8月。
5年ぶりの日本の夏の暑さで死にそうです。
ともあれ。
最近、ちょっと気になっているのが株式市場の変調だ。
今年の前半「アベノミクス」を持て囃して大きく上昇した市場は
ここにきて、ちょっと冴えない感じになっている。
俗にいう「アベノミクス」は「3本の矢」から成ると言われている。
①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起する成長戦略、の3つだ。
一部には、この「3本の矢」は三位一体であり、
一体的に実施することで相乗効果を生むような意見を吹聴している者がいるが、
私は全くそうは思わない。むしろ、相反する要素が大きいと思っている。
当初の「アベノミクス」への熱狂が一段落して、
少しずつ、この矛盾に気が付く人が増えていることが、
最近の市場の変調の根底にあるのではないか。
私が唯一、積極的に評価しているのは①の金融政策だ。
これまで、ほんの僅かでも景気の回復の芽が見られると、
必ず、日銀が「インフレ、インフレ」と狼少年のように大騒ぎをして、
政策金利引き上げを行い、回復の芽を摘み取ってきた。
今回、日銀はインフレ目標を2%に設定し、
それまで徹底的な緩和政策を行うことが確認された。
これによって、将来的に日銀に潰されることなく景気回復が起こる期待感は、
大きく増大したと言って良いだろう。
加えて、単に足元の政策金利を下げるだけでなく、
長期国債を大量に買い入れることで、長期金利にも働き掛けようとしている。
よく、いくら金融緩和しても資金需要が無いから無駄だとも言う人がいる。
しかし、極論を言えば10年金利がゼロ%になれば成り立つ事業はいくらでもある。
長期金利は基本的に需要と供給で決まるが、その需給に日銀が積極的に関与し、
長期金利を積極的に押し下げようという政策は極めて正しいと思う。
そういう意味で「1本目の矢」は正しい方向を向いている。
しかし、その方向性と「2本目の矢」の積極財政とは、
全くの反対の方向性を持っているのだ。
せっかく、日銀が市場から長期国債を買い入れて長期金利を押さえに掛かっても
一方で、政府が大量の国債を発行して長期金利を押し上げてしまえば
日銀の努力は台無しなのである。
その結局、長期金利が低ければ実現できたはずの民間主導の景気回復は頓挫し、
これまで何度も繰り返してきた一過性の公共事業による底上げだけが行われ、
それが一巡すれば、結局は元の木阿見ということになりかねない。
これは何としても避けてほしい。
あと③の成長戦略であるが、これはプラスにもマイナスにも成りうる。
ただ、これまで自民党が「構造改革」などと叫んでやってきたのは、
「郵政民営化」を除けば大半がむしろこれまで機能してきた世の中の機能を
破壊するもの、もしくは経済効果度外視で自分達の票田に金を落とすことを
目的としたようなものばかりであったことを考えると、
むしろ、マイナスとなる可能性が高いと言わざるを得ない。
インチキ経済新聞などは、さかんに「3本目の矢」を政府に迫るような
論調を吹聴しているが、政府が「3本目の矢」と称して
インチキ経済新聞が主張するような訳の解らないことを始めることは、
マイナスの効果しかないことをしっかり理解する必要がある。
いずれにしても、ここにきて「2本目の矢」、「3本目の矢」を
全くゼロとすることは政治的に困難かもしれないが、
マイナスの効果を持つそれらの政策をいかに圧縮して、
「1本目の矢」の効果をじっくり待つことができるかに、
「アベノミクス」の成否が掛かっていると思う。
5年ぶりの日本の夏の暑さで死にそうです。
ともあれ。
最近、ちょっと気になっているのが株式市場の変調だ。
今年の前半「アベノミクス」を持て囃して大きく上昇した市場は
ここにきて、ちょっと冴えない感じになっている。
俗にいう「アベノミクス」は「3本の矢」から成ると言われている。
①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起する成長戦略、の3つだ。
一部には、この「3本の矢」は三位一体であり、
一体的に実施することで相乗効果を生むような意見を吹聴している者がいるが、
私は全くそうは思わない。むしろ、相反する要素が大きいと思っている。
当初の「アベノミクス」への熱狂が一段落して、
少しずつ、この矛盾に気が付く人が増えていることが、
最近の市場の変調の根底にあるのではないか。
私が唯一、積極的に評価しているのは①の金融政策だ。
これまで、ほんの僅かでも景気の回復の芽が見られると、
必ず、日銀が「インフレ、インフレ」と狼少年のように大騒ぎをして、
政策金利引き上げを行い、回復の芽を摘み取ってきた。
今回、日銀はインフレ目標を2%に設定し、
それまで徹底的な緩和政策を行うことが確認された。
これによって、将来的に日銀に潰されることなく景気回復が起こる期待感は、
大きく増大したと言って良いだろう。
加えて、単に足元の政策金利を下げるだけでなく、
長期国債を大量に買い入れることで、長期金利にも働き掛けようとしている。
よく、いくら金融緩和しても資金需要が無いから無駄だとも言う人がいる。
しかし、極論を言えば10年金利がゼロ%になれば成り立つ事業はいくらでもある。
長期金利は基本的に需要と供給で決まるが、その需給に日銀が積極的に関与し、
長期金利を積極的に押し下げようという政策は極めて正しいと思う。
そういう意味で「1本目の矢」は正しい方向を向いている。
しかし、その方向性と「2本目の矢」の積極財政とは、
全くの反対の方向性を持っているのだ。
せっかく、日銀が市場から長期国債を買い入れて長期金利を押さえに掛かっても
一方で、政府が大量の国債を発行して長期金利を押し上げてしまえば
日銀の努力は台無しなのである。
その結局、長期金利が低ければ実現できたはずの民間主導の景気回復は頓挫し、
これまで何度も繰り返してきた一過性の公共事業による底上げだけが行われ、
それが一巡すれば、結局は元の木阿見ということになりかねない。
これは何としても避けてほしい。
あと③の成長戦略であるが、これはプラスにもマイナスにも成りうる。
ただ、これまで自民党が「構造改革」などと叫んでやってきたのは、
「郵政民営化」を除けば大半がむしろこれまで機能してきた世の中の機能を
破壊するもの、もしくは経済効果度外視で自分達の票田に金を落とすことを
目的としたようなものばかりであったことを考えると、
むしろ、マイナスとなる可能性が高いと言わざるを得ない。
インチキ経済新聞などは、さかんに「3本目の矢」を政府に迫るような
論調を吹聴しているが、政府が「3本目の矢」と称して
インチキ経済新聞が主張するような訳の解らないことを始めることは、
マイナスの効果しかないことをしっかり理解する必要がある。
いずれにしても、ここにきて「2本目の矢」、「3本目の矢」を
全くゼロとすることは政治的に困難かもしれないが、
マイナスの効果を持つそれらの政策をいかに圧縮して、
「1本目の矢」の効果をじっくり待つことができるかに、
「アベノミクス」の成否が掛かっていると思う。
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