「声を掛けてきます。」
お店の女の子が堪らずマジシャンに向かって歩きだした。
「あ…💦値段を見ようと思って」
マジシャンは慌てて、意外な言い訳をした。
値段はショーウィンドウの外からでもしっかり見える。
「ビリケンさん、お出ししましょうか?」
「いくらでしたっけ?このビリケン」
あくまでもマジシャンは、ビリケンさんに興味があり、購入を検討している風を装う。
足を掻きに来ただけ…とは言えない。
「ありがとうございます❗お買い求めでしょうか?」
たまたま、社長がお店に現れて、その様子を見ていて、テンション高く声を掛けてきた。
「このサイズのビリケンさん、なかなか無いんですよ⤴️」
マジシャンは、テンション高めの口調で語りかける社長の勢いに焦った。
「そ、そうですよね…。」
「大きいので、配送もいたしますよ⤴️」
「…そうですか…、あ、でも、今日は持ち合わせが足りないので帰ります」
マジシャンは、急ぎ足で帰って行った。