きじまはじめ作・ほんだかつみ絵
福音館書店(絶版)
この絵本はとても古い絵本で、今は手に入らないもの
なので、画像をのせていいものかどうか迷ったのですが・・・
手元にあるので、一応小さくのせてみます。
表紙の絵の通り、一頭だけ明らかにやせているぶたが、
仲間からさんざんな目にあわされ、その処遇に
耐えかねて、賢くて自転車に乗れるさるの博士の
ところに相談をしにいきます。
このさるの博士は、さんざん考えたあげく、
自転車の空気入れでぶたのおしりから空気を入れるという、
荒業に出ます。
賢いんだかなんだか・・・・!?
やせたぶたのフータローは、もうみんなから
やせっぽちと馬鹿にされることもない、立派なぶたに
なりましたが、難点は軽いこと。
帰り道、くじゃくのエミコにばったり会い、
風が強いから、まるまる太っているあんたに
つかまってれば、だいじょうぶねと言われ、
「うん」と答えるフータロー。
そんな見栄をはったのがいけなかった・・・。
直後、風が台風並みに吹き荒れ、あっという間に
フータローとエミコは、富士山よりも高くに
飛ばされてしまうのでした。
あんたみかけによらず軽いわね、と悪態をつきつつも、
これからどうなるのか心配するエミコに、フータローは
「おひさまに ぶつかって やけしぬよ」と一言。
エミコもすかさず、
「ふん、それじゃあ、あんたは さしずめ とんかつね」
と応酬します。まるで漫才だわ・・・。
結局、軽いがために2人?は助かることになるのですが、
そんなこんなで、フータローはやせたぶたのままで
いることにしたのでした。
じぶんは じぶんさ! というわけです。
この絵本には色がなく、太いタッチの黒い線だけで
描かれていますが、コミカルなお話だからこそ
この絵だなぁと思います。
91年にリブロポートから出ていたようですが、
その後絶版。
おもしろいお話だから、どこかの出版社さんから
出ないかしらと密かに思ったりしています。