3月に入り暖かくなったと思ったらまた冬に戻った。 桟俵を編む加工小屋が風雪に時折うなり声をあげてきしむ。
外は瞬く間に真っ白に覆われ、道行く車のワイパーがせわしなく動く。
こうやって少しずつだが確実に春はやってくるのだろう。
だが、一向に待ってもやってこない春がある。 先日池ノ谷で雪崩に巻き込まれた県警山岳警備隊員のMさんだ。
雪崩の危険がありヘリも近づけず、一人2140m付近に取り残されたまま10日が経った。
遺体にすがって泣きさけぶことすらできない遺族の方々の胸中を察するに余りある。
藁を編む手を止めては吹雪の向こうを見つめて心が痛む。
お前も岳人の端くれなら仲間と一緒に行って連れて来いと言われても返す言葉がないが、今となっては事故の状況が知りたい。
その時なにが起きたのか?、Mさんはどの位置だったのか?、助かった3人はなぜ?など等知りたいことがいっぱいあるが、県警のその後の発表は一切ない。
これが一般の登山者の遭難事故であったら、どうだろうか?。 救出された翌日には詳細に亘って詳らかにされ、挙句には行動の無謀さが事の重大さを引き起こしたと糾弾されるのだ。
Mさんは帰ってこない。県警は連日搬出できない言い訳を述べるだけ。
悔しく情けない。
県警は彼の死を受けて訓練のあり方を見直すと発表しました。
ただ、組織というものは恐ろしいくらい頑ななもので、都合の悪いことは一切表に出さないのですね。
担い手の件ありがとうございます。
いまのところ順調であります(照笑。