『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

第9期叡王戦五番勝負第1局4月7日、前人未到の将棋8大タイトルを独占する藤井聡太八冠。

2024-04-06 04:50:02 | 日記
第9期叡王戦五番勝負第1局が始まり、藤井叡王は約1時間10分考えて、▲2二歩と攻めました。勝負の分かれ目になりそうな気配です。
藤井聡太叡王、伊藤匠七段が昼食に注文した「名物ぽんきし膳-きしめんすっぽんスープ仕立て」 


現在、およそ170人の現役棋士が全員、タイトルを目指して毎日しのぎを削っています。多くの棋士にとってまず、タイトル戦に「挑戦」することが大きな壁です。タイトル戦に挑戦するということは、タイトルホルダー以外の全員を倒したということなんです。そして挑戦権を獲得したら、やっとタイトル戦です。
将棋連盟ができてこれまで340人の棋士がいました。その中でタイトルに挑戦したことがある棋士は78人です。つまり23%の棋士しかタイトル戦を経験したことがないということです。そしてタイトルを獲得したのは45人。たった13%です。
 ただでさえなるのが難しい棋士という職業の中の13%しか獲ることができないタイトル。どれだけすごいことかわかりますか? 
藤井聡太さんは8種類全部獲ったんです。前人未到の史上初です。
初タイトル挑戦は2019〜2020年に行われた第91期棋聖戦。藤井聡太さんが17歳の時です。当時三冠の渡辺明棋聖(三冠だって相当すごいです。今までに10人しかいません)に挑戦し、3勝1敗で奪取します。
そこから王位戦、叡王戦、竜王戦、王将戦、棋王戦、名人戦、王座戦と一度も失陥することなく、21歳の時に八冠を達成しました。初タイトルから3年間、8回の奪取と10回の防衛。負けなしです。
ちなみにまだ7つしかタイトルがなかった頃に羽生善治九段が達成した七冠ですが、その七冠保持期間は167日でした。羽生善治九段ですら全冠制覇していた時期はおよそ半年だけだったんです。藤井八冠はどれだけ続くのか楽しみです。
◆軌跡の全てが最年少記録
四段昇段(プロ入り) 14歳2ヶ月
初勝利 14歳5ヶ月
通算50勝 15歳4ヶ月
全棋士参加棋戦優勝 15歳6ヶ月
六段昇段 15歳6ヶ月
七段昇段 15歳9ヶ月
通算100勝 16歳4ヶ月
タイトル挑戦 17歳10ヶ月20日
タイトル獲得 17歳11ヶ月
八段昇段 18歳1ヶ月
二冠達成 18歳1ヶ月
通算200勝 18歳4ヶ月
タイトル防衛 18歳11ヶ月
九段昇段 18歳11ヶ月
三冠達成 19歳1ヶ月
四冠達成 19歳3ヶ月
五冠達成 19歳7ヶ月
タイトル10期獲得 20歳1ヶ月
通算300勝 20歳5ヶ月
六冠達成 20歳8ヶ月
七冠達成 20歳10ヶ月
八冠達成 21歳2ヶ月
タイトル20期獲得 21歳6ヶ月
これらが全部最年少です。目立ったものを時系列順に書きましたが、実は他にもたくさんあります。JT杯、銀河戦、新人王戦などタイトル戦でない棋戦も最年少で獲得してます。
特に最年少タイトル挑戦の17歳10ヶ月20日はすごい記録です。屋敷九段の記録を4日更新したことになります。
2位の屋敷伸之九段がそれまで持っていた記録は17歳10ヶ月24日。当時、この記録はもう破られないだろうと言われていました。
3位の羽生善治九段が1年以上離れた19歳0ヶ月22日です。
藤井八冠の最年少記録の裏には。
◆藤井聡太は高校3年の3学期に高校を辞めている
 詰将棋選手権で初優勝をした頃、藤井少年は中高一貫校への進学が決まっていました。それは高校受験が将棋の邪魔にならないように、いや、高校卒業まではしてほしい、というご両親の思いもあったのかもしれません。
しかし、実際は中学2年生で棋士になり、高校3年生の時にはタイトルを獲得しました。予想以上のスピードで学業どころではない状況になっていったのです。
住まいの愛知県から、対局は東京か大阪へ。さらにタイトル戦となると全国を飛び回ります。対局だけではなくイベント、研究、移動、休息。棋士として費やさなければいけない時間はたくさんあります。そうなると、学校にいけない日が増えてくるんですね。
そして高校3年生の3学期。藤井聡太二冠(当時)は自主退学という形で高校を中退します。
自主退学についてのインタビューで、当時の藤井さんはこう答えています。
「高校では棋士だけでは経験できないことがいろいろとありました。だから卒業自体にこだわる必要はないのかなと思っています」
棋士という生き方を決めた人生に、高卒の資格は必要ないことをわかった上で、高校生活という経験はするべきだと考え、それができたのだから十分だと、そう言ってるんですね。
その後に一言、「心残りはありません」
コメント
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