みどりの船

絵本と絵本まわりのこと、日々の雑感を少し。

ある日のコハ本

2006-06-30 | 子どもと楽しんでいる絵本
ここのところ、コハさん濫読傾向つよし。
一応選びはしていますが、次々と持ってくることに
喜びを感じるのかな・・・。
ちょっとうーーんと思ってしまいますが、
今朝も起きてまず、”じぷた”です。

  しょうぼうじどうしゃじぷた

ずっと好きで、でも絵を見て楽しむだけだったのに、
お話も聞けるようになっていて、びっくり。
続いて、いつもの  

  いいおかお 
フエルトで●▲■から、ねずみや犬やあかちゃんの
とびきりかわいい顔が、ページをくるごとに
あらわれるのが、大層お気に入り。

ここで、まだおむつも着替えも、朝ご飯もすんでいないので、
なんとかなだめて中断です。

今日は、来月のおはなし会の打ち合わせ。

出かけなければいけないのに、相変わらず、小さな
本のムシが読んで読んでと持ってくるので、
ちらっと出したのが、これ。

  LITTLE EYESシリーズ
 駒形克己(偕成社)
 
左側がシリーズ8 FRIENDS IN NATURE(しぜんはともだち)
右側がシリーズ3 PLAY WITH COLRS(いろ・いろ・いろ)    

ねーさんのファーストブックで、ボロボロなのですが、
8はお話がいかようにも作れるところが楽しい。
3は、コハさんも自分でめくっておー?と遊びます。

これに飽きて持ってきたのが、
  カーブック
 ヤーン・アグラ・絵(BL出版)

これも同じく姉の絵本だったもの。
2人とも好きで、よく見ました。(進行形の人も)
パトカー、ごみ収集車、はしご車、救急車、
ショベルカーの内部が、プラスチックシートで
重なっていくのが楽しいらしい。

さて、おはなし会打ち合わせ。
市の施設の図書室おはなしの部屋で、仲間と月に一度
おはなし会をしています。
未就園のちびっこ向け20分、幼児~向け30分の
プログラムを決めます。
来月のテーマは「空~みあげてみれば」なので、
いろいろ持ち寄った中から、選書します。
そこで読んだ中で、釘付けだったのが、

  いつものお決まり

  かささしてあげるね
 はせがわせつこ・文/にしまきかやこ・絵(福音館)

これは、図書館で借りたばかりで気に入った様子。
ハンダ・・・は、来月のちびっこのプログラムで読む
ことになりました。楽しみ!
わたしは、大きい子のほうで、パネルと紙芝居と
絵本「へそもち」を読むことになったので、
ハンダのときには、じっくり観察しよう。

昼寝あとから、夜にかけて・・・

  ころころころ

  トマトさん

  はらぺこあおむし

  わたしはとべる

  はしれかもつたちのぎょうれつ

最後に、この2冊というのは、ハハとしても結構
うれしい。とても楽しく読めます。
『わたしはとべる』洋書版と2つ並べて、なんだか
マニアックな見方をしています。
コハは、最初の歌がとても好き。
一つ一つ、自分も同じ動作をしながら、楽しそうです。

『はしれかもつたちのぎょうれつ』は、列車の絵本
だけれど、まず色彩が美しくて惹かれます。
それだけじゃなく、絵に、走っている臨場感が
あふれています。
流れるように走るかもつを見ながら、
コハさんの口から、思わずシュッ、シュッと音が出るのも
なんだかわかる気がします。
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ねこのオーランドー海へいく

2006-06-28 | とびきり好きな絵本
ねこのオーランドー シリーズ

暑いです。夜の今の時点で、まだ室温28度弱、
湿度55~60%の間です。
う~ん・・・暑い、暑いよ~!!

さすがに、外気はもうちょっとさわやかな感じが
しますが、昼間はじっとしていても汗ばむ陽気。
しかもかなりじっとりです。

コハさん、本日、滝のような汗をかきながらの
昼寝で、眠りも浅く・・・
その脇でわたしは、バカンス?避暑?に
行きたいなぁ・・・と、
この絵本を見ながら、ずっと夢想していました。

この絵本に出てくる主要な人物?が、
ねこのオーランドーとその妻グレイス
そして彼らの3匹の子ねこ
パンジー(三毛ねこ)、ブランシュ(白ねこ)
ティンクル(黒ねこ)の一家です。
みんなそれぞれにキャラクター色満載。
(わたしは、こういうのにとても弱いらしい・・・
 ということにやっと気づく。)

扉をめくると、だらしなく寝そべる一家の図。
まるで、今日のうちの様子と同じです
あまり暑くて、グレイスは顔色が悪くなるし、
子どもたちは、お高いエビさえ食べようとも
しなくなり、困り果てているオーランドー。

そこへ走りこんできたのが、馬のバルカンです。
おくさんと息子を連れて、海辺のオウルバロウへ
でかけるところだから、一緒に行かないか?
というお誘い。
とんとん拍子にことが進んで、ねこと馬の一家が
一緒に、海辺の町へ出かけることになるのです。

この絵本、かなり文章量がありますが、
読んでいてとても楽しいです。
黒ねこティンクルのこだわりや、考えることが
いちいちおかしくて・・・好き。
ペットとして飼っている”クモ”を、一緒に連れて
行くあたり、人間の子どももやりそうなこと。
それぞれこだわって持っていく旅の荷物も、必見です。

なんといっても、この絵本は絵が素晴らしい!
ねこも馬も、ねこらしいし馬らしいのに、妙に
人間っぽいところもあって、ひじょうにユーモラス!
丁寧に描き込んであって、大型の版がとても
生きています。
なんというか、見飽きることがない絵だなぁと
思います。
次々と展開されるお話に出てくる人間たちも、
味がある個性的な人ばかりで、ありそうでなさそうな
お話が、ひきたっています。

     * * * * *

オーランドーはシリーズで、『ねこのオーランドー』
『ねこのオーランドー農場をかう』の3冊出て
いますが、調べると、今手に出来るのは、農場だけ
なんですね。
この絵本も、すごく楽しくて個人的に一押しなのに
・・・・残念。

久しぶりにオーランドーを読みながら、夏の予定を
あれこれ考えた一日でした。
もうすぐ7月、もう夏の予定は、お決まりですか!?

     * * * * *

『ねこのオーランドー』
 キャスリーン・ヘイル 作・画 / 脇明子・訳 
 福音館書店

『ねこのオーランドー海へいく』
 キャスリーン・ヘイル 作・画 / 小沢正・訳
 童話館出版

『ねこのオーランドー農場をかう』
 キャスリーン・ヘイル 作・画 / 脇明子・訳
 童話館出版
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ケイゾウさんは四月がきらいです

2006-06-27 | 幼年童話
 
市川宣子・作 / さとうあや・絵
 福音館書店

なんといっても、タイトルに惹かれます。
ケイゾウさん!?


ケイゾウさんは、にわとりです。
一人悠々と、幼稚園の庭の小屋で暮らしているところに、
ある日太ったうさぎが連れてこられます。
それがみみこ。
この本には、そんなケイゾウさんとみみこと、
つきぐみのこどもたちの小さなお話が、10話
おさめられています。

ケイゾウさんは、いろんなことが嫌いなんです。
四月が嫌い。
遠足も、サーフィンも、飛ぶのも、工事も、
その他いろいろが嫌いです。
一年を通して嫌いなことがあるケイゾウさん。
でも、その理由は至極当然で、ケイゾウさんは
悪くないのに、
なぜか、いつも腑に落ちない扱われ方をされてしまう
んですよね。
その点、みみこは要領がいいのです。
そして、小憎らしい一言も、忘れやしません。
ケイゾウさん、難儀だのう・・・。

ケイゾウさんの観察眼の鋭さはさすがです!
ケイゾウさんとみみこのやり取りが絶妙です!
ケイゾウさんのつぶやきもユーモアにあふれていて、
ナイスコンビの楽しいお話ばかりです。

なんだかとても気に入り、ふっと手にとっては
どこかの章を読んでクスクス・・・を繰り返していて、
なかなか図書館に返せないでいるんですよねー・・・。


ついつい絵本のカテゴリーに入れてしまいましたが、
絵本というよりは、短い読み物です。
2000年4月~2004年10月までの母の友に、ときどき
掲載されたものを、加筆修正してまとめたもの
だそうですよ。

こういうの、好きダナァ。
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あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま

2006-06-26 | 韓国/アジアの絵本
 
イ ヨンギョン 文・絵 / かみやにじ 訳
   福音館書店

今ほど韓国の絵本が日本で出ていないころ、
『マンヒのいえ』『ソリちゃんのチュソク』
そして、この『あかてぬぐい・・・』の絵本
くらいしか知りませんでした。
(あ・・・『こいぬのうんち』もありましたね!)

今でもマンヒやソリちゃんなど、発見が多くて
好きな絵本ですが、
この『あかてぬぐいのおくさん・・・』は、中でも
気に入って手元に欲しい!と、はじめて買った
韓国絵本です。

お話は、韓国の古い民話がベースになっているらしく
あかてぬぐいをかぶった、お針のじょうずな
おくさんとその7つの道具が、ユーモラスに
描かれています。

まず見返しが素晴らしい!
本を縦にして、ぜひとっぷりと味わって欲しい。

針仕事の7つの道具たちは、道具の精なのか、
チマチョゴリを着た、小さな女の人として擬人化
されていて、ソラマメ型のふっくらした顔立ちが、
なんともほほえましいのです。

そして、道具たちの名前が、いちいちふるっています。
背の高い ”ものさしふじん”
ちょっと小生意気な ”はさみじょうさん”
すましやの ”はりむすめ”
おしゃれな ”いとねえさん”
一見おっとりした ”ゆびぬきばあちゃん”
年下の ”のしごておとめ”と”ひのしねえや”
みんな、どことなく容姿の一部に、それぞれの
お道具の特徴が出ていて、これまた楽しい。


あかてぬぐいのおくさんがうたたねをしている間に、
この7つの道具たちが、おくさんが
お針がじょうずなのは、自分がいるからだ!と、
それぞれ主張しはじめます。

最初はうたたねしているおくさんも、どんどん表情が
かわって、最後には目をさまし、一喝!

お話の流れ方も、
一喝場面でおくさんの足しか見えていないところも、
韓国の調度品、部屋の感じ、服装、生活用品などが、
身近に感じられるところも、
とてもいいんですよね。


だれがかけても成り立たず、
だれが一番というわけでもないよ・・・と
道徳的に読めなくもないけれど、
純粋に頭をカラッポにして読んだほうが、
断然楽しくて好き。

”のしごて”や”ひのし”ってどう使うのかしら?
というのは、ちゃんと最後に出てきて、なるほどね
と納得。
大判に、のびのび描かれる絵が素敵な韓国絵本です。
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ある日のコハ本

2006-06-24 | 子どもと楽しんでいる絵本
金曜日、久しぶりに何の予定もなく、うちで
の~んびりしました。
コハはそのの~んびりをちゃんと察知して、
朝から絶え間なく絵本を持ってきます。
こうなると、こちらもとことんつきあってみるかと
腹をくくる・・・。

で、読んだ絵本はといえば、
朝から6冊。昼寝前に2冊。昼から夜にかけて4冊・・・。
1冊を何度も何度も読む日もあるのに、この日は
次から次へとすごかった。
以下、備忘録です。



 
最近の超お気に入り。
多分テキストは頭に入っているのでしょう。
語尾だけ、絶妙なタイミングであわせて言います。
少し前に、作者、訳者の作/訳の字が、
アボカドとオレンジのイラストの中に書かれている
ことにコハが気づき、ん、んと指さし確認。
ほんとだー!とびっくりしました。


これも大好き。「これ なあに」にあわせて
”あーに?”と言いながら、とてもうれしそう。
おしまいの方の、柑橘類とスイカは、必ずアムアムと
食べる真似をしています。


今年のホワイトデーに、さしがコハに贈った絵本。
さしは、コハのお気に召したことがとてもうれしいらしい。
長めのお話も、リズムがよくてじっと聞いています。


ずっと好きな絵本。これもたぶんほとんど覚えている
のでしょう。
語尾をあわせて言っています。
ぽたあん・・・のページ、”ふくふく””くんくん”で
いつも怒っています。
何か、自分が思っているのと違うのかしら。

 
これもずっと好き。そしていつも2冊セットです。
最近は、わざと違うところをさして楽しむクセが・・・。



これも、本当にずっと好きで、いまだによく
持ってきます。
”いたいとことんでいけ~”のおまじないは、
うちでもよく使い、そのあと、

”ちちんぷいぷい ばたーりん
 いたけりゃ いたちの ぽんなすれ”

と続きます。これで(たいしたことない)
大概の痛みはなくなるみたい。



最近よく持ってきます。版画が独特で、
特に猫がキョーレツ!
おつむてんてん、みみひこひこ、おくち
ちゅうちゅうなど、出会った動物によって、
する動作がかわるところが楽しい。
指ちゅぱのクセがあるコハさんは、喜んで
おくちちゅうちゅうしています。



この絵本と、同じとよたさんの「ぎーこんぎーこん」は
とーさんに持っていく絵本だったのに、この日は
わたしにも。
そして、表紙のこのぶーんをしてくれと、わたしに
要求してきます。かーさんも鍛えられる。。。



トマト大好きなので、この絵に釘付け。
最近よく持ってきます。
とかげのしている、にじいろの浮き輪が気になって
仕方ない様子。


つい最近、野はら花文庫のそらこさんが、
ちびっこのくいつきが違う魔法の絵本と書かれているのを
見て、そうだ!これを読む機会がなかったと、
読んでみました。
不思議なことに、やっぱりヘビーローテーション入り。
2歳は2歳なりに、どの●が穴あきなのか、指を入れて
楽しみつつ、言葉の音の響きにも関心がいっている様子。



相変わらず、うんちびゅんびゅんが好きらしい。
最後いっしょに、大あくびの真似をしています。

ふ~、長いですねっ。
忘れないうちに、書き留めてみました。

* * * *

『ハンダのびっくりプレゼント』
 アイリーン・ブラウン/作 福本友美子/訳
              光村教育図書

『まるくておいしいよ』
 こにしえいこ/作 福音館0.1.2えほん

『トトトのトナカイさん』
 長谷川義史/作  ブロンズ新社

『しろくまちゃんのほっとけーき』
 わかやまけん/作  こぐま社

『たべたのだあれ』『かくしたのだあれ』
 五味太郎/作   文化出版局

『めのまどあけろ』
 谷川俊太郎/文 長新太/絵
         福音館書店

『おつむてんてん』
 ふくちのぶお/作 福音館こどものとも0.1.2
          2005 5月号

『ぶーんぶーん』
 とよたかずひこ/作  岩崎書店

『トマトさん』
 田中清代/作  福音館こどものとも(年中)
         2002 7月号
 ハードカバー化されます

『ごぶごぶごぼごぼ』
 駒形克己/作  福音館0.1.2えほん

『おかあちゃんあそぼ!』
 飯野まき/作  福音館こどものとも0.1.2
         2006 6月号
コメント (14)
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青い花

2006-06-16 | ドキドキ/五感を刺激する絵本
今日は朝から、本降りの雨です。
梅雨なんだから仕方ないですけれど、朝の色合いの
暗さには、やっぱりちょっと気分がさがります。

 
安房直子/作 南塚直子/絵  岩崎書店


この絵本に出てくる傘やの主人は、若いけれど腕の
たつ人で、たくさんの傘の修理も、せっせと
勤勉に働いて、夜までにはすっかり直してあげます。

いつもの3倍ものお金を手にした傘やさんは、
屋根の修理、二階の窓に白いカーテン、
油絵の具一箱と、新しいギターと・・・
買いたいものを思い浮かべ、次の日買い物に出かけます。

そこで出会ったのが、雨が降っているのに、
傘もささないで、ぽつんと立っている小さい女の子。
水色の服を着たその子に、

「かさをもってないのかい」と2度聞いた傘やさん

うなずく女の子に、

「そりゃあ、いけないなあ」
「いくら子どもだって、じぶんのかさをもたなくちゃあ」

と、その女の子に傘を作ってあげることを思いつきます。

女の子がたくさんの布切れの中から選んだのは、
傘やさんが欲しかった、白いカーテンの3倍もの
値段の、青いきれでした。
傘やさんは、いい傘が作れる、と思いました。

傘やさんは、自分の本来の買い物のことを忘れ、
とびきり上等の青い傘を作ることで胸をいっぱいにして、
女の子と別れ、大急ぎで歩きました。

女の子の選んだきれの青は、
ある日の海の色だったり、
雨上がりの青い空の色だったり・・・。
”小さな青いやねの家にすっぽりと こもっている
ような”不思議な気持ちを味わいながら、
傘やさんは、傘を作り上げました。

次の日、出会った曲がり角で、女の子に傘をわたし、
女の子が喜んでさして帰ってから・・・。
不思議なことがおこりはじめました。

        

忙しいって、こころをなくすと書きますが、
この傘やさんが、あまりの忙しさに、
心をなくしたまま、たくさんの傘を作ってしまった
ことに気づいてぞっとする場面。
わたしもときどき、体験します。

気づけてよかったね。


『青』が印象的なこの絵本。
安房さんのどこか不思議なお話の雰囲気が、
南塚さんのやわらかい絵で、うまく描かれていて
この絵本はとても好きな一冊。
あじさいが咲きはじめる、今日のような雨の日に、
読み返したい絵本です。
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特急キト号

2006-06-09 | とびきり好きな絵本
 
ルドウィッヒ・ベーメルマンス/作
ふしみみさを/訳 PHP研究所

この表紙の男の子って、誰かに似ていると思いませんか?
あのマドレーヌちゃんの雰囲気が漂っているんですよね~。
この絵本は、ベーメルマンスさんが、特急キト号に乗って
南米エクアドルを旅行したあと、生まれた絵本なのだ
そうです。
マドレーヌシリーズが生まれる前の話です。

この絵本の色合いを見たときに、ジャン・シャロー
(おやすみなさいのほんの絵の)の描いた「ぼくのぼうし」
という絵本が、ふと思い浮かびました。
それも確か南米のお話で、黄色っぽい色合いに、やっぱり
頭にこんな感じの帽子?をかぶっていたと思うのです。

南米ってちょっと魅力的。
知らないことが多すぎて、暮らしぶりも人の雰囲気も
まるで違うのだろうなーと想像するのですが、
実際どうなんでしょう。

このお話の主人公ペドロは、まだ「ダダダダ」としか
しゃべれない男の子。
ペドロは一日中、庭にすわって、ござに広げた
トウモロコシを、ニワトリが食べてしまわないように
番をしています。
でも、ニワトリだって慣れたもので、汽車が来れば
ペドロがピョンピョンとびはねて、番がおろそかになる
ことを知っています。
その瞬間、2羽が6羽に見えるほど、夢中でトウモロコシを
つつくのですよ。

そんなかわいいペドロが、あるとき、姉さんに
連れられて駅に行き、あっという間にキト号に乗り込んで・・・
大冒険のはじまりです。

要所要所で出てくるユーモラスな文章や絵に、クククっと
なりながら・・・
南米エクアドルの大らかな土地柄と乾いた空気を
かすかに感じながら・・・
わたしもペドロと一緒に旅をします。
ほんとうに、親切な人ばかりでよかったねって
思います。

楽しい絵はたくさんあるけれど、ホームにおりては、
ペドロの身内を探す車掌さんの絵には
思わず噴き出してしまいますよ。

この絵本を翻訳したふしみみさをさん、最近よく
お目にかかるなぁと思ったら、「なつのゆきだるま」
「ビュンビュンきしゃをぬく」「あいにいくよ、ボノム」
「どうぶつにふくをきせてはいけません」・・・・
他にもたくさん、訳されているんですね。
とても気になる訳者さんです。

ふしみさんは、この絵本のことがとても気に入り、
版権の交渉など難しい問題で、出版が頓挫しそうになった
ところをなんとか解決して、出版にこぎつけたらしく・・・
大変思い入れの強い絵本だと聞きました。
(ペンギンハウスで教えてもらいました)
わたしも、「山のクリスマス」を知ったときと同じ
くらいの衝撃で、この絵本がとてもお気に入りに
なりました。

ふしみさんのあとがきに、特急キト号は、「雪をかぶった
アンデス山脈から、急な山道を一気に下り、
暑いジャングルを通りぬけ、・・・海へ向かいます。
・・・バナナだけでも40種類もあるのです。」とあって、
南米の地に、どんどん思いが広がっていきます。
バナナにそんなに種類があるなんてーー・・・知らなかったナ。

絵本の中に出てくる、子どもを背負って、荷物をもち、
頭にたくさんのものを載せて歩く女性は、巻末に
実際の写真が載っています。
颯爽としていて、姿勢がいいんですよね。驚きです。
バリに行った友人の話では、鍛えれば頭の上には40kgの
ものが載せられるらしいという話だったけれど、
載っているものの量からすれば、本当にすごいバランス。
首も太く、鍛えられそうです。

そんなお話以外のところでも、あれこれ想像が膨らみ、
ベーメルマンスさんが感じたエクアドルの雰囲気を、
いっしょに楽しませてもらえる、かわいいお話です。
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うごいちゃだめ!

2006-06-07 | ドキドキ/五感を刺激する絵本
 
エリカ・シルヴァマン/文 S.D.シンドラー/絵
  せなあいこ 訳   アスラン書房

今日はこの頑固者2人?のお話を。

頑固者・・・なぜか妙に愛着がわくんですよね~。

うちは4人とも、たぶん、かなりの頑固一徹さん。
4人が4人ともだから、方向が違うと大変です。

この表紙のお二人も、かなりなツワモノです。

ことの発端は、「あたしって、なんて泳ぐのがじょうずなの」
と悦に入っていたあひるのそばに、自分のほうが早く
泳げるというがちょうがやってきたことでした。

「それなら競争よ」 いっせいに泳いでみれば、泳ぎは
あひるの勝ち!
ほらねーと思っていると、がちょうは話の矛先をかえて、
ぼくのほうが空を高く飛べる!と言い出します。
「そんなことないわよ」 「じゃ、きょうそうだ。」と
またもやいっせいに飛び立ち、今度はがちょうの勝ち。

こういう我の張り合いというか、負けず嫌いの自慢大会って、
こどもがしょっちゅうすることですよね。

でも、次にあひるが提案してきたのが、”うごいたらまけ!
競争でした。
ここからがまさに見もの。
ハチが飛ぼうが、ウサギやカラスに遊ばれ、つつかれようが、
そんなことにはまったく動じない。
どちらもこそっとも動きません。
お互い、相手が負けを認めるまでは、少しも動かないゾ
という固い決意なのです。
風がふいても、置物のように固まったまま。
そのままごろごろ吹き飛ばされた先で、きつねに
出くわしてしまいます。

きつねにしたら、ごちそうがおとなしくころがっているのだから
たまりません。

ほんとにほんとに、いつまでそうやって意地をはっているのー?


きつねがスープを仕込んで、どちらから入れるか算段している
ときでさえ、まだどちらも動く気配なし。
生きるか死ぬかの瀬戸際だというのに・・・。
うぅ、、、この緊迫感がたまりません。

あひるの心には、微妙な変化があらわれていて、
いくらなんでも、もうがちょうさんは動くだろう、
動いてくれなくちゃという気持ちが、ムクムクと。

この”うごいたらまけ競争”は、結局、どちらが
勝ったでしょう?


この絵本を2年生の教室で読んだことがあります。
読み終わって本をとじたら、一番前の端のほうの女の子が
ふ~と一息はいて
「あー、こわかった」と言いました。

こわばっていた体が、ゆるゆるとゆるんで、リラックス
する空気がこちらにも伝わってきていたので、
このお話にすーーっと入ってしまった子どもたちの顔を、
思わず見まわしてしまいました。
ほんとに、手に汗にぎるお話ですよ。

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わたしのかわいいめんどり

2006-06-06 | とびきり好きな絵本

アリス・マーチン・プロベンセン夫妻 作
 きしだえりこ 訳  ほるぷ出版

昨日に引き続き、プロベンセン絵本です。
(好きなのです、お許しあれ・・・)

パーカーさんの娘はエミリーといいます。
パーカーさんのうちには、イヌとネコとめんどりがいて、
めんどりの名前はエッタ。

見開きで最初に出てくるのが、仰向けに横たわる
エミリーの上にエッタがのっかり、エミリーの足に
あごをのせているイヌと、
エミリーの脇にくっついて片目をあけている
ネコの絵です。

とてもみんなくつろいでいるんです。

エミリーはエッタが大好き。
そんなエミリーのために、エッタはたまごを一つ生みました。

エミリーは、たまごを食べてしまうかしら?


ノンノン、エミリーはたまごをとっておいたのです。
まもなくそのたまごから、かわいいひよこがうまれ、
ネディと名づけられて、かわいがられます。

イヌのラルフも、ネコのマックス(あのマックスかしら)も
それぞれネディに興味津々。

ラルフはネディをくわえて、どこかに連れ出そうとして
失敗し、エミリーにおこられています。
でも、ネディに怪我はありませんよ。
ネディもラルフが好きで、しっぽでよく遊んだりします。

ネコのマックスは、ただただネディをねらっているから
母親のエッタが気を配ります。

ネディが最初のお誕生日を迎える頃には、毛がふさふさした
立派なめんどりになり、
ネディもネッタと呼ばれるようになりました。

呼び名がかわっても、かわいいめんどりはどうしたって
かわいい。
ちびゴリラのちびちびのことを、大きくなったって
大好きだよ!と言うのと同じように、ネッタのことが
いとおしくて仕方ないエミリーです。

一緒に暮らしている動物は、家族ですものね・・・。


ふくふくとやわらかそうな羽のめんどりを、
両脇にかかえたエミリーがとってもかわいいです。
でもなんとなくひょうひょうとしためんどりの目が、
おもしろい表情を作っていて、思わずフフっと笑えます。
何か考えているような・・・何も考えていないような。


この絵本に出てくる、ネコのマックスって、
かえでがおかに出てきていた、親とケンカばかりしている、
人間の子どもと遊ぶのが大好きな、あのマックスでしょうか?
ちょっと気になります。


こんなにかわいらしい絵本なのに、ずーーっと重版未定で
手に入らない絵本だったのですよ。
でも去年、無事重版されて、今は気に入れば手にすることが
できるようになっています! よかった~♪


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ロゼット

2006-06-02 | とびきり好きな絵本

ドロテ・ドゥンツェ/絵 ジャネット・B・フロー/作
 ヴィルヘルム・きくえ/訳 太平社

ある母ロバのもとに、夕日のように赤い
ロバの子が生まれました。
そのあかちゃんを見つめる母の目からは、
涙が流れますが、母ロバは、ロゼット(赤)
と呼ばれるこの我が子が、かわいくて仕方が
ありません。
毎日夕日が落ちる頃、我が子に決まって歌を
歌いながら、優しくいとおしむのでした。

お母さんが最初に流した涙は、その後ロゼットが
味わう辛さを予感してのことだったのかもしれない。

優しく幸せな時間は長くは続かず、ロゼットは
ケチなお百姓に酷使されるために、買い取られて
いきます。
辛くて寂しい毎日のはじまりです。

ロゼットは思います。
自分がもしふつうの灰色だったら、もっとみんなから
大切にされ、かわいがられるだろうに。

もし・・・だったら。
本当によく考えること。
現実に受け入れがたいことはなおさら、もし・・・で
逃げてしまいたくなる。

でもその後、そんなロゼットを見て、一目で気に入ってくれた
ソフィとの出会いが待っているのです。
オレンジ色に近い赤のロゼットと、群青色のドレスを
着たソフィの対比がとても美しい。

母ロバが、無条件に愛してくれたように、ソフィはこの
赤いロゼットのことを気に入り、いとおしんでくれる。
この出会いのために、お百姓のところでの試練があった
のだ、とさえ思えてきます。
そしてもう一つ思うこと。
他の誰になんと言われても、一人の大事な人から愛されれば、
それは十分すぎることかもしれないナ、と。
ほんとうにしみじみ思います。

それにしても・・・。
一度歌ってしまったが最後、しばらく頭の中をぐるぐる
めぐって、つぅっと口をついて出てしまう旋律って
ありますが、今、そういうメロディが3つほどあって、
その中の一つが、この絵本の中に出てくる歌なのです。

この歌、かなり耳に残るのです・・・が、それって、
わたしだけだろうか??
最初に手にしたのが6,7年前で、以来ときどき、ふっと
思い出されるメロディです。
もし、この絵本を手に取られることがあったら、
ぜひ歌ってみてくださいね!


 ♪すんなりかわいいあし あかいロバロゼット 
   夕日のようにあかい いとしいロゼット
   ひとりぼっち わたしのロゼット♪

           
 
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まさ夢いちじく

2006-06-01 | ドキドキ/五感を刺激する絵本
 
クリス・ヴァン・オールズバーグ/絵・文
  村上春樹/訳  河出書房新社

久しぶりに読みたくなったオールズバーグの絵本から、
大好きないちじくの話。

昔、実家の隣りに大きないちじくの木があって、
時期になると、いただきものをするので、
いちじく食べ放題だったんです。
パックリ割れたあたりから見える果肉が、なんだか
ちょっと強烈で、子どもの頃はちょっと・・・と思って
いたのに、やっぱり舌の記憶ってすごくて、
あのとろっとした感触と甘みを、今もしっかり覚えて
います。
いちじくって、買うと高いんですね・・・。
いちじく=ただ/ いちじく→カミキリムシ というのが
インプットされた記憶です。

いきなり、いちじく話になってしまいましたが・・・
お話のキーワードは、この「いちじく」です。

表紙のこのおじさま、大層なイケズな歯医者です。
飼い犬のマルセルが家具の上に飛び乗ろうものなら、
ひどいお仕置きが待っています。
マルセルを抱っこしてあげるなんて、もってのほか。
大事な自慢の背広に、マルセルの毛がつくのが
我慢ならないのです。

な~んか、イヤな感じ。

ある日飛び込みで治療に来たおばあさんが、お代を
払えないかわりに置いていったのが、いちじく2個!
このイケズな歯医者は怒りましたよ。
でも、これがただのいちじくではないということが
すぐにわかります。
それからのこのビボット先生の強欲さと、欲?夢?を
満たすための努力といったら、ある意味すごいです。


いいのか・・・・そんなに自分の欲を満たすだけの
損得勘定で動いていて・・・本当にいいのか?
そんな思いは、最後の胸をすくような結末に、
すがすがしささえ覚えます。

欲張り、傲慢、冷血を絵に描いたようなビボット先生の
あわれな姿は、その後どうなったんでしょう。
やっぱり人間、お金だけじゃないでしょう。
お金はなくてはならないけれど、それだけじゃ、
寂しすぎる。

オールズバーグの陰影のあるつるんとした絵が、ビボッド
先生の几帳面さ、冷淡さを不思議なほど際立たせて
くれています。
おでこの光具合や、眉間のしわが、絶妙ですよ!
コメント (6)
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