有機化学にっき

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JACS ASAP

2006-02-06 08:38:59 | 新着論文
A General and Long-Lived Catalyst for the Palladium-Catalyzed Coupling of Aryl Halides with Thiols

高活性、高寿命な触媒による塩化アリール、もしくはトシレートとのPd触媒を用いたクロスカップリングによるチオ化。

Hartwigのグループ。Sとのカップリングは従来Pdのloadingが多く、基質の制限があったとのこと(これまでの報告ではchloroareneは二トリル、エステルを含むものだけ、aryl tosylateは報告例なし)
以前ACIEE 2005, 44, 1371-1375 で報告している高活性、高寿命な触媒配位子 Josiphos ligand を用いることでTONを従来より2桁以上改善。 アミド カルボン酸、アルデヒド、芳香族アミン、フェノール、二級水酸基などの官能基共存性も有。TIPS-SHを用いることでcoupling、脱保護を利用して、非対称diaryl sulfideを合成する例も報告。
ヘテロ環の報告例はチオフェンのみ。窒素含有へテロ環の報告例なし。反応温度はClでは110度、Iでは25度でもカップリング進行。