将棋の藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖との八冠=に豊島将之九段(33)が挑戦する第82期名人戦7番勝負が10日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開幕した。振り駒の結果、先手は藤井名人。後手の豊島九段が4手目に端歩を突くなど工夫の手順に持ち込み、定跡形ではない力戦になった。午後6時30分、定刻になってすぐ豊島九段が40手目を封じた。持ち時間9時間のうち封じ手までの消費は藤井名人が3時間49分、豊島九段は4時間19分。第1局は11日午前9時から指し継がれ、同日夕方ごろに決着の見込み。
午前中、豊島九段が18手目に交換した角を20手目に敵陣に金取りと打ち込んだ場面までは消費がわずか13分。研究の範囲内と思わせた。逆に消費が2時間を超えた藤井名人が、この金取りをかわす手を打つと、1局だけあった前例を離れ豊島九段の研究範囲外となったのか、22手目には昼食休憩を挟んで102分の大長考となった。お互いに馬をつくり、飛車も中段に浮いていて激しい展開も予想されたが、馬を取り合うと落ち着いた局面になり、決戦は本日2日目に持ち越された。
立会の青野照市九段が封を開いて「封じ手は7二銀です」と告げた。 名人戦は時間がゆったり流れ、勝敗の流れは3時以降になるはずです。
昼食は藤井聡太名人(21)が冷たい天ぷらそばと冷たい椿茶。豊島将之九段(33)は、「うな菊 あいのせ重」