食品のカラクリと暮らしの裏側

食品の安全・安心が総崩れ、また政治・社会の矛盾や理不尽さも増大
暮らしの裏側の酷さやまやかし、危険性・不健全さに迫る!

最高裁「性別変更手術」要件は違憲「過剰な制約」、性的少数者の権利に関して初めて/少数派

2023年10月31日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/社会の弱者・人権
最高裁「性別変更手術」要件は違憲「過剰な制約」、性的少数者の権利に関して初めて

M20231028

■人権尊重の流れが社会を動かす、彼等の不利益を解消するのは国の責任、法改正を急げ
投稿はしんぶん赤旗を活用しております/自認する性に合わせて戸籍上の性別を変更する際、生殖能力をなくす手術を要件とする性同一性障害特例法(特例法)の規定を巡り、憲法に違反するかどうかが争われた家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷は10月25日、違憲であり、無効とする決定を出しました。2019年に最高裁第2小法廷は同規定を「現時点では合憲」としていましたが、この4年間の社会情勢の変化を踏まえ、判断を変更しました。人権尊重の流れが、司法と社会を確実に動かしています。特例法は性別変更にあたり、(1)18歳以上 (2)婚姻していない (3)未成年の子がいない (4)生殖腺(精巣や卵巣)がないか、その機能を永続的に欠く(生殖不能要件) (5)変更後の性別の性器に似た外観を備えている(外観要件)―の5要件を定めています。(4)と(5)は「手術要件」と呼ばれます。申立人は、戸籍上の性別を出生時の男性から女性に変更することを求めました。手術を受けていませんが、長年のホルモン治療で生殖能力は減退し、生殖の可能性は極めて低く、要件を満たすと主張していました。手術を必須とすることは過度な負担を強い、幸福追求権を定めた憲法13条などに違反すると訴えていました。

裁判官15人全員一致の意見です。特例法は、性別変更のために「生殖腺がないこと、または生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」(3条1項4号)と定め、原則として生殖腺除去手術(精巣または卵巣の摘出術)を要件としています。決定は、同規定が憲法13条の保障する「自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由」を制約するものと判断。性同一性障害者に対し、手術か性別変更の断念かの過酷な二者択一を迫るものになっており、手術を要件としない国が増えていることを考慮すると、「制約の程度は重大」であり、同規定を「違憲・無効」と判断しました。また、大法廷の判断と異なり、「合憲」と判断した2019年1月の第2小法廷決定は「変更する」としました。今回、違憲・無効とされた3条1項4号のほか、「移行する性別と外観が似ている」(外観要件、3条1項5号)とする規定についても「違憲」だと申し立てています。最高裁大法廷の決定は、同規定について原審(高等裁判所)が判断していないとして、原審に差し戻しました。15人の裁判官のうち、三浦守、草野耕一、宇賀克也の3人が、外観要件についても憲法13条に違反するとしました。

手術は生命や身体への危険を伴い、不可逆的な結果をもたらします。特例法の要件は、体にメスを入れるか、それとも自認する性で生きられない苦痛や不利益を甘受し続けるかの「過酷な二者択一」を迫るものです。即刻改めなければなりません。違憲決定は重要ですが、外観要件については判断せずに高裁に差し戻し、申立人の性別変更の決定は先送りとなりました。しかし、3人の判事が「外観要件も違憲」との反対意見をつけたことは注目されます。外観要件も性別変更のために手術を強いる人権侵害であることに変わりありません。司法の判断を待たず、国会で法改正の議論を急ぐべきです。南和行弁護士は、特例法が定める5要件のうち、「生殖腺がないか、生殖機能を永続的に欠く」(生殖不能要件)について最高裁が違憲と判断したことは「大きな意義だ」と強調。一方で、外観に関する要件について二審に差し戻したことについて、「申立人自身の性別と法律上の性別が一致していない不利益が解消されるわけではない」と指摘。「本人にとって一番いい結果になっていないのは悔しい」と語りました。申立人は弁護士を通じて、「性別変更が最高裁大法廷でかなわず、先延ばしになってしまったことは残念だ。次回に向けていい判断が出ることをうれしく思う」とするコメントを出しました。吉田昌史弁護士は、外観要件も違憲だとする3人の裁判官の反対意見にふれ、「申立人にこのことを伝えたときに涙を流していた。高裁での判断で審理が尽くされるよう願いたい」と話しました。

投稿者によって一部割愛や接続文章等の修正・補足、投稿タイトルは
新聞の原題・原文に基づき、若干、付け加えております。


投稿者からのひと言/ひと言ではなく、補足とします。要件「5号」の性器の外観を似せることは、4号と同じ理屈で違憲である。高裁へ差し戻しになったが、違憲になるのは明らかだ。3号の「未成年の子がいてはいけない」も削除されるべきだ。法改正ともなると、毎度、自民党の右翼議員が大反対するに違いない。しかし国民の運動が社会を動かし、世の中が人権尊重の流れが大きくなってきた。右翼議員の陳腐な理論も理屈も、撃破できる時代に変わった。話はそれるが、トランスジェンダーの方が病気になると、保険証の性別表記のため受診をためらうことが多いと言う。また普通の人と比べ、貧困率は2倍、失業率は3倍のデータもある。不利益を強いられているので、早急に国の責務として環境改善、法制度を直すことが必要だ。

Akahatatop

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 毎日ことば|処暑・やぶ蛇・... | トップ | 索引【あ(な-わ行)】毎日... »
最新の画像もっと見る

社会の弱者・人権」カテゴリの最新記事