『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

早慶W合格で早大へ!早稲田大躍進 慶應との差「大学改革」の姿勢、受験生が支持

2021-12-11 14:41:41 | 日記
早稲田大学と慶應義塾大学との序列争うが熾烈です。しかし、忘れてならないのは優秀な進学者はどちらも東京大学を落
ちた受験生だという事実です。どちらにしても受け皿、東京大学受験者に有利な試験科目を取り入れた方が有利です。


早稲田大学と慶應義塾大学、受験生に選ばれるのはどちらか。平成で優勢だった慶應に対し、今年は早稲田が巻き返した。
勝敗のポイントは、大学の「改革」の姿勢だ。 「周りには早稲田に落ちた慶應生が多いので、少しもったいなかったと思
うときがあります」  早稲田大学と慶應義塾大学の文学部にダブル合格し、慶應を選んだ1年生の男性は言う。 「早稲田
は学生数が多いので、雑多なイメージでした。そこで、落ち着いていそうな慶應に進みました。でも、入学してみたら、ど
ちらの学生もそれほど違いはないように感じました。慶應に進んだことを後悔してはいませんが、偏差値は早稲田のほうが
高いですし」  ライバルの慶應に苦戦してきた早稲田が巻き返しているのか。  ここに一つのデータがある。私学両ト
ップに合格したら、どちらに進学するのか。予備校大手の東進ハイスクールが、早慶の文学部同士や文学部と文化構想学
部といった同じ系統の学部にダブル合格した東進生の進路を分析すると、意外な結果が出てきた。
 ■早稲田「初」の勝ち越し 「今年初めて、早稲田が6勝3敗で勝ち越しました」  東進を運営するナガセ広報部長の市
村秀二さんは言う。  直近の2021年は、早稲田・政治経済(政経)など六つの学部系統で早稲田を選ぶ比率が高かった。
東進が調査を始めた18年、比率が高かったのは早稲田1学部、慶應8学部。20年までの3年間は慶應が優位に立っていた。 
 なかでも早稲田・政経の躍進が目覚ましい。21年、慶應・法とダブル合格した東進生の71.4%が、早稲田・政経を選
んだ。18年は慶應・法を選んだのが71.4%。たった3年で正反対の結果となったのだ。  この背景にあるのが、早稲田の
入試改革だという。特に、政経が大学入学共通テストの数学受験を必須としたことだ。数学を敬遠してか21年の志願者数
は前年比2212人減の5669人となった。だが、河合塾の調べによると、成績の芳しくない層は離れたものの政経の合格者
の水準は例年どおり高かった。 「今年は英語と国語の総合問題に加えて共通テストが導入されました。国公立志望者も
受けやすくなり、東大との併願者が増えました。早稲田としては欲しい学生が集まったのでは」(市村さん) さらに、政
経の定員は450人から300人に減った。より狭き門となったことも合格水準の維持につながったのだろう。 ただ、学部を
問わず受験生全体で見ると、早慶をダブル合格した場合の進学先は慶應64.9%、早稲田35.1%と、依然として慶應が
優位に立つ。市村さんはこう説明する。 「早稲田は学部間のレベルの幅が広いため、慶應を本命として、早稲田の合格し
やすい別系統の学部を併願する人も多い。結果的に大学全体で見ると、慶應を選ぶ人が多いのでは」  とはいえ、近年の
早稲田の改革が注目されているのは間違いない。14年政経の学生が使う新校舎が完成した。吹き抜けを突き抜けるエス
カレーターは都心のオフィスビルのように洗練されている。かつてのバンカラ、田舎くさい印象はない。  早稲田・政
経にも合格していた慶應・経済3年の男性(22)はこう語る。 「早稲田だから服装や身のこなしがダサいとか、慶應だか
らお金持ちだとかあまりそういう傾向はないです」 この男性はむしろ早稲田の躍進ぶりを認めている。 「早稲田は英語
の授業に力を入れていますし、グローバルな改革をしているところはさすがです。新型コロナウイルス対応も早稲田の動
きは速かった。私が受験したときは、高校の同級生も慶應を選ぶ人が多かったので、変わったものです」 
 市村さんは言う。 「ダブル合格データはあくまで一部の受験生の結果ですが早稲田の好調ぶりは明らかで、その動き
は今年だけにとどまらないと思います。早稲田は近年、積極的に改革を進めてきました。その成果がようやくでてきた。
これまでの慶應圧勝の状況に早稲田が待ったをかけ、早慶対決が新たなフェーズに入ってきたのではないでしょうか」 
■司法試験で慶應が逆転  大学通信の安田賢治常務取締役は、こう振り返る。「昭和は早稲田、平成は慶應の時代でした」
  昭和のころ、早稲田は学部によっては東大の偏差値と同等だった。「第1志望が早稲田、第2志望が東大」という受
験生もいた。それが、平成になると慶應に流れが変わった。何があったのか。慶應は1990年、湘南藤沢キャンパス(SFC)
を開設し、幅広く学べる学際系の学部を設置した。国内で初めてAO入試(現・総合型)も導入した。  また、04年
の法科大学院の開設以降は、司法試験の合格者数で早稲田を逆転した。慶應が国内大学で最多の合格者数を誇る年もある。 
 東進のダブル合格のデータを見ると、今年、慶應に進んだ比率が圧倒的に高かったのは法学部だ。早慶の両法学部に合
格した場合、84・0%が慶應を選ぶ。安田さんはこう説明する。 「昭和のころは『慶應で最も入りやすい』なんて言われま
したが、今は違います。司法試験の合格者が増えたことも手伝って看板の経済学部と並ぶ偏差値になりました。内部進学者
や一般選抜以外の合格者が多くて、一般入試の枠が少ないこともあります」 
■進む「関東ローカル化」  一方、河合塾・教育研究開発本部主席研究員の近藤治さんはこう指摘する。 「そうした改革
の積み重ねで、慶應のブランドイメージが向上しました。かつては慶應のほうが改革に熱心に取り組んでいたんです。
ただ、最近はあまり聞こえてこない印象です」  この法学部でも早稲田に流れは変わり、受験生全体に波及するのだろうか。
  今、早慶とも改革は欠かせない。少子化で学生数が減少し大学経営が厳しくなることが予想されているからだ。近藤さ
んはこう話す。 「全国の優秀な学生を獲得して大学のレベルを保ちたいという思惑があるでしょう」  早稲田は全国各
地の学生が集まり、慶應は首都圏からが多いイメージがあるかもしれない。だが、実は早慶の地方出身者の比率はそれほど
変わらない。合格者の高校所在地のデータを見ると、00年の慶應合格者のうち関東出身者は63.4%で、01年の早稲田の62
.0%と拮抗している。21年も慶應が78.2%、早稲田は79.93%と両校とも同じように「関東ローカル化」が進んでいる。全
国の優れた学生をどう引きつけるのか、早慶の次の手が見逃せない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする