みどりの船

絵本と絵本まわりのこと、日々の雑感を少し。

こうさぎのクリスマス

2005-12-22 | クリスマス絵本
 松野正子 作/荻太郎 絵  福音館書店

いつだったか、こどものともの原画展に行ったとき、
この絵本の原画を見ました。
クレヨンと水彩で描かれるタッチが美しくて、いいなぁと
思ったけれど、すでに手に入らないもので、あきらめていました。
その後ひょんなところでこの絵本と出会い、難なく手元に置くことに
なったのです。
こういうこと、わりとあるのですよね。
思いが通じるというか、願っていると向こうからやってくるというか。
あ・・・しつこいってのもあるかもしれませんが。

             

うさぎの兄妹のうちには、お父さんもお母さんもいません。
きつねにおいかけられていなくなってしまったのです。
他の動物たちのうちには、きれいなクリスマスツリーがあって、
クリスマスのごちそうのにおいまで流れてきます。
妹のルビーが兄のラビーに、「もうすぐクリスマスね。
サンタクロースのおくりものはなんだとおもう?」と聞きます。
ラビーは、とうさんとかあさんがいなくて、ツリーもかざってない
うちなんか、サンタクロースだって気づかないから、来ないよ
と答えてしまうのです。
その晩、ルビーもラビーもなかなか眠れません。
ルビーもラビーもお互い、プレゼントがもらえなかったら、さぞ
落胆するだろうと思い、何かできないか考えるのです。
翌日、2人はこっそり材料を集め、それぞれ夜なべしてプレゼントを
用意します。
ラビーは、まつかさやどんぐりでお人形を、ルビーはこけやくさを
つめて小さなクッションを作り上げました。
ラビーは、かなづちで手を打ちながら・・・
ルビーは、はりで指をさしながら・・・
そうしてやってきたクリスマス当日、プレゼントに喜んだ二人の
もとに、待ち望んでいたものがやってくるのです。

このお話、絵もいいしお話もいいな。
クリスマスが単にものをもらうだけの日ではないことを、改めて
考えさせられます。
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トムテ

2005-12-21 | クリスマス絵本

 
 ヴィクトール=リードベリ詩/ハラルド=ウィーベリ絵 
    山内清子訳  偕成社(品切れ)
                                                                           
北欧では、納屋や古い家の床下などに小人(トムテ)が住んでいて、
その家の家畜や人を守ってくれるという。
この絵本はそのトムテのつぶやきが、詩という形で表現されています。
あとがきによれば、スウェーデンの詩人・リードベリが
1882年に発表したこの詩は、今日でも広く
スウェーデンの人に愛されていて、
大晦日の夜に、ラジオで朗読されているのだそうです。

流れるような趣のある詩に、美しいウィーベリの絵が
ぴったりよりそっていて、静かな雪国の静寂さが
伝わってくるようです。

クリスマス・イブの日、トムテを大事に思う家人は、
トムテのためにおかゆをうつわによそって、
納屋や馬やや仕事場に出しておきます。
そうしないと、トムテがいたずらをするかもしれませんから。
スウェーデンで「トムテ」と言われているこの小人、
ノルウェーやデンマークへいくと「ニッセ」と言われるのですね。

ウィーベリの描くトムテは、白いひげを足先までのばし、
赤いボンボンつきの帽子をかぶった、鉤鼻のずんぐりした
おじいさん風。
そのトムテが農場の夜番をしながらつぶやきます。

 「わしにはまだ、どうもよくわからん」

トムテは昔から、ここのこどもたちのお父さんがこどもたっだときも、
おじいさんがこどもだったときも、
ひいおじいさんがこどもだったときも、
ずっとずっとこどもたちを見守ってきたのです。
でもトムテには不思議に思える難問がひとつ。

 ひとはどこからくるのだろう。
 こどもがおやになり、またそのこどもがおやになる。 
 にぎやかにたのしくくらし、としおいて、 やがていってしまう。 
 だが、どこへいくのだろう。

かすかに聞こえてくる滝の響きを聞きながら

「どこへながれていくのだろう。みなもとはどこだろう。」と考えるのです。

答えは出ず・・・。静かに静かに雪景色の夜はふけていきます。

不思議な余韻のある絵本です。
最初手にとった15年前より、今のほうが、格段にこの絵本を
味わえるようになったことがちょっとうれしい。
なのにこの絵本、今は品切れなのですね。残念!

トムテといえば、お人形のふりをしたトムテの息子が、
おもちゃやに売られてしまう、ベスコフの
「おもちゃやへいったトムテ」も楽しい読み物です。


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メリークリスマス

2005-12-20 | クリスマス絵本
 
R.B.ウィルソン文/ 市川里美 画
 さくまゆみこ訳  冨山房

副題に~世界の子どものクリスマス~とあるように、
この絵本の中には、いろいろな国のクリスマスの
祝い方・準備の仕方が描かれていて、
各国のイベントや言い伝えなどを、読んで楽しめる
絵本です。

しかしこの絵本!まだ”チェコスロバキア”の
表記があるほど前のもので、奥付を見ると
1983年初版です。
ざっと20数年前のものなので、
今もここに書かれて(描かれて)いるとおりかと言えば、
もしかしたら違うのかもしれません。

とりあげられている国は、イギリス・アメリカ、
ドイツ、オランダ、ポーランドとチェコスロバキア、
フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、
ソビエト連邦、フランス、イタリア、ギリシア、
メキシコ、インド、日本、オーストリアの17カ国。

今となっては名も違う国もありますが、みな
それぞれ祝い方があるのですね。
この絵本を読むまで、ヨーロッパなどはどこでも
同じように祝うのかと思っていましたよ・・・

クリスマスにヒイラギをかざるようになった
もとのお話や、クリスマスにくつ下をぶらさげるように
なったわけ、ノルウェーのニッセ小人のことや
スウェーデンのルチア祭、メキシコのポサダなど、
へぇ~と納得するエピソードがたくさんです。

そういえば、食べ物も出てきます。
よく耳にするしょうがクッキーやクリスマスプディング
などのほかに、冷凍パイシートとマジパンで作る
オランダの文字ケーキのレシピなどもあり。

チェコではクリスマスに鯉を食べると聞きましたが、
日本人の口には合わないらしい・・・
実際はどうなのでしょうね。

我が家もささやかながら続けているのが、クッキー作り。
ジンジャーとは限らないけれど、12月に入って
クリスマスまでに2回ほど焼くのです。
今年はまだ一度も焼けず、22日に作る予定。

現実は、雑務に追われてお尻に火がついている
状態なので、純粋にクリスマスだけを祝うムードでは
ないのが残念ですが。

近い将来はムリとしても、遠い未来にでも・・・
いつかドイツのクリスマス市に行ってみたいなぁ。
ホットワインを飲みながら市で買い物し、
静かにクリスマスを過ごすのが密かな夢です。
でもそうなったら、お正月のあの雰囲気を
恋しがるのでしょうね。


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思いがけない贈り物

2005-12-19 | クリスマス絵本

 
エヴァ・ヘラー作/ミヒャエル・ゾーヴァ絵 
  平野卿子訳   講談社

アドヴェント・クランツも、いよいよ4本目のろうそくが
ともる今週。
ラジオからはひっきりなしに、ワムや山下達郎の定番
クリスマスソングが流れていますね。
この週末、すでに上の人には、義父からのクリスマス
プレゼントが届きました。
義父からのプレゼントについては、いつも思うところが
あるのですが、それはソレとして・・・
孫を喜ばせたいという気持ちはありがたく
いただこうと思っています。
でも、「そちらで調達してやって。あとでお金送るから」
というのはお願いだからやめて~。
だってだって、それではプレゼントの意味が・・・
心がぁ・・・・とブツブツブツ・・・・
いろいろ言いたいことがつのって。
ついに・・・・お話しました。
真意が伝わっていればいいけれど。義父はよくわからなかったみたい。

そんないろいろなことを考えていると、やっぱり真実はここでしょう
と思うのが、『思いがけない贈り物』です。
ゾーヴァのリアルで端整な絵が、お話にぴったりだなぁと思います。

              

クリスマスイブの夜、仕事を終えたサンタクロースの手元に、
ひとつのお人形が残っています。
サンタは使命感が強く、今年お人形をもらわなかった女の子
6人と大勢の男の子をパソコンではじき出します。
でもその数の多さにびっくりし、とりあえず打ち出された最初の
6人の女の子と男の子2人のうちを、順々にめぐります。
どこへ行っても、お人形を心から欲しがっている子に
めぐりあえないサンタは、途方にくれて、友人の
ミセス・ハッピーのところに電話するのです。
そこに偶然居合わせた、ミスター・ラブの言葉

 「もし『これがあなたへのプレゼントですよ』といえないくらいなら、
 いっそあげないほうがいい。あげないほうがいいですよ」 

に、ドキッとするサンタクロース。
これは忘れてはいけないよなぁと自戒をこめて思うのです。

「モノがあふれる現代、
 相手を本当に
 幸せにする贈り物とは?」

これは、この絵本の帯の言葉。
そういう思いで一生懸命相手のことを考えてプレゼントしたいなぁ。
願わくば、そういう思いのプレゼントを受け取りたい!とも思うのです。

お話のお人形は、もちろんハッピーエンドです。
ちゃんと、望まれたところに送り届けられるのですから! 


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聖なる夜に

2005-12-18 | クリスマス絵本

ピーター・コリントン/作 BL出版

昨日に引き続き、ピーター・コリントンの
文字なし絵本です。

「聖なる夜に」原題 A Small Miracle

まさにクリスマス・イブに起こった奇跡のお話です。

床板のこわれたトレーラーハウスに住むおばあさんは、
イブの朝、食べるものもたきぎもお金もないことに気づき、
ありったけの服を着て、
愛用のアコーディオンを持って出かけます。

教会には聖家族の人形が置かれ、街はクリスマスの
買い物で忙しそうに行きかう人でいっぱいです。

でも、その街角でアコーディオンを弾くおばあさんに
気をとめる人は誰一人としていないのです。
仕方なくおばあさんは、愛用のアコーディオンを
質に入れお金にかえますが、外に出たとたん、
バイクに乗ったひったくりに、
なけなしのお金をとられてしまうのです。
おばあさんはトボトボと教会へ向かいます。

そこに出くわしたのが、さっきのひったくり。
おばあさんは、教会の献金を取り返し、
教会の鍵をしっかりかけます。
ふりかえって中を見てみれば、クリブ(馬小屋)と
聖家族の像は、無残にも蹴散らされ、
ばらばらに横たわっています。
おばあさんは、一体一体を両手で大事そうに抱えて
元通りにし、献金も横に戻して、教会をあとにします。
が・・・
雪が降る中、もう何の力も残っていないおばあさんは、
家に行き着く前に倒れてしまうのです。

その後起こることがまさに奇跡!
あー、おばあさん本当によかった。

いつも弱いものに目を向けられる細やかさと、
悪に対して毅然と立ち向かう正義感。
大事なことだなぁと思います。
シンプルだけど、実際は難しいこと。

せめてクリスマスくらい、正直な心持ちで迎えたい!と
思っています。
それと、せめてクリスマスを迎えるこの一週間、
胸が痛くなる事件が起こりませんように。

少々疲れ気味のトゲトゲしがちな心を、
少しやわらかくしたいなぁと
この絵本を見ながら思ってしまいました。
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天使のクリスマス

2005-12-17 | クリスマス絵本
 
ピーター・コリントン/作 ほるぷ出版

ピーター・コリントンの文字なし絵本です。
コマ割りの絵だけでお話は進みます。

巻末の江國香織さんの言葉にあるように、
不思議と「気配」や「音」が伝わってくるような
気がする絵本です。

上の人が小さいとき、「煙突がないおうちに
サンタさんはどうやってくるの?」と言っていましたが、
そんな疑問にも見事に答えてくれます。

女の子はイブの夜、プレゼントのリストを書いて
くつしたの上において眠ります。
眠ったことを確認した守護天使(私は妖精かと思っていた)が
リストをチェックし、ツリーのキャンドルをともし、
部屋の鍵をあけて他の天使たちを誘導します。

その一つ一つの仕草や表情がとても愛らしい。

大勢の天使たちが、ひとつずつキャンドルを
手にしてすることは、サンタクロースの道案内役です。

このサンタクロースがまたちょっとぬけていて、
ドサッとプレゼントを落として音をたててしまいます。
でもそれもご愛嬌。
どんぐりのような目をむき出してギョッとする
サンタクロースは、守護天使の魔法で、
危機一髪のところをきりぬけます。

最後の場面で、一仕事を終えた守護天使が、
暖炉の前で紅茶を飲みながらくつろぐ様子は、
雪が降る外の寒さと対比されて、とってもあったかです。

クリスマスイブの夜、自分の寝たあとで
こんな大仕事がなされていると思うと、
ちょっとわくわくしてしまいます。
それも守護天使の小さな足音さえ聞こえてきそうな
静かな夜に。
今は、そんな静けさを探すことさえ、
難しいかもしれません。

そういえば・・・守護天使とサンタクロースが
女の子のプレゼントリストをチェックしている場面で、
「こんなにプレゼントもらえるの、いいなぁ」と
ひどくうらやましげでしたっけ。

さてさて、我が家のサンタクロースさんは、
どういう形でやってくるのでしょうか。


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クリスマス人形のねがい

2005-12-16 | クリスマス絵本

 
  ルーマー・ゴッデン/文  バーバラ・クーニー/絵 
     
掛川恭子/訳   岩波書店

2001年に出されたこの大型絵本は、絵本としてはテキストも多く、
読み応え十分のクリスマス絵本です。

”心から強く願えばその願いはかなえられる、
 奇跡は起こりうる”
ということが、

孤児アイビーと、クリスマス人形のホリー、小さい女の子がほしい
ジョーンズ夫人の不思議なつながりを通して語られます。

ホリーは、赤いドレスに赤いくつ、緑のペチコートとソックスという
クリスマスカラーのお人形。
ハシバミ色のガラス目は開けたり閉じたりできるし、
陶器の歯は小粒の真珠のようです。
イブまでに買ってもらわないと、クリスマスのおくりものには
ならないことを、昨日出されたばかりのホリーは知りません。

まわりのお人形たちに話を聞く中、アブラカダブラという
大きくて怖くて意地の悪いフクロウは、
ホリーに否定的なことばかり言って聞かせます。

でも、ホリーはあきらめず、クリスマスのおくりものとして
選ばれることをおねがいし続けるのです。

一方、セント・アグネスという孤児院では、
30人の孤児たちが一緒に暮らしていました。

でもクリスマスの3日間は、みな親戚の人と過ごすため、
むかえの人が来たり汽車に乗せられたりしています。

アイビーは、6歳の女の子。
緑色のコートと赤い手袋を持っています。
まさにクリスマスカラーです。
でもこのアイビーと一緒に過ごそうとまねいてくれる親戚は
いません。
アイビーは、「かまわないもん。」といいますが、
胸のおくはからっぽ・・・チクチクさすような痛みが走ります。
最後まで残っていた男の子に、アップルトンにいる
おばあちゃんのうちに行くから平気だと言ってのけますが、
それは、そんな町があるのかどうかわからないまま、
口から出た言葉でした。
おばあちゃんなんていないのはみな知っていることでしたし。
でもなぜか、アップルトンのおばあちゃんちに行くんだと
アイビーは強く思っています。

そして子どもがいないジョーンズさんは、今年はなぜか
クリスマスを祝う気持ちが沸き起こり、むずむずしています。
ツリーを買って飾り物も買って、キャンドルも買って。

帰宅途中でどういうわけか、赤いドレスのお人形ホリーに
目がとまるのです。
でも「きれいなお人形」と少し見入っただけで、
買うことはありませんでした。

このお人形のホリー(ヒイラギ)と孤児アイビー(つた)、
小さな女の子が欲しいジョーンズさんの3人が、
それぞれの願いを強く願った結果!
すべてがかなうラストシーンでは、胸がじーんとしてしまいます。
点だったものが線でつながって、あるべきところにおさまった
・・・というような安堵感。
寒かった心と体が、暖炉と食べ物とで一気にあたたまり
ほぐれていくような安心感です。

たった一つの望みがかなえばそれで十分すぎる幸せ・・・
ふだんすっかり物欲の奴隷と化している自分にとって、
ハッとする真実です。

 クーニーの誠実で端整な絵は、ゴッデンのお話の世界を
あますところなく描いていて、本当にステキです。
まさにこのお話にはこの絵という気がします。

読んでいるうちに、アイビーやホリーの胸の痛みを一緒に感じ、
最後には思わず涙してしまう大好きなクリスマス絵本です。


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くるみ割り人形

2005-12-14 | クリスマス絵本

昨日は、ペンギンハウスのクリスマス絵本の
新刊講座でした。
今年はいやにサンタもののお話が多かったような
気がしますが、子どもと楽しむとなると、
サンタクロースというのは格好の題材なのでしょうか。
(今年に限った話ではないかもしれないけれど)

気になって予約していたツヴェルガーの
『くるみ割り人形』も今年の新刊の一冊です。


原作 E,T.A.ホフマン/絵 リスベート・ツヴェルガー 
文 ズザンネ・コッペ/訳 池田香代子 BL出版


以前ツヴェルガーは、『くるみわり人形とねずみの王さま』
という読み物の挿絵でくるみ割りを描いていたので、
私も気になっていたのです。
帰って見てみると、絵の印象はまったく違っていて、
あらたに描きたかったというツヴェルガーの気持ちが
伝わってくるようです。

この絵本には、朗読と音楽の入ったCDがついています。

朗読は浅岡聡さん、オーボエとハープで奏でられる
音楽は馴染み深いものもあって、
あー、これはばら湖を渡るときの音楽だったのね、
などと思いながら聴くことができます。

朗読の浅岡さんは・・・・どうなんでしょう

うーん、私はイメージが違う感じでしたが、
それはそれで・・・。
耳から聞くくるみ割りもいいものですね。

それにしても、ペンギンのイーダちゃんも言って
いましたが、同じテーマの絵本は、ついつい
集めたくなります。

「くるみ割り人形」もそうだけど「クリスマスキャロル」
「クリスマスのまえのばん」「クリスマスの12日」・・・

くるみ割りで言えば、少女マリーやくるみ割り人形、
7つの頭を持つねずみの王様、ドロッセルマイヤー
おじさんなど、どのように描かれているのか
見るのが好きです。

今回のツヴェルガーの「くるみ割り人形」では、
マリーのベッドに腰掛けるドロッセルマイヤー
おじさんが、小泉首相の横顔に似ているのですよ!
本当です。(賛同者、いないかしら)

やっぱりツヴェルガーの絵はいいなぁ
(注:小泉首相に似ているからではなくて、
 絵自体が好きということ、誤解されたら大変だ!)

他にも、センダックやインノチェンティの描く
くるみ割り人形もそれぞれのよさがあって、
どれも捨てがたい魅力たっぷりです。
絵本といっても読み応えはばっちりあって、
少しずつお話に違いがあるのも楽しいところ。

 

私は恥ずかしながら、くるみ割り人形のバレエを
いまだかつて見たことがないのです。
お友達の子どもの発表会でも見たことがない。
いつか本物のバレエを見てみたいな~。
お話がどんなバレエになって表現されるのか、
興味津々です。

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サンタをのせたクリスマス電車

2005-12-12 | クリスマス絵本
 
ロルフ・クレンツァー/作  ジタ・ユッカー/絵
   ヴィルヘルムきくえ/訳  太平社

前に、「シモンとクリスマスねこ」のところで、
毎年みるユッカーさんの絵本があると書いたのが、
この『サンタをのせたクリスマス電車』です。

ベアーテのお父さんは、電車の運転手さんです。

でもクリスマスの時期には、赤くておとぎ話の絵が
一面に描かれている、クリスマス電車の運転手さんに
なるのです。
サンタの赤い服を着て、白いひげをはやして。
でもこれは、ベアーテの家族の秘密です。

このクリスマス電車の人気は大変なものなので、
ベアーテも妹のヘレンもまだ一度も乗ったことが
ありません。
一度でいいから、二人のかわいい天使が配る
切符がわりのあめをもらいたいのですが、
そう簡単にはいかないのです。

そのあとベアーテが考えた策は、
小さなサンタに扮するということ。

初日は一人。次の日になると2人。3日目には3人
という具合に、小さなサンタは毎日増えていきます。

困ったお父さんは小さなサンタたちに向かって、
サンタが増えると他の子どもたちが乗れないんだよ
と諭します。
けれどベアーテたちだって子ども。
まだ一度も乗ったことがない学校の友達が
たくさんいるのです。
そうお父さんに訴えると、お父さんはある提案を
してくれて、一日限定のサンタ電車が
街の中を走ることになったのです。

絵を見ていると本当にうっとりしてしまいます。
こんな電車があったら、私も乗ってみたい!
それはまさしく夢のような電車です。

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クリスマスキャロル

2005-12-09 | クリスマス絵本
私は、楽譜つきの絵本にめっぽう弱い。
というか、とても好きなのですね。
気づけば、いろいろ手元に集まっている状態です。

今日は、中学生たちの楽しい演奏を聴いて、
気分がよくなったので、楽譜つき絵本を
見返してみよう!と思ったものの・・・
これが案外多くて、1冊ずつじゃアップするにも
限度があることに気づきました。

・・・ということで、一挙にずらずら並べてみます。
今は手に入らないものもアップしてしまいます。
もちろん手に入るものも!

まずクリスマスの楽譜つき絵本といえば、私の中では
こちらです。

 
トミー・デ・パオラ リブロポート刊

1,5cmはあろうかという分厚い、ボリューム
たっぷりの楽譜つき絵本です。
実に32曲収録。
このトミー・デ・パオラの絵が、不思議とクリスマス
キャロルにマッチしていると思うのです。

私の家族は、父方の祖父の代からのカトリックで、
クリスマスイヴといえば、みんな家族総出で、
夜のミサに出かけるという一大イベントでした。
とにかく大慌てで夕飯を食べ、眠くなりながら
ミサに出る、そんな子ども時代。

不思議と聖歌(賛美歌)は気分を高揚させ、
父が朗々と歌うラテン語の賛美歌には、ひそかに
尊敬の念を抱いておりました。
口に出したことはなかったけれど・・・。
子どものときに、神父様に叩き込まれたとかで、
ラテン語のものでも歌えたのですね。

クリスマスの歌の絵本を見ながら口ずさんでいると、
そういう思い出も一緒に思い出されます。
やっぱり賛美歌は好き

この絵本には、賛美歌だけではなく、メジャーな
クリスマスソングやメジャーでないクリスマスソングも
入っています。
ただ残念なことに、このリブロポートはなくなって
しまったため、この絵本は、ただ今入手不可。

手に入るものなら、こちらかな。

 
児島なおみ 偕成社刊

赤いほうが1、緑が2になっています。
これも以前リブロポートから出ていて、私が赤の1を
買ってしばらくしたら、会社がなくなってしまった!
残念に思っていたら、偕成社から復刊して喜んだのでした。
1のほうには、おなじみ「もろびとこぞりて」
「ジングルベル」「きよしこのよる」「あわてんぼうの
サンタクロース」など全16曲がかかれています。

2のほうは、全15曲。でもさっとわかるのは
「ほたるの光」くらいかしら。
しかし「ほたるの光」って、クリスマスソングだったの?

絵は、このほど「うたうしじみ」が復刊された(祝・復刊)
児島なおみさん。
おしゃれ~な、かぁいらしい挿絵が魅力です。

この絵本たちは大丈夫だろうと、念のため調べてみれば、
bk1では在庫ありですが、Amazonや本やタウンでは、
1のほうが在庫切れになっています。
そのうちまた、重版がかかるのでしょうか。

数年前買ったのが、この2冊。

 

H.A.レイ あすなろ書房         エミリー・ボーラム絵/わしずなつえ訳
                             福音館書店 

H.A.レイといえば、おさるのジョージの人です。
こんな楽しい楽譜絵本も手がけているんです。
何が楽しいかと言えば、右ページに描かれる楽譜!
「ひいらぎかざろう」では♪がひいらぎになっているし、
「まきびとひつじを」では♪が羊なのですよ。
つまり、ページごとに♪が違うものでかかれているのです。
もちろん左側のページには、ちゃんとした楽譜と歌詞が
かかれているので、心配はありません。
こちらは、全10曲。

クリスマスの12日は、マザーグースで有名な
わしずさんの訳です。
これまたマザーグースの積み重ね歌の楽しさが、
視覚的にも楽しめる絵本になっています。
こちらCDつきで、美しい歌声を聴きながら、
しっかり練習することもできます。

私、そういえば、4年前、2年生のクラスの朝の時間に、
この絵本を見せながら、声絞り出して歌ったのでした!
みんな息つく間もない最後のほうで、すごーい!と
感心してくれてちょっとうれしかったです。

この解説・「クリスマスは1日だけじゃないの?」は、
ヨーロッパのクリスマスの過ごし方や、
この「クリスマスの12日」の遊び方などが
書いてあって、とても勉強になります!

                  

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クリスマスをまつリサベット

2005-12-07 | クリスマス絵本

  

アストリッド・リンドグレーン作/イロン・ヴィークランド絵
  石井登志子訳 岩波書店 せかいのどうわシリーズ


12/2にリンドグレーンのエーミルシリーズが、今は入手不可で
残念と書きましたが、こちらリサベットのシリーズは、ここでめでたく復刊です。
私も持っていなかった「クリスマスをまつリサベット」を早速買いました。

このせかいのどうわシリーズは、ちょうど読み物に移行する時期の
子どもにぴったりだな~と思います。
読みやすい文章量で、しかも挿絵入り。
だからといって、テキストに手抜きはありません。
大人でももちろん、十分に楽しめます。

六月が丘の川のほとりの大きな赤い家=おもしろ荘に住んでいるのが、
姉のマディケンと妹のリサベット。
この二人は、何かしらおもしろいことを思いついてはそれが事件に
結びついてしまう二人です。
ケンカもするけれど、マディケンとリサベットはお互いのことが大好き。
そして二人を取り巻く大人たちも優しく温かいのです。

『クリスマスをまつリサベット』は「おもしろ荘の子どもたち」の中の
「氷の川をすべって、りんごが丘へ」を、『おもしろ荘のリサベット』の
ほうは、「おもしろ荘の子どもたち」の「鼻にエンドウ豆を押しこんだ
リサベット」をそれぞれ挿絵つきで、単行本化したものです。

リサベットのお気に入りのセリフは、「じぇったいよ」「ざまあみろだ」
この「ざまあみろだ」は、友達のマティスとケンカしたときに言われて
以来のお気に入りなのです。
ところところで使ってみては、うまく使えたと思っているリサベット。
笑ってしまいます。

お話は、クリスマスも近い日曜日、川が凍ったことをお手伝いの
アルバから聞いた二人は、早々に着替えて川へ飛び出していくのです。
しばらくすべって楽しんだあと思いついたことは・・・りんごが丘の
なじみの農場まですべっていってみようということ。
滑り出したはいいけれど、行けども行けどもりんごが丘にはつかず、
心細くなるは、お腹はすくはでリサベットは泣き出します。
けれどもなんとかりんごが丘の赤い家に着き、二人が訪ねてみると
カールソンさん一家はちょうどお食事中。
やった!と思うマディケンをよそに、お金もないのに卵はありますか?
と聞くリサベットに、心底腹をたてるマディケンがおかしい。
結局、カールソンさんのおうちで朝ご飯をいただいて、
送ってもらうことになるのですが、
途中の会話や、マディケンの心配事がいちいち楽しいです。
プププという感じ。
だって、お父さんに,、この寒さの中そんなところまで行って
鼻がもげたらどうするんだい?と電話越しに言われて、
マディケンは真剣に悩むのですから。

このマディケンとリサベットのシリーズには、岩波ハード版の他に、
徳間書店から「雪の森のリサベット」が出ています。
挿絵は以前、篠崎書林から出ていた絵本「マディケンとリサベット」の
挿絵がそのまま使われているようです。

         
 私が持っているのは篠崎書林の絵本版

こちらも、クリスマス前の「リサベットがいなくなる」大事件のお話で、
最後にほろっとしてしまいます。

私は大好きなシリーズですが、上の人はあっさりしたもので、
「普通」だそうです。
カッレくんシリーズのほうがお気に入りだって。
いいさ~。私は好きさっ。

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セシのポサダの日 クリスマスまであと九日

2005-12-06 | クリスマス絵本
 
エッツ&ラバスティダ/作  エッツ/絵
   たなべいすず訳  冨山房

この絵本、地味な色合いですが、大好きな一冊です。

だいたいこのマリー・ホール・エッツの絵本は地味な
色合いなのに、とても印象に残る絵本が多いのです。

上の人が小さいとき、赤ちゃん向けの絵本を知らなかった
我が家では、いきなりエッツの「もりのなか」
「またもりへ」を読んだという思い出もあり。
「ジルベルトとかぜ」も渋い絵本ながら、
親子ともども大好きな絵本です。

        

このお話は、メキシコのクリスマスを描いています。
あまりなじみのないメキシコのクリスマス。
メキシコでは、クリスマスの前9日間にわたって、
毎晩ポサダ(特別なお祭り)をするのです。
それも、毎晩毎晩違うおうちで。

今年はお母さんが、セシにむかって
「一ばんはじめのを、うちでしましょう」と言います。
自分のためのポサダをしてもらえると聞いたセシの喜びは、
1ページめの挿絵のにっこりした顔を見ればよくわかります。

ポサダでは、「ピニャタと」いうつるしものを飾ります。
粘土のツボを中に入れ、まわりを紙ではって形作る飾り物で、
いろんな形があるので、セシにはまるで、生きているものの
ように見えるのです。
セシは、自分のポサダにピニャタを買ってもらえるのかどうか
気がかりでなりません。
でもお母さんは、「いまにわかるわよ」と言って、
はっきり買うとも買わないとも言ってくれないのです。

前半はセシの日常が細かく書かれています。

大人とのやり取り、大好きなお人形・ガビナとのやり取り、
家の外を通るいろいろな人たちの観察、
公園での一日とその後の事件など、何気なく語られる中で、
セシがどれだけ大切にされているかが、伝わってくるのです。

そして後半は、いよいよピニャタを買いにマーケットへ。

セシは、あれこれアピールしてくるピニャタたちの言葉に
ずいぶん迷いますが、ことさら目をひいた★の形の
ピニャタを自分のものにしようと決めます。
お母さんも「なんてきれいなんでしょう」とほめてくれて、
セシもさぞうれしかったことでしょう。

翌日、セシは誰にも何も聞かなくても、何をするかちゃんと
わかっています。
今日はセシのポサダの日。

大事な★の形のピニャタに、大きなオレンジ、
小さなレモン、ピーナッツやきれいな紙に包んだキャンディー、
赤と白にそめたあめのスティックなどを、
ぜーんぶ一人でつめました。

兄のサルバドールとお父さんが、二本の木の間に
ピニャタをつるしてくれ、暗くなるのを待って、
ポサダがはじまります。

ポサダの儀式のクライマックスは、なんといっても
ピニャタ割り。

スイカ割りの要領で、目隠しをした子どもが次々と
棒をふって、ピニャタを割ろうとするのです。
中の果物やお菓子をたくさんもらうために・・・。

大事なピニャタを割ってほしくないセシは、
見ていられず、木のうしろにかくれます。
このあたりからのドキドキ感と切なさは、
とても胸にせまります。
でも、ガラガラという音と子ども達の歓声を聞いたセシは
ピニャタがこわされてしまったことを悟るのです。

そのあとセシに起こったこと!

本物を見せるために、セシはガビナを取りに走り、
2人でじっくり見つめるというラストは、本当に感動的。
私はいつもウルルルとなってしまいます。

このセシのような子ども、好きだなぁ。

思い入れが強い分、人とは違う感性で、もしかしたら
他の人の目から見れば、この子はポサダを十分
楽しんだのかしら?と思うかもしれないけれど・・・
セシにとって、とても思い出深いポサダに
なったことでしょう。

何かを楽しみに待つ喜び。こういう経験、
なかなかできないので、ホントにうらやましいです。

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シモンとクリスマスねこ

2005-12-04 | クリスマス絵本
本当は12/1に書きたかったこの本!
実は行方不明につき探しておりました。
今日何とか発掘・・・。
コハを寝かしている部屋は、寝てしまうと
なかなかガサゴソできず、いつも探し忘れたことを
夜になって悔やむのですが、今日は探しました!
やっぱり検討つけていた押入れの本棚の中だったワ!
もう師走なのだし、少し整理しないとなー・・・。
押入れも着々と本が増殖中。
それくらい絵本や本が散乱しています。

さて、「シモンとクリスマスねこ」です。

 
レギーネ・シントラー/文  ジータ・ユッカー/絵
    下田尾治郎/訳  福音館書店

このジータ・ユッカーさんの絵、私大好きです。
色合いも絵の感じも!

もうさすがに毎年読んでいると、どのお話のどこに
どんな挿絵があるか検討がつくのですが、
見飽きることはまったくないのです。
毎年決まって、見たくなるくらい。
もう一冊持っている、ユッカーさんのクリスマス絵本も
必ず見ます。

この本は、副題に「クリスマスまでの24のおはなし」
とあるように、毎日ひとつずつお話が進む、
アドヴェントの本です。

24日間続けたあとにクリスマスがやってくるという
静かな喜び方がとても好きなので、
アドヴェントものは大好き。

今年はそれこそ、カレンダーをめくり、お茶を飲み
(今日はルイボス6割、オレンジ4割、サンフラワー少々の
 ブレンド)
このシモンを読んでクリスマスまで過ごします。

シモンは24までじょうずに数えられない男の子。
クリスマスまであと24日もあるかと思うと、
気が遠くなるのですが、お父さんの発案で、
飼い猫のフローラのしっぽの縞の数を数えて
24日間を過ごすことにします。
ちょうど24の縞があったのです!それが1のお話。

そして今日4のお話は、「バルバラの枝」というお話です。

冬になってすっかり葉を落としてしまった桜の木は、
青々とした葉と赤い実をつけたヒイラギを
うらやましく思います。
自分はもうすっかり死んでしまっているというのに、
おまえさんはいいなぁと。

そこへ、お母さんと男の子がやってきて、桜の木をなで、
今日は聖バルバラの日だから枝を一本わけてほしいと
頼みます。
それを聞いた桜の木はうれしさのあまり声をあげたほど。
自分は家の中で花を咲かせ、
その花はクリスマスの日をかがやかす。
ヒイラギの葉やもみの木よりも、ずっと明るく!
そう思うだけで、とても誇らしくうれしく思ったのです。

バルバラというのは、若くして殉教した聖女で、
12/4は聖バルバラの日だそうです。
この日に一年の天候を占うとか。
桜やりんごの枝を切って花瓶にさし、
暖かい部屋に置いて、ちょうどクリスマスの日に花が咲けば、
幸運に満ちた年が迎えられると言われているそうです。
(本文より)
知らなかった!

この本のお話は、ちょっと不思議な余韻の残るお話が
多い気がします。
私達になじみのない風習や文化を、ちらちら
垣間見ることができるのも魅力の一つ。

さてやっと発掘できたことだし、今日からちゃんと
毎日読むことにいたします。

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おおきいツリー ちいさいツリー

2005-12-03 | クリスマス絵本
 
ロバート・バリー/作 光吉夏弥/訳 大日本図書

この絵本は、5年前に絵本化されたときに、
新聞書評で見つけて、さっそく注文した絵本です。
以前は幼年童話の形で出ていたそうですが、
この絵本の形になって、お話の楽しみが
広がったのではないかな。

もうすぐクリスマスというある日、ウィロビーさんの
おやしきに見たこともないような
大きくて見事なクリスマスツリーが届きます。

さっそく大広間にたててみると、ツリーの上部が
天井につっかえてしまって弓なりになっています。
執事を呼んで先をちょんぎらせると、
ウィロビーさんは満足して飾りつけの準備にかかります。

一方執事は、ちょんぎったツリーの先をこまづかいに
あげるため、銀のお盆にのせて運びます。
こまづかいは喜んで持ち帰り、飾ってみると・・・
やっぱりちょっと先がつかえてしまいます。

ちょんぎってポイ!

それを拾ったのが庭師のチム。
でも飾ってみると、やっぱりつかえてる。

ちょんぎってポイ!

この繰り返しがこのあと4回続きます。

チムの捨てたツリーをくまが拾い、
くまが捨てたツリーをきつねが拾い、
きつねが捨てたツリーをうさぎが、
うさぎが捨てたツリーをねずみが拾うのです。
それでちょうどぴったり。
そのねずみたちがどこに住んでいるかは、楽しいオチに
なっています。

このマンガのようなお話と絵がとても楽しく、
親子で何度も読んで楽しんだ絵本です。
今でも親子とも大好き。
この時期、必ず読みたくなるのです。
コメント (2)
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エーミルのクリスマス・パーティ

2005-12-02 | クリスマス絵本

クリスマスをどう祝うか、祝い方はいろいろですが、
エーミルのクリスマス・パーティを読むと、
のんびりとした古きよき時代のスウェーデンのクリスマスが
見えてくる気がします。


アストリッド・リンドグレーン/作
 ビヨーン・ベリイ/絵 三瓶恵子/訳 
       岩波書店

村の人をみんな呼んで、お母さんとお手伝いのリーナが
お料理を作ってもてなします。
牧師さんもその奥さんも、学校の先生までもがやってくる
パーティ。
食事の前のコーヒーが出たところで、先生がいきなり
「雪合戦をしましょう」と提案し、
おもしろいことが大好きな子ども達は大はりきり。
ついでにお手伝いのリーナも、裏からこっそり出て大はりきり。
ホストのエーミルのお父さんは、教会の役員をしているという
名誉にかけても、そんなむこうみずなことはできないと渋い顔です。

ところでこのエーミルは、いつもすることなすことが
いたずらになってしまう子なのです。
悪気はないのに・・・。
そしてこのパーティでも、リーナを呼びに来たお父さんの口に、
エーミルの硬く握った雪玉がすっぽりはまりこむという、
大事件発生。
あたりは暗くて、エーミルはそれが自分の仕業だと気づきません。
お父さんはしゃべることもできず、とえあえずエーミルを
作業小屋にぶちこみます。
作業小屋へぶちこむ=いたずらのお仕置きのつもりですが、
エーミルにとっては、それさえも楽しみのひとつ。
小屋に入れられると、一つずつ木彫りの人形を彫っていくのです。

妹のイーダがごちそうの時間だと呼びに来て、たらふく食べたあとは、
また先生発案のゲーム大会。
ここでエーミルのとった行動は!! 
思わずウルッとしてしまいます。
いたずらなだけじゃない、心の優しいエーミル。
子どもも大人も一緒になって、心から楽しむ時間と雰囲気。
そんな暖かさがうらやましい一冊です。

私がこのほかに持っているのは、「エーミルと小さなイーダ」で、
お兄ちゃんのエーミルのようにいたずらをして、
小屋に入ってみたい妹のイーダが、どうしてもいたずらできず
悩むというお話。
ここでエーミルがイーダに 

 いたずらは思いつくものじゃないよ。

 いたずらっていうのはね、ただ、そうなっちゃうんだ。
 それに、いたずらかどうかは、やったあとからじゃないと
 わからないんだよ。

というのです。
これはまさにそういうことなんだろうなぁと大人になった今
親の目から見て思います。
子どもはいちいち先を考えていないってこと。

リンドグレーンはたくさん書いたお話の中で、自分に一番近い
主人公はエーミルだと言ったと言います。
エーミルと同じように、いろいろ楽しいことを思いつくことが
得意だったリンドグレーン。
リンドグレーンは、泣き止まない孫をあやすため、
このエーミルのいたずら話を思いついたらしいのです。
そのいたずら話は、リンドグレーンの父親のお気に入りでもあり、
いつもあえば、「エーミルは新しいいたずらをしたかい?」と聞いたとか。

2002年94歳で亡くなるまで、実にたくさんのお話を
書いてくれたおかげで、私達は今またリンドグレーンの世界を
楽しむことができます。

このエーミルシリーズには、もう一冊「エーミルのいたずら325番」が
出ていましたが、3冊とも今は入手が難しくなっていて、残念です。

コメント (2)
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