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ジャニー喜多川②グルーミング性加害は本人死亡や関係者の得失で免罪されるべきではない/少数派

2023年04月27日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/社会の弱者・人権
ジャニー喜多川②グルーミング性加害は本人死亡や関係者の得失で免罪されるべきではない

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■少年への口淫・肛門性交などセクハラに従わなければアイドルに引き立てられない
投稿は毎日新聞を活用しております(山田孝男・特別編集委員)/ジャニーズ事務所と大手メディアの気まずい沈黙が続いている――。3月7日、英BBC放送が、ジャニー喜多川の性加害をめぐるドキュメンタリー動画を配信した。被害者は10代の少年たち。ジャニーズ事務所と<週刊文春以外のメディア>の反応の鈍さを問うている。4月12日、元ジャニーズJr.の男性歌手が日本外国特派員協会で記者会見し、喜多川から受けた性被害を証言。ようやく大手メディアの一部が動いた。文春が先行→海外メディアが注目→外国特派員協会で会見→大手メディアも追随という流れ、既視感がある。月刊「文芸春秋」の金脈追及と田中角栄首相の会見、辞任(1974年)である。金脈追及に学び、問題を腑(ふ)分けしよう。「SMAP」「嵐」など男性人気アイドルグループを次々世に送り出した伝説の芸能プロデューサー、ジャニー喜多川(本名・喜多川拡(ひろむ))は2019年、87歳で亡くなっている。24年前の99年10月から年末にかけ、「週刊文春」が14週連続で喜多川の暗部を暴いた。事務所の少年へのセクハラ(口淫(こういん)、肛門性交など)が常態化し、従わなければアイドルに引き立てられないのだと。

喜多川とジャニーズ事務所は1億円の損害賠償を求め文春を提訴。1審は文春が負けた(02年3月)。2審は文春が実質勝訴(03年7月)。最高裁で原告の上告棄却(04年2月)。確定した東京高裁判決全文を読んだ。少年たちの証言を「おおむね一致」「具体的で率直かつ詳細」と評価。喜多川には「具体的な反論、反証がない」として言い分を退けている。判決翌日の毎日新聞は「重要部分は真実」の見出しとともに社会面3段で報じた(03年7月16日付東京版)。民放は男性歌手の会見の後、10日の沈黙を経て先週末から報じ始めた。NHKは会見翌日(4月13日)の夕方のニュースで伝え、ゴールデンタイムには消えた。テレビは番組制作でジャニーズ事務所を頼るので後ろ向きだと言われている。毎日新聞は13日付社会面の2段で報じた(東京版)。「サンデー毎日」の表紙はジャニーズJr.だし、TOKIOの城島茂の連載が毎日新聞本紙にある。性犯罪報道に関わってきた同僚に聞くと、こう答えた。「書きにくさ以前に問題視する人が少ない。問題意識の低さが根底にあると感じてきました」

「ジャニーさんには感謝している」と語る少年や親もいる。「死者にムチ打つな」との声も。だが、被害申告さえなければ、有力者の性加害はお構いなしというエンタメ業界、黙認する日本社会でいいのか。性的な目的で子どもを手なずけることをグルーミング(grooming)という。近年、SNSで子どもに近づき、性加害に至るグルーミングが増えているという。事柄の性格上、表面化しにくく、子どもの心身に深刻な影響が残る。先月、今国会に提出された刑法改正案の狙いの一つはグルーミングの処罰である。強制わいせつ罪成立の要件に「経済的、社会的地位に基づく影響力」を盛り込み、最高懲役10年の厳罰化を目指している。半世紀前、文春に後れを取った大手メディアは、続くロッキード事件で田中金権政治の解明を競い、面目を保った。喜多川の性加害は、本人死亡や利害関係者の得失で免罪されるべきものではない。

投稿者からのひと言/前号(下記リンク)を参照のこと。
補足/グルーミング」とは、大人が性的行為を行う目的をもって子供を懐柔し、自分達には特別な絆があると思い込ませ、被害を被害と思わず、声を上げづらくさせる性加害の手口を指します。グルーミングを行う大人は、「すごく優しい」「共感してくれる」などの印象を子供に与えます。一度手なづけられると、あとでひどいことをされても、相手を全否定できません。

Sankoub
次号/ジャニー喜多川③事務所タレント「数百人が性的搾取(性被害)」と国連人権理の作業部会が発表
前号/ジャニーズ喜多川①事務所は「性加害の疑惑に口をつぐむな」少年たちの夢につけこむグルーミング

Ntopkeiji

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