「どうする?◯◯◯、取り寄せておく?」
「う…ん、たぶん、買わないでしょうね。」
「あの人は、何を望んでいるんだろう…。マジシャン?」
女の子は吹き出した💨
「たしかに…マジシャンみたいですよね、あのファッション。マジシャンじゃないみたいですよ」
「知ってるの?」
「だいぶ前に先輩がいた頃、あのお客さんと話しをしていたのを聞いたんです。あのファッションは、趣味だそうですよ。」
「…そ、そうなんだ…💦しかし、あの人は、ここへ来て、何をしたいんだろう…。買い物はしないし、店先を見て、ビリケンさんに触れて帰るだけだし…」
「運気を上げたいだけなんじゃないか…って、先輩が言ってました。」
「はぁ…確かに…。あの人の行動は、"運気を上げたいため"と考えると、納得する…。だけど、毎回ビリケンさんの足を掻いて帰るけど、商品なのに…」
そうなんです。ビリケンさんは、商品なんです。
大阪の通天閣みたいに、ただの展示物だったら足を掻くのは"アリ"ですが、商品だと、"ナシ"なのではないでしょうか?
だから、気軽に足を掻けないように、ショーウィンドウの中に展示しているワケで…。
なのに、ショーウィンドウの中の、さらに他の商品の隙間に手を差し入れてビリケンさんの足を掻くのは、どうなのか…と。
これは、お断りをするべき?