絹糸のしらべ

一絃の琴、きもの、文学etc…日本人のDNAが目を覚ます・・・

祖母の着物

2006年02月01日 23時04分38秒 | きもの
もう、ずいぶん前、わたしがまだ小さかった頃
母方の祖母はなくなっている。
祖母といっても、うちの母を生んだのが40過ぎで
わたしからしたら、曾祖母くらいの年齢だ。

その祖母の着物が、わたしの手元にある。
米沢紬と言っていた。
当時、警察署長をしていた祖父が誂えてくれた物で
大変気に入って、大切にしていたものらしい。
母の話から計算すると、明治20年頃のものである。
非常に軽く、柔らかく、着ている感じがしない。
しかし、もう繊維自体が弱っていて、
よそへは着ていけないだろう。
こげ茶に黒の細い縞が、ほとんど無地に近い感じで
入っているものだ。

いろいろと祖母のことを語る母は、
とても懐かしそうである。
先代から80年以上続けてきた酒屋を
この1月末で閉じたのだが、
「もう50年も商売がんばったんだから、
ご先祖さんも許してくれるでしょ。」といっている。

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