おはなし会の手紙本の選書は終わったのですが、
まだ続く手紙の絵本・・・。
おはなし会では読めないけれど、手元でじっくり
味わいたい絵本です。
『バーバラへの手紙』
レオ・メーター 上田真而子・訳 岩波書店
レオ・メーターは戦地ウクライナから、アムステルダムに
住む娘・バーバラへ手紙を送り続けます。
幼い娘にあたて手紙は、いつも
”ぼくのかわいいバーバラちゃん”
”大好きなバーバラちゃん”
”大好きなおちびちゃん””かわいいおちびちゃん・・・・
という書き出しで、遠く離れて会えない娘への愛情が
あますところなく表現されています。
手紙には、会えないうちに、パパ・レオの顔を忘れては
いけないと、時々自分の姿も描かれています。
ウクライナの駐留地の様子、村の人の様子、
ときどきは、パパ・レオの創作したお話が
すてきに色づけされたイラストと一緒に書かれている手紙。
その創作話が、とてもユーモラスです。
一番気に入っているのが、バーバラが夢に出てきて、
一緒に遊んでいた動物たちを、全部まっぷたつに
してしまった話。
キンギョのしっぽをもったねずみや、
ネズミのしっぽをもったキンギョの他、
キツネ/アヒル オンドリ/ウサギ カエル/トリ
変な組み合わせの動物がいっぱいできてしまって、
喜ぶものあり、困るものあり。
最後には苦心してふたりでもとにくっつけなおしました
というお話。
ナチスの支配下、手紙も検閲を受ける時代です。
その時代に、娘を楽しませるため、
(もしかしたら自分のためにも)こんなにも楽しい
絵入りの手紙を書くことができるなんて、とても切なく
とてもあたたかい思いに満たされます。
作者レオ・メーターはドイツ人。妻がユダヤ人だったため
強制的に離婚させられ、その後、バーバラ母子は隠れ家に
暮らしたり、それぞれ別れて地下にもぐったりしなければ
ならなかった。
パパ・レオは、結局36歳で、ポーランドで戦死。
その死が戦死なのか、銃殺なのかさえわからない。・・・・・
楽しいことなど見出すことさえ難しい戦渦で、
こんな手紙が書かれたなんて、感動すら覚えます。
あとがきで、この手紙の受け取り人、娘バーバラが
”父を誇りに思う”と書いているけれど、
人間が極限下でできることについても、いろいろと
考えさせられてしまう絵本です。
大好きな一冊。
そして、もう一冊、手紙本は続きます・・・
まだ続く手紙の絵本・・・。
おはなし会では読めないけれど、手元でじっくり
味わいたい絵本です。
『バーバラへの手紙』
レオ・メーター 上田真而子・訳 岩波書店
レオ・メーターは戦地ウクライナから、アムステルダムに
住む娘・バーバラへ手紙を送り続けます。
幼い娘にあたて手紙は、いつも
”ぼくのかわいいバーバラちゃん”
”大好きなバーバラちゃん”
”大好きなおちびちゃん””かわいいおちびちゃん・・・・
という書き出しで、遠く離れて会えない娘への愛情が
あますところなく表現されています。
手紙には、会えないうちに、パパ・レオの顔を忘れては
いけないと、時々自分の姿も描かれています。
ウクライナの駐留地の様子、村の人の様子、
ときどきは、パパ・レオの創作したお話が
すてきに色づけされたイラストと一緒に書かれている手紙。
その創作話が、とてもユーモラスです。
一番気に入っているのが、バーバラが夢に出てきて、
一緒に遊んでいた動物たちを、全部まっぷたつに
してしまった話。
キンギョのしっぽをもったねずみや、
ネズミのしっぽをもったキンギョの他、
キツネ/アヒル オンドリ/ウサギ カエル/トリ
変な組み合わせの動物がいっぱいできてしまって、
喜ぶものあり、困るものあり。
最後には苦心してふたりでもとにくっつけなおしました
というお話。
ナチスの支配下、手紙も検閲を受ける時代です。
その時代に、娘を楽しませるため、
(もしかしたら自分のためにも)こんなにも楽しい
絵入りの手紙を書くことができるなんて、とても切なく
とてもあたたかい思いに満たされます。
作者レオ・メーターはドイツ人。妻がユダヤ人だったため
強制的に離婚させられ、その後、バーバラ母子は隠れ家に
暮らしたり、それぞれ別れて地下にもぐったりしなければ
ならなかった。
パパ・レオは、結局36歳で、ポーランドで戦死。
その死が戦死なのか、銃殺なのかさえわからない。・・・・・
楽しいことなど見出すことさえ難しい戦渦で、
こんな手紙が書かれたなんて、感動すら覚えます。
あとがきで、この手紙の受け取り人、娘バーバラが
”父を誇りに思う”と書いているけれど、
人間が極限下でできることについても、いろいろと
考えさせられてしまう絵本です。
大好きな一冊。
そして、もう一冊、手紙本は続きます・・・