ニコニコかみさま 14

2021-04-21 08:06:18 | 日記
「声を掛けてきます。」

お店の女の子が堪らずマジシャンに向かって歩きだした。

「あの…、ビリケンさんですか?」

「あ…💦値段を見ようと思って」

マジシャンは慌てて、意外な言い訳をした。

値段はショーウィンドウの外からでもしっかり見える。

「ビリケンさん、お出ししましょうか?」

「いくらでしたっけ?このビリケン」

あくまでもマジシャンは、ビリケンさんに興味があり、購入を検討している風を装う。

足を掻きに来ただけ…とは言えない。



「ありがとうございます❗お買い求めでしょうか?」

たまたま、社長がお店に現れて、その様子を見ていて、テンション高く声を掛けてきた。

このサイズのビリケンさん、なかなか無いんですよ⤴️」

マジシャンは、テンション高めの口調で語りかける社長の勢いに焦った。

「そ、そうですよね…。」

「大きいので、配送もいたしますよ⤴️」

「…そうですか…、あ、でも、今日は持ち合わせが足りないので帰ります」

マジシャンは、急ぎ足で帰って行った。