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戦争終結への昭和天皇の「聖断」を美化するのは正しい歴史認識ではない/少数派

2019年04月26日 | 戦争を繰り返すな
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/二度と戦争を繰り返すな
戦争終結への昭和天皇の「聖断」を美化するのは正しい歴史認識ではない

M3046958 皇居東御苑(大手門)

ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。
◇今後、投稿削除、あるいは大幅な修正を行う予定です。

映画「日本のいちばん長い日」の流れは、昭和天皇の「聖断」によって戦争が終わり、国民が救われたことになっています。これは、日本が犯した戦争の誤りを正しく伝えていないと思います。半藤一利氏の原作を読みましたが、終戦直前の丸1日の軍部・政府の動きを淡々と、かつ詳細に渡り丁寧に語っています。しかし映画ともなると原作とは視点が逸れ、兵士の英雄視・戦争美化に陥っています。今更、天皇の戦争責任を追及しても仕方ないと思う方もいますが、節目の今こそ「正しい歴史認識」を持つべきと思います。そこで新聞に掲載されていた、現代史家の山田敬男氏の「昭和天皇の戦争責任」の要約をご覧頂きたいと存じます。

『第1に、昭和天皇の「聖断」を美化しており、それまで戦争終結の機会に何も手を打たなかった結果の、遅い決断に過ぎない。1945年8月10日、14日の御前会議における2度の「聖断」によって、ポツダム宣言の受諾が正式に決定された。しかし、遅いのである。7月26日、連合軍が日本の降伏条件であるポツダム宣言を発表したが、日本は最高戦争指導会議も開かず、鈴木貫太郎首相は「黙殺」「戦争完遂」を表明する。これを口実に広島、長崎に原爆が投下され、ソ連も参戦し空前絶後の悲劇的な自体が生じることになる。』

『第2に、決断が遅れた原因は、昭和天皇や軍指導部の「もう1度戦果を挙げてから」でないと「国体護持」(天皇制の維持)が危ないという危機感があった。1944年にはサイパンやグアムの失陥によって、日本の敗北が決定的になる。天皇は近衛文麿などの重臣から「敗戦は必至」の上奏を受けたが、戦争終結に積極的になれなかった。期待した沖縄戦も行き詰まり、同盟国ドイツが無条件降伏をすると、やっと天皇は戦争終結に傾斜する。しかし軍部の「もう1度戦果を挙げてから」論に引きずられ、ポツダム宣言の早期受諾の機会を生かせなかった。天皇がもっと早く決断していれば、多くの国民の命を救うことができたのである。』

『第3に、映画は昭和天皇の「人間的苦悩」を強調することにより、統治権の総攬(そうらん)者、大元帥であることが描かれていない。昭和天皇の戦争責任を問う、問題意識が全く見られない。「聖断」は国民を救う意味ではなく、国体護持が目的だったのだ。戦前の憲法では、戦争の指導は「統帥権の独立」が言われ天皇の大権事項であり、政府も議会も口出しを許されなかった。当時の政治は国務大臣が天皇を輔弼(ほひつ・補佐)したのだから、天皇に責任はないとする考え方がされる。しかし戦争の方針や作戦は、天皇と軍部首脳(陸軍は参謀総長・海軍は軍令部総長)のみで決定されたのである。「』

『しかも両総長は、制度上、天皇の幕僚長(参謀事務長)に過ぎなく、統帥に関する責任は天皇一人が負う構造になっているからだ。「戦前は、天皇は絶対的な君主であった。この最高責任者の昭和天皇の戦争責任を明らかにしなければ、日本の戦争が何であったかを客観的に構造的に説明できない。本質的な解明が、極めて重要になっている。』

ここからは、投稿者の文章です。明治天皇は、直々に兵を指揮したと聞いています。しかし昭和の時代になると、天皇は明確な指示は出さず軍部への追認が慣例となってしまいました。終戦当時、様々な背景はあるにせよ、そもそもの制度上の責任は天皇にあり、さらに「聖断」を下した以上は、戦争の最高責任者は天皇ということに帰結します。GHQ(連合国軍総司令部)のマッカーサーもそう言いたかったのでしょうが、将来の日本や米国のことを勘案し、やむなく断念しました。責任追及していたら、戦後の日本の歴史は想像できないくらい大きく変わっていたと思います。

それにしても戦前回帰したい安倍首相が、ポツダム宣言を詳(つまび)らか(詳細)に読んでいない、国会答弁が騒動を起こしました。さらには週刊誌のインタビューで、「原爆2発を落とした後に、連合国がポツダム宣言を出すのはいかがなものか」の発言に、1国の首相としての「歴史認識」に呆れました。ポツダム宣言が出された後3週間も無視したため、各地はさらなる空襲に遭いその挙句の果ての広島・長崎の惨事だったのです。軍部が面子ばかりにこだわった結果、その間も数多くの国民の命が亡くなりました。戦前回帰を主張するなら、せめて戦前の歴史を覚えておけよ!と言いたいですね。「歴史に学ぶ」謙虚さがない人間は、世界の例を見ても無残に堕ちていくだけです。

Sankoub 「堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ…」 日本のいちばん長い日・新作映画化

Ntopkeiji

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