みどりの船

絵本と絵本まわりのこと、日々の雑感を少し。

バーバラへの手紙

2007-02-27 | 心があたたかくなる絵本
おはなし会の手紙本の選書は終わったのですが、
まだ続く手紙の絵本・・・。
おはなし会では読めないけれど、手元でじっくり
味わいたい絵本です。

 バーバラへの手紙
レオ・メーター  上田真而子・訳 岩波書店

レオ・メーターは戦地ウクライナから、アムステルダムに
住む娘・バーバラへ手紙を送り続けます。
幼い娘にあたて手紙は、いつも
”ぼくのかわいいバーバラちゃん”
”大好きなバーバラちゃん”
”大好きなおちびちゃん””かわいいおちびちゃん・・・・
という書き出しで、遠く離れて会えない娘への愛情が
あますところなく表現されています。
手紙には、会えないうちに、パパ・レオの顔を忘れては
いけないと、時々自分の姿も描かれています。
ウクライナの駐留地の様子、村の人の様子、
ときどきは、パパ・レオの創作したお話が
すてきに色づけされたイラストと一緒に書かれている手紙。
その創作話が、とてもユーモラスです。

一番気に入っているのが、バーバラが夢に出てきて、
一緒に遊んでいた動物たちを、全部まっぷたつに
してしまった話。
キンギョのしっぽをもったねずみや、
ネズミのしっぽをもったキンギョの他、
キツネ/アヒル  オンドリ/ウサギ  カエル/トリ
変な組み合わせの動物がいっぱいできてしまって、
喜ぶものあり、困るものあり。
最後には苦心してふたりでもとにくっつけなおしました
というお話。

ナチスの支配下、手紙も検閲を受ける時代です。
その時代に、娘を楽しませるため、
(もしかしたら自分のためにも)こんなにも楽しい
絵入りの手紙を書くことができるなんて、とても切なく
とてもあたたかい思いに満たされます。

作者レオ・メーターはドイツ人。妻がユダヤ人だったため
強制的に離婚させられ、その後、バーバラ母子は隠れ家に
暮らしたり、それぞれ別れて地下にもぐったりしなければ
ならなかった。
パパ・レオは、結局36歳で、ポーランドで戦死。
その死が戦死なのか、銃殺なのかさえわからない。・・・・・
楽しいことなど見出すことさえ難しい戦渦で、
こんな手紙が書かれたなんて、感動すら覚えます。

あとがきで、この手紙の受け取り人、娘バーバラが
”父を誇りに思う”と書いているけれど、
人間が極限下でできることについても、いろいろと
考えさせられてしまう絵本です。
大好きな一冊。



そして、もう一冊、手紙本は続きます・・・
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ながーいながーい手紙

2007-02-22 | 心があたたかくなる絵本
来月のおはなし会テーマが「てがみ」で、
手紙の絵本を探していたら、これが、案外うちにも
あったんですね。
手紙も好きなテーマだったんだと、あらためて自覚したほどです。
そんな中から。

  『ながーいながーい手紙
 エリザベス・スパー/作 デヴィッド・キャトロウ/絵
    青山南 訳   偕成社

遠くの町でひとりさみしく暮らす、ヒネクレッタおばさんから
立て続けに3通の手紙がおかあさんに届きました。
 「おまえ、手紙ぐらいくれたっていいじゃないか?」
 「手紙がぜんぜんこない。
  わたしのことなんか、犬も食わないってのかい?」
 「ねえ、わたしをわすれちまったの?」

先月も書いたというのに、この言われように、ため息まじりの
おかあさん。
よしっと、絶対忘れられないような、ながーい手紙を
書くことを決意します。
鍋をこがし、寝食忘れるほど・・・
季節が四季をめぐる間ずっとずっと書き続け、
ダンボール何箱もの手紙をようやく書き上げます。
切手は実に、1000枚!
それがなんと、馬車で駅に運ばれる途中、竜巻にあって一気に
ふきとばされてしまうのです。
一方、ヒネクレッタおばさんは、来る日も来る日も手紙を
待ち続け、鷹のような目つきに・・・。(この絵が楽しい!)

3ヵ月後に、事態は急展開。
12月の寒い冬空のもと、ヒネクレッタおばさんめがけて
舞ってきたものは!?
しかも、その大変な事件のおかげで、ヒネクレッタおばさんの
近況にも変化があらわれ、ひねくれなくてもよくなったのだから
めでたしめでたしです。
なんといっても、奇想天外。
絵のデフォルメが効いていて、表情のひとつひとつが
楽しくて仕方ありません。

手紙って、うれしいですよね。
わたしも先週半ば、2日続けて、ポストにわたしあての
手紙が届き(しかも2通ずつ・・・こんなことはまず珍しい)
ふだんはDMばかりなので、思わず胸躍らせました♪
手紙そのものもうれしいけれど、手紙を書いてくれている時間、
自分のために割いてくれる時間を思うと、それも
ありがたくて、じーんとします。
最近、贈り物の話題でそんな話になって、とみに
そう思うようになったんですけどね。
メールも便利だけど、断然手紙派です
だから、ちょっぴりヒネクレッタおばさんの気持ちも
わかっちゃうんだな・・・。

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コハの言いまつがい

2007-02-21 | ケの日のこと
糸井重里さんの「言いまつがい」じゃないけれど、
2歳児コハの「言いまつがい」も、なかなか笑えます。

  一人で絵本を読むの図

最近のヒットは、やはり”オバQ線”(小田急線)
今日は、久々にそれに次ぐヒットが出て、大笑いです。

うちの近所に、宅急便の配送所があるのです。
黒いネコのマークのトラックが行き交うので、
しょっちゅう例のおなじみの歌

「クロ・・・・・・たっきゅうびん! 一歩前へ」

と歌っていたら、コハもいきなり

「クロ、やめとこ、たっきゅうびん いちば~ん」と。

 それじゃ、宅急便さん怒っちゃうよ。

家族がみんな笑うので、自分もおかしくなったらしく、
口をおさえてくくくっと笑っている図がまた笑えました。
なんだかしょうもないけれど、忘れてしまうのが惜しくて
書き記しておきます。
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もしもぼくがおとなだったら・・・

2007-02-20 | 心があたたかくなる絵本
子どもの観察眼は鋭い。
大人がすることをよーく見ていて、ひそかにチェックし、
良きにつけ悪しきにつけ、未来の大人像のモデルにする。
そんな子どもの思いと、自分が大人になったら・・・の
夢がたくさんつまったハンガリーの絵本です。

  『もしもぼくがおとなだったら・・・
  文 ヤニコヴスキー・エーヴァ
  絵 レーベル・ラースロー
  訳 マンディ・ハシモト・レナ  文溪堂

子どもは、いい子でいるより、悪い子でいるほうが
おもしろいということを知っている。
それに、子どもより、大人のほうがいいことがたくさん
あるってことも知っている。たとえば、
大人は好きな服を着られる。好きなとき水を飲める。
小さな声であいさつしたり、テレビの一番おもしろいところで
寝る必要もない。
大人は好きなようにしているのに、子どもは大人の言う
とおりにしなければならない。

 おとなは いつも こどもに
 ちゅういしてばっかり。

その後続く注意の言葉の嵐には、さすがに耳が痛くなります。
いきなりつきつけられる、わが日常!
フォントや字体もさまざまで、次々連発される命令形には、
見ているだけでほとほと嫌気がさすのに、子どもを前にすると、
平気でやってのける自分なんですよね。

後半の「もしもぼくがおとなだったらやりたいこと」は
実に晴れ晴れと楽しい空想の世界。
それもとっても子ども本位な発想で、思わず笑えて
しまいます。

白い手袋をはめて、鉄のフェンスを最後まで全部さわったり、
大きなチョコを、ご飯の前に一枚食べたり、
後ろ向きに歩いたり、
指笛をふいたり・・・。(全部やっちゃいけないって言われてるのね)
お嫁さんだって、カエルを見て悲鳴をあげても、
気持ち悪いとは言わない人で、
絶対消えないしゃぼん玉を作れる人で・・・。
たくさん生まれる(だろう)子どもと、常に一緒に遊びながら、
いつだって大きな風船やアイスを手にするのはぼく。
だって、パパだから!

なんてなんて、未来は明るいんでしょう

これを見ていると、自分も子どものころのほんの小さな夢
(というか、憧れ)を思い出します。
一人でホールケーキ一個食べてやる、とか、
一人部屋で好きなように過ごすんだ、とか、ね。
大人になってやろうと思えばできることは、結局それほど
やりたいことでもなく、子どもの夢って見ているときが一番
楽しい気がします。

絵の色やイラストがしゃれいて、かわいい・・・少し大人には
耳が痛い絵本です。

           

昨日は、ペンギンハウスのおとなのための絵本講座で
「未来は夢がかなうかも」というテーマで、たくさん絵本を
ながめました。
「もしもぼくがおとなだったら・・・」もその中の一冊。
絵本って、誰でも楽しめるものだから、おとなにもその
魅力を知ってもらいたいというペン長(店長)の言葉には、
ほんとに、まったく同感。でもでも・・・
奇数月は作家、偶数月はテーマで集められた絵本たちが
楽しみで通った講座も、なんと来月が最終回
涙、涙です。
来月は、ディヴィッド・ウィーズナーの絵本たちです。
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オランダ絵本作家展

2007-02-18 | 講座・おはなし会・企画展 他
ただ今、東京大丸ミュージアムで開催中の
『オランダ絵本作家展』にようやく行ってきました。
 

オランダ絵本といえば、ディック・ブルーナと
かえるくんやかいじゅうシリーズのマックス・ベルジュイスが
有名ですが、展覧会もブルーナからはじまって、
しめはベルジュイス、真ん中の展示が現在活躍中の
10人の作家という構成でした。
しかし、オランダ作家さんの名前って、難しいですね。
ちっとも覚えられません

一番の発見は、『パッチワークのかけぶとん』と
鳥おじさん』が同じ作家、ウィリーマイン・ミン作だと
知ったこと。
 

どちらも好きなお話で、それぞれ楽しんでいたにもかかわらず、
同じ方の作品だとは知らなかった.....
並べてみれば、絵の感じも、ファンタジーの雰囲気も
確かに似ているんですよね。収穫でした♪

これまた大好きなハルメン・ファン・ストラーテンの
水彩は、やっぱり原画も美しかった。
おじいちゃんわすれないよ』(過去記事 )だけでなく、
未邦訳の「アヒルのおはなし」「エルフはゾウの消防士」の
絵もとてもよくて、翻訳が待たれます。 
                     

去年の課題図書だったという『とくべつないちにち』の
コラージュも、ひそかな楽しみ『レナレナ』や『ボッケ』も
しかと観てきました。(過去記事 
レナレナ作者のハリエット・ヴェン・レークさんの顔写真から
伝わる笑顔の雰囲気は、そのままあの作風と直結!納得です。
他に未邦訳の作品がもう一点あったのが、とても気になるところ。

  

原画の美しさは、マーリット・テーンクヴィストの
だいすき そんなきもちをつたえてくれることば』が
際立っていたように思います。
いろんな色の世界が、ピュアな詩ととてもぴったりよりそった
世界、本当に美しい詩画集です。

 

あと気になったのが、アンネマリー・ファン・ハーリンゲンの
髪の長いお姫さま(De prinses met de lange haren)

 

絵に添えられた文だけを見ると、『ながいながいかみのおひめさま
(過去記事 )に少し似ている気がしたのですが、
残念ながら、未邦訳。
トランクに入れて髪を持ち運ぶのと、この色あいが印象的です。
                  
                    

この作家展にあわせて、

  マックス・ベルジュイスの
「男の子とおおきなさかな」が近々翻訳されるそうですね。
(⇒ ほるぷ出版HP 
これ、とても楽しみです!
そういえば、ヤン・ユッテの『10ぴきのいたずらねこ』も
再刷されているそうです。    
                

会期は残すところあと数日です。(2/20まで)
次は4月~徳島だそうですよ。
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ターシャのTV番組

2007-02-17 | つぶやき/バトン
  2/17(土)NHK BS2にて
   PM1:30~4:00

   アンコールサタデーにて (番組表はこちら 

   「ターシャからの贈り物」の再々放送があることを
   コメント欄で教えてもらいました。
   (前半は「千の風になって」)

   年末見られず悔しい思いをしていた矢先(録画失敗)、
   BShiでの再放送。
   こちらは見られないため、泣く泣くあきらめた番組です。
   今度こそ3度目の正直です

   もしまだな方は、ぜひチェックを。
   

   
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ないしょなんだけどね

2007-02-16 | ドキドキ/五感を刺激する絵本
先週の連休に、ぶらり図書館に行って、
上から下まで3段(×6列)をくまなく見ていたら、
ふと出会ってしまった本がありました。

   『ないしょなんだけどね
 さく・え スオミセツコ  ブックローン出版

     あのね、
    わたしのこころのなかには 
    家があるんだけど、
    ぜんぶに、
    カギをかけてあるの。


人には知られたくないいろんなこと。たとえば、
宝物がパンダのぬいぐるみで、一番の友だちだということ。
お気に入りはピンクのワンピース、でもちっとも
似合わないこと。
チョコリングを一度に10個食べる夢・・・・。

でも転校生と目があった瞬間、

     こころの家の
    おべんじょのマドが、
    「ガラッ」ってあいたの。

    そしてね、
    おべんじょの水といっしょに、
    こころのカギも
    「ザーッ」って流れていっちゃって、


ないしょを交換できそうな相手との出会いが、
こんなに詩的に表現されていて、うれしくなってしまいます。
きっときっと、友だちになれたね。

絵の色合いもタッチも独特で、強く訴えてくるものがある絵。
どんどん惹きこまれてしまいます。

1996年出版のこの絵本、第12回ニッサン童話と絵本の
グランプリ絵本大賞の受賞作品だそうです。
ほぼ同年代のスオミさんが、十年前に出されたこの絵本が
気になって、いろいろ検索してみたけれど・・・。
その後の絵本には出会えず、ちょっと残念です。
杉田豊さんが、表紙カバーでとても評価していらっしゃって、
きっとひき続く作品があるような気がしたのにな。
もしご存知だったら、教えてください。

           

その後なんと、古書でこの絵本を見つけてしまいました!
最近、ちょっとついていて、ずっと探していた
「ガブリちゃん」も「こだぬき6ぴき」も
めぐってきたんですよね~。
しかしこういうところで、運を使っていていいものだろうか。
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2月のおはなし会

2007-02-10 | 講座・おはなし会・企画展 他
2/10(土)地元図書館でのおはなし会。

2月のテーマは『ふゆのおはなし』
今年はこの暖冬で、雪がまったく降りません。
実に読みづらいというか、雰囲気が出ない雪の絵本。
でもそれはそれとして、雪のお話もたくさん
盛り込んでのおはなし会となりました。

★未就園 ちびっこ向け

   パネルシアター 『コンコン クシャン』  

     『おなかがいたいこねずみ』
   こどものとも0・1・2 年少版 2007,2月号

     『ふゆはふわふわ

   手遊び 『いっちゃんといっちゃん』
         
   紙芝居 『みーつけた』 脚本・画 大和田美鈴 
                     童心社

                    
    『ゆきのひ

    『やぁ ゆきだるま!』

冬といえば、風邪やインフルエンザの流行におびえる季節
なので、最初はかわいいパネルと、こねずみの絵本で
子どもたちの様子うかがい。
風邪ひきさんは、いないようでした。

先月もやった『いっちゃんといっちゃん』の手遊びは、
 いっちゃんと いっちゃんで ミミズです
 にーちゃんと にーちゃんで カニさんです
 ぐーちゃんと ぐーちゃんで ゆきだるま コロン
という簡単なもの。
”ゆきだるま”で げんこつを重ね、”コロン”で
そのままどちらかに倒します。
これが案外、お母さんたちにも好評のようす。

その後は、雪のオンパレードです。(^^;

★園児 ちょっと大きい子向け

   わらべうた  テンテレスクてんぐのめん

    『こよみともだち

    『はじめてのふゆ

   パネルシアター 『にんじん だいこん ごぼう』

    『てぶくろ

    『ゆき!ゆき!ゆき!』

わらべうた「テンテレスク てんぐのめん」は、東京の
わらべうただそうです。
(柳原出版 日本のわらべ歌全集7 東京のわらべ歌
       採集・採譜/尾原昭夫 )
てんぐ、おかめ、ひょっとこ、般若を手でまねして
遊びます。 むふ
子どもたち、結構楽しんでやってくれるなぁと思ったら、
それ以上に、お母さんたちが喜んでやってくれていました。

『こよみともだち』ハード化されたので、冬⇒
こよみのはじまりという連想で、読んでみました。
次々出てくる月のお友達を、次は何かな?と楽しみながら
見てくれたようでうれしい。

わたしは、後半のわらべうたからパネルまでを担当。
パネルは、にんじんが赤く、大根が白くなったのはなぜかの
語りに一生懸命で、歌の節が一部飛び、即興創作
メロディーになってしまいました。
歌やおはなしは、練習しすぎるってことはないですね(教訓)

小さなお友達から小学校中学年まで、いつもより
たくさんの子が来てくれた分、集中できずにふざけたり
走ったりする小さい子もいて、読み手の集中度と、
静かに聞きたい子どもへの配慮をどうするか、
今後の課題も出たおはなし会でした。
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わたしはわたし

2007-02-08 | なるほど!/哲学する絵本
   わたしは こういうわたしなの 
   かんがえかたも わたしなの 
   わらいたいとき わらい 
   さけびたいとき さけび 
   はねたいとき はねる 
   うたいたいとき うたい 
   なきたいとき なく 
   そう わたしはいま ないている 
   わたしは さみしいわたしなの


  『わたしはわたし
 バルブロ・リンドグレーン/詩
 エリクソン、ヘグルンド、ランドストローム、オラウソンーセル、ラメル/絵
 木村由利子/訳   文化出版局

スウェーデンの女流作家バルブロ・レンドグレーンの詩に
5人のイラストレーターが絵をつけた詩集。

日常の観察から生まれたかわいい詩や、
漫画のような詩、ユーモラスな詩や、哲学的な詩まで
いろんな詩にいろんな絵がつけられていて、
ある意味ぜいたくな詩集だと思います。

詩って、ときどきふと読み返したくなるものですね。

わたしが一番はじめに手にした詩集は、
父がこの詩いいだろう!と教えてくれた、山村慕鳥だった
気がします。

 おうい雲よゆうゆうと
 馬鹿にのんきそうじゃないか ・・・・・

この素朴さが好きで、時々思い返します。

「わたしはわたし」の中から

なれるのなら きになりたい 
こころから なりたい 
あれのに ひとりたち 
ひとのように かんがえる 
かぜのふく いみを 
ほしのまたたく わけを


この詩はこのあと、いわになりたい うみになりたい
と続くのですが、最初がやっぱりとても好き。
なんだか、今日はそんな感じの夜なのです・・・。

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ある日のコハ本

2007-02-07 | 子どもと楽しんでいる絵本
水曜日。毎週電車に乗って、わらべうたに通う日です。

今日のわらべうたは、子どもたちがみんなすごかった。
なにがすごかったって、今までてんでバラバラだった
子どもたちが、今日はくっつきあって、団子になって
関わり求めて、輪の真ん中へ。
のっかったり、ちょっかいかけたり、子ども同士で
お話したり・・・ありえなかった光景を見て、大人たちは
ただただびっくり。
コハだって、超のつく人見知りだったのに、最近の
ふるまいようは、人が変わったようです。
成長しているんですよね~、知らないうちに。

来月には、春入園の子たちが、卒業していくので、
また会の雰囲気ががらっとかわることでしょう。

           

今日は、中央線の新型車両にも乗れて、コハさんご機嫌!
昨日も、ことり文庫さんへ行くのにオバQ線(小田急)に
乗れたので、ご機嫌。
連日の電車は、女テッちゃんには、至福の時です。

そういえば、昨日ことりさんで、パパ's 絵本プロジェクトの
田中さんに
偶然お会いして、電車好きには二通りあると
言われて、妙に納得しました。
「カンカンカン」という子と「がたんごとん」という子。
コハは、「がたんごとん」なんです。

ふみきりそばで見ている子は「カンカンカン」で
電車に乗ることの多い子は「がたんごとん」!?
おもしろいこと聞きました。

            

今日はまれに見る「絵本 濫読デー」
寝る前も、起きてからも、しこたま読む日がときどき
あります。
この濫読ぶりがとてもおもしろいので、以下、備忘録。
持ってきた順番に記してあります。
2歳8ヶ月のある日の記録。

** 昼寝前 **

  

なわとび」なわとびを100回飛ぼう!と数えていく絵本ですが、
そこに起こっている話がおもしろい!
つい最近、教えてもらった絵本です。うーむ、また新風舎だ。

** 昼寝あと~夕食後 **

  

  

 

姉と一緒になって「できるかな?」の動作を実践。
それが楽しかったのかな。その後次々ととまりません。
でんしゃがくるよ」 前回、ことりさんで
買うつもりで持って歩いていたのに忘れてきたことを、
コハは覚えていました。今回離さず・・・。
なかなかのんびりしたい~い空気が流れているお話です♪

これだけ読んだからもういいかなと思ったら、夜寝る前も
やっぱり読むといってきかない・・・。
しかもとーさんの十八番(3冊中2冊)を持ってきたのは
何か意味があるのだろうか。

** 夜 寝る前 **

  ← 夫の十八番の2冊


毎日じゃ、決してありません。
たくさん読めばいいってもんじゃないんですしね。
でもこの順番に何かこだわりがあるらしいのが、楽しいです。
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おばあさんになった女の子は

2007-02-05 | ドキドキ/五感を刺激する絵本
  『おばあさんになった女の子は
石井睦美・text 宇野亜喜良・illustration 講談社

宇野さんの絵を見ると、いつだって素通りできなくて
つい手にとってしまいます。
なんともいえないこのインパクト。
けだるそうで、ぼってりした唇に、少しうるんでいるような目
ありえないほど大きなストライプのリボンを頭にくっつけ
大きなストライプのタイツをはいている女の子。

この女の子=はるかは、母親の絵本を読んでいます。
出てくるのは、昔女の子だったおばあさん。
時がたって昔の思い出をたどっているおばあさんです。
おはなしのおしまいでしみじみその顔を見て、
はるかは、満ち足りている顔をしていると思いました。
でも、「あきあきしたわ」という声がして、
よくよく声のもとをたどれば、絵本の中のおばあさんの声。

 「あなた、はさみでわたしを切りぬいてくれないかしら。
  もう何十年もこのページでおばあさんでいたの。
  すっかりあきたわ」

はるかに望みをかなえてもらったおばあさんは、1ページ、
また1ページと前のページにもどるたび、少しずつ若返り
とうとう念願のページにたどりつきます。
その思いとは。
3年前、愛を伝えるために旅立っていき、その地で死んで
いこうとしている恋人を、しっかりと抱きしめること。
旅になんか出なくたって、わたしにはちゃんとわかってた。
そうさめざめ泣いた元おばあさんは、しっかり恋人を
抱きしめます。

はぁ~、ちょっとうっとりです。
年をとったからこそ、あのときこうしていればの思いも強くなる。
でもそれを素直に行動にうつしてしまうおばあさんが、
なんだかうらやましいです。
意地なんて、これっぽっちもないのね。

もしやり直せるなら・・・・
もしあの時代に戻れるなら・・・
いくつもの「もし」を考えた時期もあったけれど、
今の自分は、それら全部をひっくるめて成り立っているのかも
しれないと思ったら、汚点や失敗もむだではない気が
してきます。
でもこんなふうに素直な気持ちで、過去の一時期に戻れるならば
ちょっと戻ってみたいのも、ホントの気持ち。
どんな感じなんでしょうね!

切り抜かれ、すっかりお話がかわってしまった絵本を
はるかは、静かにパタンと閉じます。
元おばあさんがずっと恋人と一緒にいられるように・・・。
じわじわと余韻が広がる、不思議なお話です。
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立春。

2007-02-04 | ケの日のこと


節分も終わって、立春ですね。豆まきされましたか?
立春を過ぎると、今度はいつ春一番が吹くかしら・・・と
思うけれど、今年の暖かさでは、春をまちわびる
というのとはちょっと違う気がします。
雪だって毎年一度はドサッ降るのに、今年は降って
いないのですもの。

でもまぁ、ともあれ立春です。
おとといの満月も、本当に見事で、
夜のきりっとした空気にはえて、い~い月でしたしね。
豆も、*0個 ちゃんと年の数だけ食べました!
(↑お腹ふくれますってば・・・*0個)

夜中のパン作り、まだ続いています。
本日は、みかさんのとまと&ハーブのフォッカッチャ。

  
赤っぽい色はトマトジュースの色です。
作ろうと思ったら、夫&コハが飲んだあとで、ジュースが
足りず、少し水を足しました。
イタリアンハーブやオリーブオイル、岩塩を使ったパンで
明日の朝がとても楽しみです♪

夜中のコネものタイム、わずらわしいことも忘れて、
かなり没頭できるのが気に入っています。
小麦粉の感触がなんともよくて、その昔の粘土遊びを
思い出すんですよね。
時々、ワッフルなども作ったりして・・・。
          
             
リエージュタイプのワッフルは、2次発酵までするので
パン作りの行程と同じなんです。
だから少し手馴れてきて、楽しくて・・・おいしい♪

         

昨日は、秋にはじめた羊毛のフェルト講座の日で、
発泡たまごを使って、おひなさまを作りました。

  

まだ目・口と烏帽子(えぼし)と、金糸の刺繍ができて
いなくて未完成。
でも愛着がわいてしまって、乾かしがてら今日から飾ってます。
目を入れると表情が変わりそうで、緊張です。
白い顔を見つめながら、イメージをふくらませてから
入れてみたいと思います。
なんだかもうすっかり気分は、3月・・・。

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しまうまのしゃっくり

2007-02-02 | ユーモラスな絵本
先日、しゃっくりをいかにとめるか・・・の話題で、
舌を30秒ひっぱってもらう方法を調べ出してきた
ご主人のお話を聞いて、もうびっくり仰天!
思わず想像して、ぷぷぷとなってしまったのですが、
よ~く考えたら、わたしは絶対ごめんだと、
いきなり拒否体制になりました。
だめだめ、ゾゾゾ・・・できないよー
あまりに強烈なイメージで、以後頭から離れず。
しゃっくりが頭の片隅にずっと残ったまま
本棚を眺めていたら、あるじゃないですか!しゃっくりの絵本♪

  『しまうまのしゃっくり
 デーヴィッド・マッキー/作 矢川澄子/訳 徳間書店

まじめでちょっときどったしまうまのゼブくん。
ある日、しゃっくりがとまらなくなってしまいます。
まぁ気にしないで散歩にでも出かけよう・・・と
ヒック ヒック言いながら散歩に出ると、
いろんな動物たちが、しゃっくりを止める方法をあれこれ
教えてくれるのです。
それもかなり怪しくて、おかしい方法ばかり。
 「よしてくれよ、ヒック、くだらない」
 「そんなこと、かっこわるヒック」と
しゃっくりしながら、知らん顔しているうちに、自慢の
しまが動き出して、なんとしまが片寄ってしまいます。
それに気付いたゼブくんは、さすがにあわてて
みんなが教えてくれた方法を、かたっぱしから試してみますが、
ぜ~んぜんだめ。

さて、どうやってしゃっくりはとまったか?
ついでにしまももとにもどってしまったんですけどね。
2本足走行しているゼブくんが、妙にユーモラスです。

やっぱり横隔膜の痙攣をおさめるには、古典的な方法が
一番きくのかしら。
うちでは、しゃっくりがはじまると、
「はい、大きく息をすって~~~
 はい、とめて!
 はい、ゆっくり細く、スーっとはいて~~~」と
アドバイス&指揮してくれる人がいるのですが(←世話好き夫)
息をとめたあたりでおかしくなってしまって、ププププッと
噴出すのが関の山。
そしてまたヒック、ヒック・・・・
いつの間にか、知らない間にとまっています。

コメント (14)
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