みどりの船

絵本と絵本まわりのこと、日々の雑感を少し。

ある日のコハ本

2007-08-30 | 子どもと楽しんでいる絵本
今月の絵本の記録です。
相変わらず、図書館本は、マックス・ベルジュイスの
かえるくんシリーズと、かこさとしさんのだるまちゃん
シリーズ。
加えて、電車、機関車系の本を数冊というラインナップ。
かえるくんシリーズは、何日かに一度のペースだからか、
なかなか入ってこないけれど、着実に読み進んでいます
今月は、いつにもまして、図書館本にもたくさんお世話になりました。

  コハ 3歳2か月のベスト 

 1位
  『にちよういち

 今月も本当によく読みました。高知言葉の不確かな
 イントネーションも、日常会話に頻発・・・ 
 コハに「はようしいや」と言われます。 やめて・・・。

 2位
  『へそもち
 
 7~8月はじめ、よく雷が鳴りました。
 最初にひどく鳴った日に、ピカピカごろごろしている最中
 この絵本を読んでみたら、すっかりはまって、
 おヘソをおさえながら、何度も読みたがります。
 縦展開の開きが、とてもいきている絵本。
 大好きなのに、リンク先を見たら、只今品切れなのが残念。

 3位
  『しろいはうさぎ

 韓国版わらべうたが心地よく、歌いながらよく
 読みました。(記事は) 


 同点4位
  『よじはんよじはん

  こちらも韓国絵本。各家庭にまだ時計のない時代の
  なんとものんびりした雰囲気のある絵本。
  目の前のことに没頭してしまう小さい女の子が、
  自分と同じくらいの子に思えるのか、こちらも
  好んで読みました。
  この絵本のおかげで、身近な「オシロイバナ」にも関心を
  もった様子。 これで、染め遊びするの、楽しいですよね。

  『とこちゃんはどこ?

 だるまちゃんシリーズが借りられず、かわりにこちらを
 借りたら、すっかり虜になりました(笑)
 探しもの絵本は、あいかわらず好きです。

  『ぼくたち1ばんすきなもの

 ひところ「あいうえおはよう」が大好きで、当然のように
 こちらも気に入っています。
 3匹のコブタくんのうち、これがコハ、おかーさんは?と
 必ず役割を決めたがるのは、性格か。

  『ぐりとぐらの1ねんかん

 以前は、7月のトマトのページが好きだったけれど、最近
 9月の「ちきゅうのみなさん しぃー
     おしずかにねがいます・・・」が大好き。
 耳に手をあてて、耳をすますしぐさがひそかに好きです。
 

 同点8位
  『おむすびさんちのたうえのひ

 これ、大ヒットです。かがくいさんの絵本は、いつも斬新
 だけれど、今回、おむすびさんやおいなりさんが田植えを
 するんですから。
 しかも、手足の多いすしねたまで登場して、
 最後はみんなでお風呂です、まいった・・・。

 前2冊も、かなり好きです。
            
 

  『ねこさんびき

 文字のない映像のような絵本。
 しかも落語のようなオチつきで笑ってしまいます。
 3匹のネコが狙っているものは? その行方は?
 じっくり見ては、毎度、あ~あ~と声をあげています。


 同点10位
  『だるまちゃんととらのこちゃん

 てんぐちゃん、かみなりちゃんときて、今度はとらのこちゃんに
 はまっています。
 かこさんは、やっぱりすばらしい!

  『みずまき

 わたしが大好きな木葉井さんの絵本。
 暑くてうだる日には、と引き出してきたら、コハも一緒に
 読みたがるようになりました。
 みずをまいている私の表情が楽しすぎる、らしい。
 一緒にハチャメチャになって読みました。

              



以前、フェリシモ出版で復刊された、ピクシー絵本シリーズ。
(そのずーっと前は小学館?)
うすっぺらくて、小さくて、持ち運びにもちょうどよく
帰省・旅行時は、実家の本と、この小さな絵本たちを読みました。


コメント (18)
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サマータイムソング

2007-08-27 | とびきり好きな絵本
 つきあかりのにわで サマータイムソング                            
アイリーン・ハース/作 わたなべしげお/訳 福音館書店

一時のうだるような暑さから解放され、朝夕少し涼しくなってくると、
どうもさみしくセンチな気分になります。
夏の終わりと秋の気配を感じる8月の終わり。

アブラゼミ・ミンミンゼミ優勢の昼間の虫の鳴き声にも、
ツクツクボウシの声が混ざって聞こえてきて、
確実に季節が移り変わっているのを感じます。

今夜あたり、わたしにも招待状と紙の帽子が届くかも・・・

かえるから、ルーシーに届いたパーティの招待状と紙の帽子。
これはひとたびかぶれば、フィー!
木の葉ほどに小さくなる、魔法の帽子。

暗い影から走ってきたことりのタクシーに乗り、
だんなにおいてきぼりをくった、ねずみのおくさん
しゃくとりむし
昔、庭に置き忘れられた小さな日本人形を
みんな誘って、いざ、月明かりの庭のパーティ会場へ。
人形以外は、帽子をかぶっておめかしして、
暗闇の黒さと対照的な華やかさです。

誰の誕生パーティだったんでしょう
昔忘れられた人形と持ち主との再会劇は!?
2つのサプライズが、ちょっとうれしい
ハッピーエンドの真夏の夜の夢物語。

ハースの日本趣味は、絵の中でたっぷり味わえます。
人形のほかにも、毬、屏風絵、着物、和柄のクッションなど・・・
描きこまれた小物が、夜の暗闇とあいまって、より幻想的な
雰囲気を作り出している感じ。
絵本の中でずっと感じる風は、少し涼しい風に違いないけれど、
ずいぶん湿気を感じます。
ハースのスモーキーな絵のせいなのかな。

再会を喜んで歌う最後のページの2人のほうっとした顔を
見ていると、自分も、昔忘れてきた何かに、
再会できそうな気がします。
さて、、、忘れてきたもの・・・なんだろう。

ハースの絵本、大好きです!
夏の終わりに読みたいハースのもう一冊といえば、こちら(

           

明日お誕生日の友人たちへ・・・おめでとう♪の気持ちをこめて。
コメント (24)
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生きとし生けるもの

2007-08-24 | ドキドキ/五感を刺激する絵本
無駄のない線と、簡潔な文章で語られる、
生きとし生けるものへの静かなメッセージ。

生きとし生けるもの
M.B.ゴフスタイン 作 谷川俊太郎 訳 ジー・シー・プレス

グラシン紙に包まれたこの絵本の佇まいは、
繊細だけれども、ひとたびページをめくると
強く強く、訴えてくるものがあります。

この宇宙の中の星のひとつで生きるものとして、
”小さな砂の一粒”として、
すべての命あるものに、想いを馳せたい。

小さな絵本なのに、スケールが大きくて、
ゴフスタインっていつも本当に素晴らしい。

今月はじめ、ことり便で送ってもらった一冊です♪
小さなキャンドルは、マイバースデー用
ちゃっかり自分で購入してみました。
手作りのコースターとお茶パックのおまけつきで、
今月もうれしいことり便です。

今月の安房直子コレクション『まよいこんだ異界の世界』も、
ドキドキなお話が続いていて、夏の夜に
なかなかよい感じ。
「ハンカチの上の花畑」など、どきどきしすぎて、
目がさえてしまいます。
こちらも、ついに4巻目になりました。
コメント (14)
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少女ソフィアの夏

2007-08-20 | 読書雑記
ムーミン童話で有名なトーベ・ヤンソンの本。
この夏どうしても読んでみたかったものです。

 『少女ソフィアの夏』
トーベ・ヤンソン/作 小野寺百合子・訳 講談社

フィンランドの湾に浮かぶ多島群のひとつの小島で、
数か月を過ごすソフィアとおばあちゃんとソフィアの父。

この話にはモデルがあって、ソフィアはヤンソンの姪、
父親はヤンソンの弟ラルス、母はヤンソンの母(画家)だと
あとがきにあります。
ヤンソン自身が、親友と25年以上もの間、岩の小島で数か月間を
過ごした小屋は、雑誌クーネルの記事で、とても
印象深く残っています。
岩場の上に立つ小さな小屋。
ゆりいす、アラビアの食器、ろうそく、まき
交通手段となるボート、網・・・。(ku:nel2006,11月発売 記事は

トーベ・ヤンソンの身近な人々のエピソードが、このお話の
あちらこちらに織り交りまぜられていることに、すぐに
気づきます。

ソフィアは多感で、
「おせっかい屋」「おばあちゃんがきらい」と
おばあちゃんに対して、感情あわらにずばり・・・。
正直ドキッとさせられる一方で、おばあちゃんに対して
何気ない優しさも見せるのです。

「あたしは嵐になるといつも素直になるの」と
退屈まぎれに、神様に嵐をお願いし、実際嵐が来て
被害が予想されると、いたたまれず責任を感じて泣く。

迷信家だったひいおばあちゃんの話を聞いて、いろんな
不吉な偶然が重なると、パパの安否を気遣ってやっぱり泣く。

おばあちゃんとは常に対等な立場・同士で、
反発したり頼ったり、気遣ったりするソフィアの日常。
淡々と、だけどとびきり瑞々しく、時に生々しく・・・
(ミミズの話など)描かれます。

おばあちゃんの視線というのが、またとても素敵。
経験と想像力と理性と好奇心と素直さが絶妙にマッチした
実にほれぼれする大人だなぁと思います。
それでも、おばあちゃんはとても人間くさくて、
不機嫌になったり、子どもっぽくいたずらをしてみたり。
死を意識しながらも、いまの時間を生きるおばあちゃん。

入れ歯をシャクヤクの茂みに落として探しているところを
ソフィアに見つかって不機嫌になったあと、どうしても
はめるところを見たいというソフィアに、あっという間の
一瞬芸で見事にはめてしまう、おちゃめな人。

お隣の島に突如できた別荘を見に行き、「私有地、上陸を禁ず」の
看板を見て怒り、おどおどするソフィアを制して、
デモンストレーションを決行。
結果、持ち主に発見されるという失態に終わったり。

ソフィアとのヴェニスごっこ。ほら穴の探検。野性的な猫の話。
突然オランダから球根を取り寄せ、庭作りに燃え始めた父の話。
夏至祭のエピソード・・・。
章の一つ一つのエピソードが、海の波のようにきらめいていて
すっかり魅了されてしまいます。

最初の章の読み始め、難しそうな印象を受けたのは
文体に慣れるのに、少し時間がかかったからだと思うけれど、
読み進めるうちに、すっかり島の空気感に包まれていく
感覚がとても気持ちよかったです♪
ウミガラスの鳴き声や海の波、空の色、岩にはりつく海藻の
匂いを想像しては、ゆらゆらとボートの揺れ心地を感じて
いたりしたのでした。

おばあちゃんの言葉から。

 「あたしのいいたいのは、後ずさりする人には、
  物事は後ろへ向かってすべっていくということさ
  楽しかったことの意味はなくなるし、
  むなしさだけが残る。
  だまされたみたいじゃないかね」

 「神さまはきっと助けてくださるが、
  それは人間がまず 自分にきびしいときだ」

夏に読めて最高によかった。
本当に大好きな一冊になりました。

          

画像をはろうと思ったら、リンク先ではすべて渡部翠さん訳
講談社版になっています。

      『少女ソフィアの夏

 これはもちろん、渡部さん訳も読んでみなくては!
コメント (14)
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プークシネマ館

2007-08-06 | ケの日のこと
毎年のお楽しみ プーク人形劇場の夏の催し
今年も小さな劇場で、フランスとチェコのかわいい
アニメが観られます。



昨日8/5からはじまっていて、メニューは日替わり。
9日の最終日までchapi cahapo(シャピシャポ/
フランスのパペットアニメ/A,B,Cプログラム)と、
チェコアニメ(D.E.Fプログラム)が2つずつ
組まれています。

今日、明日は、昼・夜の2回公演。
今日の昼にコハと一緒に行ってきまぁす♪

絵本で知っているのは、『ふしぎな庭』シリーズ 広がる霧 と
『かばのティリーネック』のみ。

  『かばのティリーネック

トゥルンカの『ふしぎな庭』

あとのアニメも楽しみ、楽しみ・・・。

詳しくは、プーク人形劇場のHPにあります(→

***** 追記 ******

行ってきました。その感想を少し。
今日のプログラムは、ヨゼフ・パレチェクさんのアニメ6作と
トゥルンカの『ふしぎな庭』から1作
そして、フランスアニメのシャピシャポ2作でした。

けしのみ太郎(パンフの左○枠)の2作のうち、
“病気ってどうやってなおすの?”はかなりどきどき・・・。
寒気がして具合の悪いけしのみ太郎ちゃんを、じいさんったら
オーブンであたためようとするのですから。
ブラックだわ~と思いましたが、これですっかりあたたまって
けしのみ太郎ちゃんは、具合がよくなったのでした。

一番のお気に入り・・・わたしは『ふしぎな庭』の広がる霧
コハは、『カバのティリーネック』かな。
ちなみに、全編、字幕です。
夜のほうが混むのでしょうか、昼間はとても余裕がありました。

そして今、新宿で行列のできるドーナツとして有名な(しかも
1時間近くだそうですよ)
クリスピードリームドーナツが、帰り際に
一人ひとつもらえるサービス付き!
初めて食べましたが、これは、かなり甘さのあるドーナツなのね。
ひとついただくとずっしりきます。
断然揚げたてがオススメ! 生地もふわふわです。
揚げたてのものを、プークさんに届けてもらっているそうで、
その場でありがたーくいただいて帰ってきました。

コメント (9)
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しろいはうさぎ

2007-08-02 | 韓国/アジアの絵本
少し前に出た韓国絵本。
書店で見たとき雰囲気がよくて、じっくり手元で見てみたいと
思っていた1冊です。


クォン ユンドク 文・絵  チョン ミヘ 訳 福音館書店

 さよなら三角  またきて 四角
 四角はとうふ  とうふは 白い
 白いは うさぎ うさぎは はねる
 はねるは かえる かえるは 青い
 青いは やなぎ  やなぎは ゆれる
 ゆれるは ゆうれい ゆうれいは 消える
 消えるは 電気   電気は 光る
 光るは・・・・ オヤジの*****!

日本にも、こんなわらべうたがあるけれど、
韓国にも似たようなわらべうたがあるんですね。

こちらは、韓国・済州島(チェジュド)で唄い継がれてきた
わらべ唄をもとに作られた絵本。

唄の続き方は似ているけれど、空や海の大きな自然が
出てきたあとに、
”ふかいは かあさんの こころだね” で
終わるところが、とても好きです。
まだまだ頼りたいばかりで、頼られないかあさんではあるけれど・・・。

はじまりだってユニークで、一番はじめは”クモ”の巣から。
クモのことは”コミ”というのだそうで、
シリドンドン コミドンドン シリドンドン コミドンドンと
クモがぶ~らぶらしている様子が、目に浮かぶようです。

コミといえば。
先日、外出先でお昼を食べている間に、いきなり横殴りの
雨が降ってきて、あーあーと外を眺めていたら、建物の柱で、
ちょうどこの”コミ”が大変なことになっている最中でした。
巣は、雨と風とで半壊状態。
クモも上へ下へ右往左往していて、コハと思わず15分以上
見入ってしまった。
クモの動きって、案外早いんですね。
観察の成果あって、コハも”コミ”の様子は、
よくよくイメージできるみたいです。

絵本のはじまりに、コミの奮闘記を必ず語ってくれて、
そんな一途なところがまたおかしい・・・。

この絵本で気に入っているところのひとつに、
目があります。
片目が、顔の輪郭の外に描かれているのがとても独特で、
最初驚き、次第に愛着・・・。
女の子やうさぎの角ばった線も、バックの色の美しさに
馴染んでいるのが、不思議な感じです。
島の自然や生活が、絵から存分に伝わってきます。

そういえば、今NHKで放送中の「春のワルツ」の舞台
チョンサン島の雰囲気にも、なんとなく似ているかな~。
どこか懐かしく、質素だけど堅実な生活風景が
心をおだやかにさせてくれます。
コメント (8)
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