ピーター・コリントン/作 ほるぷ出版
ピーター・コリントンの文字なし絵本です。
コマ割りの絵だけでお話は進みます。
巻末の江國香織さんの言葉にあるように、
不思議と「気配」や「音」が伝わってくるような
気がする絵本です。
上の人が小さいとき、「煙突がないおうちに
サンタさんはどうやってくるの?」と言っていましたが、
そんな疑問にも見事に答えてくれます。
女の子はイブの夜、プレゼントのリストを書いて
くつしたの上において眠ります。
眠ったことを確認した守護天使(私は妖精かと思っていた)が
リストをチェックし、ツリーのキャンドルをともし、
部屋の鍵をあけて他の天使たちを誘導します。
その一つ一つの仕草や表情がとても愛らしい。
大勢の天使たちが、ひとつずつキャンドルを
手にしてすることは、サンタクロースの道案内役です。
このサンタクロースがまたちょっとぬけていて、
ドサッとプレゼントを落として音をたててしまいます。
でもそれもご愛嬌。
どんぐりのような目をむき出してギョッとする
サンタクロースは、守護天使の魔法で、
危機一髪のところをきりぬけます。
最後の場面で、一仕事を終えた守護天使が、
暖炉の前で紅茶を飲みながらくつろぐ様子は、
雪が降る外の寒さと対比されて、とってもあったかです。
クリスマスイブの夜、自分の寝たあとで
こんな大仕事がなされていると思うと、
ちょっとわくわくしてしまいます。
それも守護天使の小さな足音さえ聞こえてきそうな
静かな夜に。
今は、そんな静けさを探すことさえ、
難しいかもしれません。
そういえば・・・守護天使とサンタクロースが
女の子のプレゼントリストをチェックしている場面で、
「こんなにプレゼントもらえるの、いいなぁ」と
ひどくうらやましげでしたっけ。
さてさて、我が家のサンタクロースさんは、
どういう形でやってくるのでしょうか。