みどりの船

絵本と絵本まわりのこと、日々の雑感を少し。

クリスマスをまつリサベット

2005-12-07 | クリスマス絵本

  

アストリッド・リンドグレーン作/イロン・ヴィークランド絵
  石井登志子訳 岩波書店 せかいのどうわシリーズ


12/2にリンドグレーンのエーミルシリーズが、今は入手不可で
残念と書きましたが、こちらリサベットのシリーズは、ここでめでたく復刊です。
私も持っていなかった「クリスマスをまつリサベット」を早速買いました。

このせかいのどうわシリーズは、ちょうど読み物に移行する時期の
子どもにぴったりだな~と思います。
読みやすい文章量で、しかも挿絵入り。
だからといって、テキストに手抜きはありません。
大人でももちろん、十分に楽しめます。

六月が丘の川のほとりの大きな赤い家=おもしろ荘に住んでいるのが、
姉のマディケンと妹のリサベット。
この二人は、何かしらおもしろいことを思いついてはそれが事件に
結びついてしまう二人です。
ケンカもするけれど、マディケンとリサベットはお互いのことが大好き。
そして二人を取り巻く大人たちも優しく温かいのです。

『クリスマスをまつリサベット』は「おもしろ荘の子どもたち」の中の
「氷の川をすべって、りんごが丘へ」を、『おもしろ荘のリサベット』の
ほうは、「おもしろ荘の子どもたち」の「鼻にエンドウ豆を押しこんだ
リサベット」をそれぞれ挿絵つきで、単行本化したものです。

リサベットのお気に入りのセリフは、「じぇったいよ」「ざまあみろだ」
この「ざまあみろだ」は、友達のマティスとケンカしたときに言われて
以来のお気に入りなのです。
ところところで使ってみては、うまく使えたと思っているリサベット。
笑ってしまいます。

お話は、クリスマスも近い日曜日、川が凍ったことをお手伝いの
アルバから聞いた二人は、早々に着替えて川へ飛び出していくのです。
しばらくすべって楽しんだあと思いついたことは・・・りんごが丘の
なじみの農場まですべっていってみようということ。
滑り出したはいいけれど、行けども行けどもりんごが丘にはつかず、
心細くなるは、お腹はすくはでリサベットは泣き出します。
けれどもなんとかりんごが丘の赤い家に着き、二人が訪ねてみると
カールソンさん一家はちょうどお食事中。
やった!と思うマディケンをよそに、お金もないのに卵はありますか?
と聞くリサベットに、心底腹をたてるマディケンがおかしい。
結局、カールソンさんのおうちで朝ご飯をいただいて、
送ってもらうことになるのですが、
途中の会話や、マディケンの心配事がいちいち楽しいです。
プププという感じ。
だって、お父さんに,、この寒さの中そんなところまで行って
鼻がもげたらどうするんだい?と電話越しに言われて、
マディケンは真剣に悩むのですから。

このマディケンとリサベットのシリーズには、岩波ハード版の他に、
徳間書店から「雪の森のリサベット」が出ています。
挿絵は以前、篠崎書林から出ていた絵本「マディケンとリサベット」の
挿絵がそのまま使われているようです。

         
 私が持っているのは篠崎書林の絵本版

こちらも、クリスマス前の「リサベットがいなくなる」大事件のお話で、
最後にほろっとしてしまいます。

私は大好きなシリーズですが、上の人はあっさりしたもので、
「普通」だそうです。
カッレくんシリーズのほうがお気に入りだって。
いいさ~。私は好きさっ。

コメント (5)
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