由で「国葬」をしようとしていることが分かる。特に2項目が安倍氏の評価になるが、投稿者は安倍氏が2回目の任期の間、嫌と言うほど安倍批判の投稿をした。それでよく覚えており、それがどうして「輝ける実績」になるのか分からない。こういう人物を祀ってしまったら、後世、自民党自体が困ることにならないのか。

■「思想・良心の自由」「信教の自由」「表現の自由」への抵触、「個人としての尊厳」への侵害
投稿はしんぶん赤旗を活用しております/政府による安倍元首相の国葬の決定は日本国憲法に反するとして、憲法研究者84人が反対声明を発表しました。声明は、明治憲法下で天皇の「思(おぼ)し召し」による国葬の実施を定めた国葬令は日本国憲法の平等主義や基本的人権の保障に反し、1947年に失効したと強調。国葬の要件を定めた法規がないもとで、国会が関われない内閣府設置法を根拠に国葬を実施しようとしている岸田内閣の手続きは「法治主義に違反する」と指摘しています。国葬当日に社会が受ける影響を懸念し、憲法が保障する「思想・良心の自由」「信教の自由」「表現の自由」への抵触や、「自己の信念に反する国葬が実施されるという事実をもって、国民の各人がもつ人としての在り方、『個人としての尊厳』(憲法13条)への侵害が生じる恐れがある」と指摘。政治的効用を意図しているのであれば、国家の行為を厳格に制約しようとする憲法の立憲主義の構造に反すると述べています。

▽安倍晋三元首相の国葬決定に対して憲法研究者84人が出した声明は次の通りです
われわれは憲法学を専攻し研究する者として、この国葬が行われた場合には、それが単に法的根拠を持たないだけでなく、日本国憲法に手続的にも実体的にも違反することになると危惧し、この国葬の実行に反対する。

 明治憲法下では、「国葬令」(1926年公布)が存在し、皇族と「国家に偉功ある者」に対して国葬が行われてきた。国葬令の適用は、大正天皇の国葬に合わせることになった。天皇の思し召しによって、国葬が実施され、国民は喪に服することを義務付けられた。国葬という形式は、山本五十六の時のように、何よりも明治憲法の軍国化を促す効用をもたらしてきたが、この「国葬令」は戦後の日本国憲法の施行と同時に1947年に失効している。国葬令は、なによりも憲法14条の平等主義に反するものであり、憲法に規定された基本的人権の保障に反するからである。戦後は吉田茂元首相の国葬があったが、これは「戦後復興に尽くした」との理由による例外的なものであった。佐藤栄作元首相の時も、国葬が提案されたが、憲法の番人である内閣法制局が認めなかったことにより、国葬案は実施されなかった。大平正芳元首相の時より、政府と自民党による合同葬の形式が慣行的に続いてきた。

 長い間封印されてきた国葬が、岸田内閣によって以下の理由をもって実行されようとしている。それは「一 憲政史上最長になる8年8か月にわたり、内閣総理大臣の重責を担った 二 東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開等の大きな実績を残した 三 外国首脳を含む関係社会からの高い評価 四 選挙中の蛮行による急逝」と説明されている。しかし、この一~三に評されるように、安倍内閣はそれほどに評価すべきことを行ってきたのであろうか。1回目の任期(第90代内閣総理大臣)の時は、教育基本法の改悪と防衛庁の省への昇格を実行したが、内閣スキャンダルと自身の病気を理由にして退いた。さらに、長期に及ぶ2回目の任期(第96~98代内閣総理大臣)は、憲法に違反する法改正(組織犯罪法における共謀罪、安全保障関連法等)を繰り返しながら、「モリ・カケ・サクラ」と言われたような金銭疑惑を残した。そして再度、病気を理由に職務を放り出し、多くの疑惑に正面から答えることなく、首相の座を明け渡した。とくに財務省の記録を改ざんし、自殺者を生み出すまでして事実を隠ぺいした安倍元首相の疑惑は大きいが、もはや闇の中にある。他方で、外交に多大な功績を残したとあるが、これまでの懸念材料であった「領土・基地・朝鮮半島問題」に大きな進展はない。安倍内閣は憲法の改正を望んできたが、現実に憲法の核心部分は徐々に削られてきたことになる。

 岸田内閣は、この国葬を今度は内閣法制局の示唆を受けて、内閣府設置法の4条にある「所掌事務」として形式的に実施しようとしている。国葬の実施は政府が主体となる国事行為であるから明確な法的根拠を必要としている。ところが、法4条3項33号は、「国の儀式並びに内閣の行う儀式及び行事に関する事務に関すること」を内閣府が関わりうることを定めた限りであって、国葬という実体を定めているわけではない。国葬の実施はいかなる場合になされるかという要件を定めた法規があることを前提としてでなければ、この法4条3項33号の実施は不可能である。さらに、国の最高機関である国会が関わる余地は、内閣府設置法からはなんら見えてこない。ここに手続き上の明白な違反があり、これは法治主義に違反することになる。しかし、形式だけを整えても、国葬は実体的に憲法に反する問題をもっている。

 内閣官房長官の説明では、「国葬の当日公立学校は休日にはしない」とあるが、政府が実施しテレビ放映による映像が流れることによって、社会が受ける反応には大きな影響が起こりうる。国民に時間を指定して哀悼の気持ちを求め、公的機関での半旗の推奨もありうる。現時点で、文部科学大臣が国公立大学に求めている「国旗掲揚」の行政指導が、強く、広範囲で実施されるおそれがある。こうしたことは全て日本国憲法19条が保障する「思想・良心の自由」に抵触することになりかねない。この自由は「内心の自由」に当たり、個人の思考の核心部分を保障するものであり、これへの制約は厳しく審査されなければならない。とくに、学校行事として国葬への参加が強制されることのないように気を付けなければならない。場合によっては、憲法20条に保障された信教の自由や21条に保障された表現の自由を侵害することにもなりうる。こうした国葬は強制がなんらないと言われるが、自己の信念に反する国葬が実施されるという事実をもって、国民の各人がもつ人としての在り方、「個人としての尊重」(憲法13条)への侵害が生じるおそれがある。

 財政的には現在試算がされているが、これを財務大臣は予備費から支出するとしている。しかし、警備も徹底するとなればかなりな費用を必要とするであろう。金額の問題もあるが、問題は予備費の使われ方にある。本来は大災害、コロナ対応等の不測の事態にあてるべきであり、国会での審議を求めるのが筋であろう(憲法83条)。また、公費をすでに私人となってしまった個人の死に振り向けることには、その妥当性がないといえるのではないだろうか(憲法89条)。宗教性を払しょくして行うとしているが、個人の死に関係することであるから宗教儀式の一環と受け止める国民も多いはずである。これを国家が私人に代わって国費で実施することが異常なのであり、国が実施することに格別の政治的な効用があると推定されてしまう(憲法20条3項、89条の政教分離原則)。もしも、国葬をもって死者を必要以上に美化し、それを国民の記憶に残し、政治的効果を意図し、現政権の継続を願うものであれば、そのことこそ国家の行為を厳格に制約しようとする、日本国憲法の立憲主義の構造に反することになるおそれがあると考えられる。

Sankoub
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