北朝鮮の金正恩氏は「北朝鮮の非核化」ではなく、「朝鮮半島の非核化」を「段階的に」ゆっくり時間をかけて進めて、段階ごとに米国、日韓、中国などから制裁解除かを引き出す従来のやり方を世襲するでしょう。そこで、問題なのは日本人拉致問題。解決できなければ、制裁解除が行われないとすれば現体制では無理でしょう。❝核兵器の放棄、拉致被害者の帰国❞制裁解除を天秤にかけ、夏に向け再び朝鮮半島は緊迫化する様相です。
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安倍晋三首相とトランプ氏は、日米両国がかねてから合意してきた、北朝鮮に「核・弾道ミサイルの、完全な検証可能、不可逆的な廃棄を求める」ことを再確認した。さらに、トランプ氏は会談後の共同記者会見で、拉致問題について「最善を尽くす」ことを力強く約束した。
だが、日本が拉致問題について、まったく無力であるのは情けない。 会談の首尾は、上々だったと思う。2日目は、貿易問題を取り上げた。
トランプ氏が強面(こわもて)をつくって、日本に譲歩を迫った。日本は重い宿題を背負わされたが、安倍首相はその場をはぐらかして、うまくさばいた。
両首脳の会談の冒頭で通訳を交えて55分間、差しで話した。通訳が半分の26分を費やすから、2人が同じ時間話したとすると、13分ずつになる。
安倍首相はその間に、一筋縄ではいかないトランプ氏と、呼吸を合わせることができた。歴代の首相のなかで、誰よりも外交経験を積んでいるだけでなく、天性の猛獣-いや、外国人使いだ。
もし、朝鮮半島が火を吐けば、日本で数千人、数万人の死者が生じよう。北朝鮮がすでに小型化した核弾頭を完成していれば、日本が再び被爆国となる可能性がある。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、核兵器を手放すことは、絶対にあり得ない。
仮に、米朝首脳会談が実現して不調に終わるか、北朝鮮が非核化に応じることがないと判断して、首脳会談が行われなかった場合に、トランプ政権が北朝鮮に軍事攻撃を加えることになるのだろうか?
正恩氏は「北朝鮮の非核化」ではなく、「朝鮮半島の非核化」を「段階的に」ゆっくり時間をかけて進めて、段階ごとに米国、日韓から、ご褒美をせしめようとしているが、米国はその手に乗らない。そうなると、これからどうなるだろうか。加瀬英明氏