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“元筆談ホステス”(障害者)斉藤里恵さん惜しくも参議院選挙比例で当選ならず/少数派

2019年07月23日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/社会の弱者・人権
“元筆談ホステス”(障害者)斉藤里恵さん惜しくも参議院選挙比例で当選ならず

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■手振り・身振り・筆談で有権者と繋がり「言葉にならない言葉」で訴えた
“元・筆談ホステス”斉藤里恵さんは、2019年・参議院選挙比例代表に立憲民主党から立候補しましたが、惜しくも当選できませんでした。過去からTV・新聞で大いに話題となったため、皆さんもご存じだと思います。斉藤さんは全く耳が聞えない聾(ろう)者、満足に声を発することもままならない言語障害の中で頑張りました。投稿者は2012年前後に、自叙伝の「筆談ホステス」(ドラマ化もされた)を読みました。2015年に東京北区議会選挙では、2位以下を大幅に引き離しトップ当選・初当選しました。そして今回、国会議員立候補へと打って出たのです。斉藤さんの不幸な生立ち、身障者にとって極めて不利な選挙戦、相当な苦労があったと思われます。次回の選挙こそ、ぜひ当選を願う次第です

4年前の区議会の選挙中に、「耳が聞えず・しゃべれないのに、何で政治ができるのか」(*実際の言葉は、ブログでは書けない汚い障害者差別用語)といった、高齢者にありがちな心無い身体に関する嫌がらせを、直接、何度も受けたそうです(本人には聞こえませんでしたが)。また選挙規則は健常者を前提としているため、様々な壁にぶつかっていました。街頭演説の代わりに、ボードに文章を書いて見せようとしたが、公選法が禁じる「文書図画の掲示」にあたるためNG。また区議選では選挙用ビラは配れないことから、苦肉の策で名刺配りをしました(違反ではない)。名刺の裏や電子ボードで、集まった有権者と“筆談”を続けたのです。手振り・身振りを加え、必死に「言葉にならない言葉」で訴えたのが、有権者の心に届いたと思われます。

■障害者の立候補・議員活動を考えていない政界に風穴を
現在、8歳の娘をもつシングルマザーです。斉藤さんは、1歳10か月の時に髄膜炎が元で完全に聴力を失いました。言葉を覚える前だったので、満足に話すこともできなくなったのです。案の定、中学ではいじめられ、茶髪・たばこ・飲酒・万引き・暴力などお決まりの不良コースへ。その後は青森のクラブで働き「筆談」が人気になるも、快く思わないママや同僚ホステスに妬まれ店を追われることに。17歳の時に憧れの東京へ、銀座の高級クラブの「筆談ホステス」(筆談接待)が人気を呼び、NO.1ホステスとして人生の花が咲くことになったのです。競争が激しい銀座の水商売は、身障者への憐れみ・同情だけでは客は付きません。苦労に耐えた、彼女本来の優しさがあったからと思います。

「私は障害者であり、母です」 「聞こえないからこそ、人の声に耳を傾ける政治家になりたい」と決意し、バリアフリー社会、待機児童ゼロ、女性・子育て支援、高齢者に優しい街づくり実現を目指しています。健常者にはうるさ過ぎる選挙中のスピーカー(連呼)、でも「聴覚障害者には、全く聞えないのです」 「選挙や議会は『音(声)』があることが前提、そのため言語や聴覚の障害者が排除されている」 「ホステスでも政治家でも一般の市民でも、障害者は大きなハンディキャップを負っている」、そうした障害者の声を届けたいと訴えました。北区議員当選後も困難が続きます。本会議の一般質問、委員会審議の際、耳が聞こえない、声を出すことができないので、パソコンの音声読み上げソフトを使った質問、議会に提出する質問状はPCに書き込んでモニターに映し出す方法でした。そんな機械に頼るより規則を改正し、手話通訳者と「代弁者」の2つを認めたらどうかと思いました。投稿者は、聴覚障害者の政界進出を温かく見守っていきたいと思っております。

■山本太郎氏率いる「れいわ新選組」から重度身体障害者2人が当選
今回の参院選で、山本太郎氏率いる「れいわ新選組」から、重度身体障害者2人が当選しました。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の舩後(ふなご)靖彦氏、生後8か月で頸椎を損傷し介助者の付き添いを受ける重度身体障害者の木村英子氏です。全身マヒの国会議員は初めて。さて国会議員としての現実は厳しく、斉藤里恵氏の苦難と同様、健常者を前提とした古臭い規則と習慣が待ち受けています。代読、介護者の同行、押しボタン式投票は困難、舩後氏の車いすはサイズが大きい、スロープ設置などの検証が必要です。国会として、障害者へどんな対応ができるか試されています。過去には車イスの国会議員・八代英太氏のために、前例がない衆院議場内に階段昇降機を設置しました。税金は、弱い立場の人に多く使うべきです。そして将来は全国の自治体でも、普通に身障者が立候補・議員活動ができる流れができればと思います。

Sankoub
東京北区議会選挙にトップ当選した“元・筆談ホステス”斉藤里恵さんに期待したい

Ntopkeiji

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