先日、ダンナサマのお客さんと一緒に、近所の和食屋さんに行ってきました。
歩いて行けて、しかも美味しいので愛用しているお店。
穴子の稚魚ってことは、養殖するためにつかまえるウナギの稚魚(シラスウナギ)もこんな感じかな?と調べてみると、この段階の稚魚は全然別物で、シラスウナギの前段階ということが分かりました。
透明で柳の葉のようなこういった幼生は、レプトケファルス(葉形仔魚)というそうです。
(初めて聞いた言葉!古代生物の名前のようで、「のれそれ」よりカッコイイよね?)
ウナギ目(ウナギ亜目ウナギ科、ウツボ亜目ウツボ科、穴子亜目ハモ科、アナゴ科など)は共通してレプトケファルスを経て成長します。
そしてレプトケファルスは、ある程度の大きさになった後、変態するのです。
(ウナギの場合、250日齢のレプトケファルスが20日間かけて変態し、270日齢でシラスウナギに)
変態!? 魚類が!??
と思いましたが、ある個体の連続写真を見ると、ひらりん、と薄べったく幅のある形状が、ドジョウのような円筒形の形状に縮んでおり、まさに変態です。
体内組成も大幅に変化しているのだとか。
変態期間中はエサも食べないそうです。
(うう、つらそう・・・。途中で死んじゃうレプトケファルスもいるんだろうな・・・。)
ウナギの養殖は、沿岸でシラスウナギをつかまえて、それを育てるという手法です。
卵~レプトケファルス期の幼生飼育は、謎も多く非常に難しかったのですが、完全養殖を目指す過程で、このレプトケファルスの生態も徐々に解明されてきているようです。
例えばエサ。
レプトケファルスの口は小さい上に、歯は外を向いています。
動物プランクトンをやっても食べないので食性は不明だったのですが、どうやらマリンスノー(タンパク質のかけら的なもの)を食べているとか。
人工飼育する上では、卵黄やエビの擂り身、プランクトンの糞などをやるということがようやく分かってきました。
育てる水温で性別が決まってしまって、雄しか育たなかったりするという問題も。
自然条件では、まるで沸くように存在していたからといって、人間が育てるのは難しいのですね。
毎夏、ウナギの高騰がニュースになります。
安価に、卵から養殖出来るようになるといいものです。
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■参考情報
(1)wiki レプトケファルス
(2)レプトケファルスからシラスウナギへの変態 (写真あり) 水産総合研究センター
「世界で初めてシラスウナギの人工生産に成功」という報道発表資料。
食に関することだからか、沢山調べましたねー。
因みに、ヒラメやカレイも変態します
(体系や鰭が変化し、目が背側に移動)。
魚類より下等な海洋生物ですと変態は一般的みたいです。
幼生の名前で印象に残っているのは、アウリクラリア(ナマコ)、ビピンナリア(ヒトデ)、ベリンジャー(貝類)。
そういう稚魚が変態してああなるのですね。
目が移動するなんて・・・レプトケファルスが激痩せするのより更に辛そうです。
幼生の名前ってカッコイイのですね。ベリンジャーだけ何だか普通ですがなんでだろう・・。(後で調べてみなくては)