採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

竹ザル

2018-01-16 | +食べるもの以外

 

竹ザル

干し物用ザル、我が家では一年中よく使っています。
干し柿干し芋を干したり、洗った後の桑の実や梅、ヤマモモを乾かしたり。

ホームセンターで2000円前後で買うことができますが、作りがラフで、結構壊れやすかったりします。

しっかり丁寧に作られたものが欲しいなあ・・・。
そう思い始めたのは3年くらい前。

機能(スペック)は、ホームセンターのと同じがよいです。使い慣れているし。
 ・底は平たい竹で編んである(丸いヒゴだと干し芋に食い込む)
 ・ザルの底が平らで、しならないように、また食材が台に触れないように二重になっている。(まーるくしなると干し柿が中央に転がってしまう)
 ・ヘリの高さは4cmくらい。(干し芋などを立てかけて干すため)
 ・5mm角くらいのメッシュ構造になっている。
 ・ものを載せる側は、ツルツルした竹の皮側ではない方がいい(ツルツルの皮側のものを使ったことがあるが、水分を吸収しにくいせいか、カビが来たことがあった)


ネットで竹細工関係を検索しても、このような、底が平らで、側面が垂直に立ち上がっている形状のザルは、意外となくて、底がなだらかに丸いものが多いです(ホームセンターのは、もともと日本のデザインではないのかも?)

竹細工の職人さんに頼もうか?とも思って、熊本の伝統工芸館の連絡先を控えておいたのですが、いざ連絡してみたら、
「竹の職人さんは先日亡くなってしまって・・」
ですって。ショック・・。

いろいろなところで竹細工店を見かけるたびに、吸い寄せられるようにしてよく見てきましたが、既存の商品は希望より小さいです。大きくなると、値段が高くなってしまい、そうすると、ホームセンターのものと太刀打ちできなくなってしまうからかなあ。

佐賀産竹ザル

たとえば上野公園のフェアで見かけたもの。底が平らで、ヘリが高くなっている好みの形状ですが、ちょっと小さめ・・。あと、皮が上になってます。
佐賀県武雄市の栗山商店というところの品物です。たらし もしくは 水切り というそうで、干し物用ではないようです。
こちらのお店に、梅干用のザルについて問い合わせてみましたが、高齢の職人さんが怪我をしてしまったとのこと。あらら・・・。

モミトオシ

こちらはモミトオシというザル(直径55cm)。鹿児島のものだそうです。(写真はこちらからお借りしました)
通しというのはフルイ、という意味で、もともとはモミをふるうためのザルのようです。
フルイなので、メッシュ部分にはなるべく竹の節がこないようになっており、また表側がツルツルした竹の皮になっています。

補強のための六つ目編みが組み合わさっているタイプもあるようで、理想かも!?これは水俣の比較的若い職人さん(井上克彦さん?)のもので、なんとか注文するすべはないかと思ったのですが、もうすでに手一杯のようで、メールアドレスなども今は公開していらっしゃらないですし、あきらめました(水俣に行く機会があれば別ですが・・)。(暮らしと密着していた竹細工と、それをつくる名もなき職人さん達への愛惜の情に満ちたこの方のHPは、とても読み応えがあります。おすすめです)

竹ザル竹ザル
竹ザル竹ザル

熊本県伝統工芸館に紹介して頂いて、熊本の籠商山満さんともやりとりさせていただきました。
網代二重バラ、ゴザ目バラ、四つ目通しなどの在庫のザルを紹介して頂きました。
四つ目通しが希望に近いけれど、できれば実物を見て買いたいなあ・・。


竹細工関連で検索しまくって、竹藝家の中臣一さんのブログで、ご友人の作という目当ての竹ザルに近いものを発見!
ご迷惑だなあと思いつつ問い合わせてみたところ、大分県別府市に住む遠藤元さんという若い作家さんのものだと教えていただきました。ただこの方は、外部とあまり接触しない、仙人のような暮らしをされているそうなので、メール等でのコンタクトはあきらめました・・・。

竹細工をされる方は(かつてに比べて)本当に少なくなっているようです。
芸術品分野は多くはないものの一定数いらっしゃるようですが、道具を作る職人さんは、高齢化でどんどん減る一方。
大分に大分県立竹工芸訓練センターという学校があるようですが、卒業生は一年に10名程度。竹のお仕事を始めるとしても、それなりの値段で売れる工芸品、ファッショングッズ、インテリア用品方面に行くひとのほうが多いだろうなあ・・・。
熊本伝統工芸館にも、目のくらむような技法・造形の作品がいくつも展示してありました。そういったケレン味のある工芸品もいいけれど、私としては、日常的に暮らしの中で使われる道具に親しみを覚えます。
(でも、どういった分野でもいいので、竹細工が生き延びてほしいです)

もともと竹細工職人さんは大変ローカルに活動するようで(昔は村から村へ、各地で何泊かしながら渡り歩く方もいらっしゃったそうです)、ネット上に情報は少なく、問い合わせ先を捜すところから大変です。
せっかくなので、かろうじて検索できた名前を書いておきます。(芸術系、道具系両方混ざってます)

 桐山浩実さん(大分。籠など)
 勢司恵美さん(茨城。籠バッグなど)問い合わせてみましたが、レパートリーでないざるはだめでした。
 笑竹堂さん(三原啓資さんご夫妻。大分。大物青竹細工・道具)
 小川鉄平さん(宮崎県日之影町。青物)日之影が生んだ竹細工の名匠廣島一夫さんと飯干五男さんに師事された職人さんのようです
 ネット販売をしている数少ないお店は、「竹虎」。本社は高知県。
 「コノムラ竹かご店」さんは、京都の竹かご屋さん。女性作家さんです。百万遍の手作り市に出店されているようです。
 「藤倉商店」成田山参道にある竹細工等のお店。ネットショップがあります。
      一度、台湾のお友達を連れて成田山に行った折、実店舗にも伺いましたが、梅干ザルはありませんでした。
 「Jギャラリー」(茨城県笠間市のショップ)竹細工教室があります。希望のものを教えて頂けるようです。
     作ってみたい気持ちはすごくあるのですが、定期的に通う、というのがかなり苦手で、迷います。

前にやはり竹細工について記事にした折、栃木県大田原市の「竹姫」さんからコメントいただきました。教室に入門して、自分の作りたいものを教えてもらうことができるそうです(キットも販売して下さるようですが、まったくの初心者にはちょっと難しそう)。とっても興味があるけれど、大田原はちょっと遠い・・・。注文製作も受け付けてくださるようなので、お願いしてしまおうかなあ、と思っていたところでしたが、一昨年、鳥取にリフォームに通うようになって、竹細工のお店があったことを思い出しました。
ネットを通じてよりも、直接お話してお願いするほうがいいです。
リフォームの記念にもなるし。

ということで、2016年の夏頃にお店にお伺いしてお願いしてみました。
仁人(じんじん)竹工房というところです。

本来は美術装飾的な、工芸品的なものがご専門のようで、大物の生活道具を頼まれてちょっと困っていらっしゃいましたが、見本のホームセンターの竹ザルを見せて、なんとか引き受けていただきました。
リフォームの終わる3月末頃に受け取れれば、と思っていましたが、出来上がったのはもう少し後。
工事が終わってしまうと、なかなか鳥取に行く機会もなかったのですが、先日ようやく再訪できました。

「丁寧に作りすぎて工芸品みたいになってしまって・・。値段が折り合わなければ買わなくてもいいですよ」
とのことでしたが、せっかく作って頂いたので、連れて帰ってきました。
本当に、工芸品みたいに美しいので、紹介させて下さい。

竹ザル

上からみたところ。

竹ザル

裏から見たところ。
裏返して、ちょっとしたテーブル的な使い方をしてもよさそうです。

竹ザル

側面はかなり高くなっています。

竹ザル

亀甲編み(鉄線編み)がはめこまれています。
この編み方は、六つ目編みに似ているけれど、こちらの方が目が詰まって頑丈なのだそう。
「このざるの一番のポイントは側面だと思っています。(それが工芸品的になってしまった原因ですが)」とのコメントでした。

竹ザル

底面の円盤をまず作り、そこに側面を立ち上げる(固定する?)、という仕組みだそうです。
お弟子さんも似たものにチャレンジしたそうなのですが、側面を立ち上げるところが難しくて、中断中なのだとか。

竹ザル

細いものををねじねじを巻いてあります。これを巻きつけるだけで何時間もかかってしまったとのこと。
こ、こんな大変な作業をお願いしたつもりはなかったのですが・・・・。恐縮至極です。

竹ザル

右がホームセンターのもの。
左が今回作って頂いた作品。

竹ザル

今回のもののほうがちょっと背が高めです。

竹ザル

2枚は丁度重ねてしまえるサイズです。
(このサイズでお願いしたので)


片付けも行き届かないガサガサした暮らしなので、飾るための装飾品や雑貨はもう買う予定はないのですが、道具ならば持っていても困りません。
これからいろいろ干して楽しもうと思っています。

齋江さん、ありがとうございました!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« えごまもち | トップ | 花咲かりん(カノム・ドーク... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

+食べるもの以外」カテゴリの最新記事