採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

台湾のざぼん各種

2015-02-23 | +フルーツ

台湾旅行で、「西施柑」というざぼんの仲間の柑橘をみかけました。
初めて見たものです。
これまで台湾で見たことがあったのは、文旦(麻豆文旦)と、白柚。
文旦は、日本の文旦と似たサイズではありますが、形状は異なり、てっぺんがかなりとんがっています。
白柚は、日本の晩白柚を超えるくらいの巨大な物体。
店頭に並んでいると、ものすごいインパクトです。
どちらもタイミングを逸して、一度も生を買って食べたことはありませんでした。
(白柚はジュースを試したことはあります。美味しかった~☆)

柑橘大好き、特に文旦マニアの私にとっては大変くやしい状態。
更に、未知の柑橘「西施柑」なんてものもあるなんて。
そんな。

渇望に駆られて台湾の文旦類について調べてみると、3種類どころではなく、もっと沢山の種類があることが分かりました。
 

台湾文旦

こんなに!!!!
真ん中の琯溪蜜柚なんて、晩白柚より白柚より更に大きいです。
どうなっちゃってるの。


各品種を解説したページがありましたので、分かる部分のみ訳してみました。
(間違いにお気づきの場合は教えてください
サイズが小さい順に並べてあります。
(大きさ比べができるように写真のサイズを変えてみました)


収穫期は品種により9月~12月。
10月、11月が比較的複数の品種が出揃うようです。
いつか文旦三昧の旅を・・・。

ていうか、まずは日本の文旦を取り寄せてしまおう。ぶんたん~。

 

白金柚

白金柚 オロブランコ スウィーティー
沿革:アメリカから導入。英名Oroblanco。カリフォルニア州立大学のR.K. Soost と J.W. Cameron博士が、無酸文旦とグレープフルーツを交雑して育成。台湾では今のところ嘉義県竹崎鄉、台南県白河鎮などの地域で栽培。

品種特性:樹高は中程度、樹勢は強く枝葉は比較的潰瘍病にかかりやすい。
果形は扁球形。果實は小さめで、直径7.8~12.cm、果高9.6~14.0cm、果重370~790g前後。
開花期3~4月,成熟期11~12月。皮はやや厚く、果色は黃色、果肉は白色で柔軟、果汁率はやや低い。糖度8~10度、酸度0.8~0.9%。種なし。

麻豆文旦

麻豆文旦
沿革:1701年、福建漳州から導入。1717年『諸羅縣誌』に文旦の記載がある。,1788年頃には台南県安定鄉で栽培。1850年頃に台南県麻豆鎮に苗が持ち込まれ、その後麻豆の名産となり、「麻豆文旦」の名で知られるようになった。

品種特性:果形は円錐形あるいは洋梨形。直径は10.0~12.8cm、果高は11.0~13.8㎝、果重400~900g前後。
果皮は淡黃色。アルベド層は白色ないし淡いピンク。果肉は柔軟多汁、淡黃白色または淡いピンク。
花期3~4月、成熟期9月上旬。種子は無い、或いは少ない。
平均糖度(可溶解固形物)11度(°Brix),酸度0.45%。
底部が広がって上が尖った形状のものが品質がよい。

蜜柚

蜜柚
沿革:中國の華南地域から導入され、1931年雲林県西螺鎮に樹齢100年の母樹が確認されている。現在は台南県東山鄉(現台南市東山区)及び、南投県水里鄉などで栽培されている。 

品種特性:果実は短球形あるいは卵球形。直径11.8~13.8cm、果高は11.8~13.6cm、果重490~1,040g前後。
開花期3~4月、成熟期9月。果面は光滑、淡黃色から黃色になる。
アルベドはピンクで、果皮近くはより淡い色となる。果肉は紅く、果肉中心部は比較的色が薄い。
種子数は40~170粒前後に達する。
果汁糖度9~11度,酸度0.4~0.5%。風味がよい。

紅文旦

紅文旦
沿革:台南県麻豆鎮安業庄が原産。果皮の油胞は細かい。1938年には日本語で「赤文旦」、1951年には「紅文旦」と。樹齢100年を超す老樹が1本あり、栽培者は「紅文旦」と呼んでいる。。

品種特性:果実は短洋梨形。果頂はやや平たく、果梗部はすぼまる。
直径10.0~15.7cm、果高10.6~16.4cm、果重400~1,360g前後。
果皮は比較的薄く、0.8~1.8㎝。
花期3月。幼果が1~3cmの時、陽光面は暗紫色になるが成長で色は消え、色になる。成熟期は10月。成熟時の果皮は光滑で黃色あるいは淡黃色。果皮の油胞は細かく密である。果肉は鮮紅色で柔軟多汁。砂囊は全体が紅色。
果汁糖度8~10度,酸度0.38~0.55%,風味よい。
種子数は90粒程度。種なしの果実もある。

麻豆紅柚

麻豆紅柚
沿革:台南県麻豆鎮安業庄が原産。果皮の油胞が粗い。「麻豆紅柚」あるいは「紅文旦」と呼ばれた。油胞が細かい「紅文旦」と呼称が混乱していることがある。麻豆鎮安業庄に樹齢41年の老樹が2本ある。
 
品種特性:果実は洋梨形で果頂部がやや出っ張っている。果肩は大きく,果梗部の果皮が隆起する。
直径11.8~15.1cm,果高12.6~20.0cm,果重800~1,320g前後。油胞が顯著に隆起し、ザラザラしている。
花期3~4月、果實成熟期10~11月。成熟果皮は黃から淡黃色に至る。貯藏後は濃黃色となる。アルベドはピンク色で、果肉は鮮紅色、柔軟多汁。砂囊の紅色は先端部がやや淡い色となる。
果汁糖度8~11度、酸度0.39~0.61%。酸味やや高く甘味も強い。
貯藏後の品質は(酸がぬけて)さらによくなる。結果性は良好で豐產。
種子数は135粒に達する。種なしの果実もある。

盤谷文旦

盤谷文旦 バンコク文旦
沿革:1926年、農業試驗所嘉義分所に原産地であるタイのバンコクから導入されたという。また台北帝國大學の田中博士,高雄農業試驗場の鳥居技師等に導入されたという説もある。現在は彰化県田中鎮および南投県水里鄉で栽培されている。

品種特性:果実は扁球形あるいは短球形。直径13.5~15.0cm、果高12.0~13.5cm、果重980~1,230g前後。
開花期3~4月,成熟期10~11月。果皮は淡黃色で光滑、油胞は無色。
果肉は淡灰白黃色,砂囊は細長く,角柱狀、揃った配置で、囊皮は厚く、白色半透明。
原產のタイでは種なし。台湾での栽培では通常100粒以上。
果汁糖度9~10度,酸度0.4~0.5%,風味優良。

樟柚

樟柚
沿革:1927年、日本人の島田彌市技師が「樟柚は台灣の交雑実生品種ではないか」と記載している。現在では麻豆鎮安業庄で栽培されている。
 
品種特性:樹勢は中程度。果形は長球形或いは卵球形。果頂は丸い。
直径15.0~16.8cm、果高16.0~17.8cm、果重1,140~1,570g前後。
開花期3~4月,成熟期10~11月。果皮は黃色、アルベドはピンク色で果肉は紅色。柔らかく品質がよい。
種子数は80~110粒前後に達する。
果汁糖度9~10度,酸度0.4~0.5%。

西施柚

西施柚
沿革:1985年頃にタイから導入。台湾南部の平地での栽培に適し、高雄県燕巢鄉(現高雄市燕巣区)で栽培されている。 (西施というのは中国四大美人の一人なのでそれにちなんで名付けられているのだと思います)

品種特性:果実は扁球形。直径は14.6~17.5cm、果高12.2~15.9cm、果重800~1,200g前後。
開花期2~3月、成熟期10~11月。
果面は光滑、淡黃色。アルベド層はピンク色。果肉も淡いピンク~ピンク色。
じょうのうは14~19房、砂囊の表面は光沢がある。
種子數90~150粒前後。
果汁糖度10~15度、酸度0.4~0.6%。甘味強。

泰國蜜柚

泰國蜜柚
沿革:1985年頃にタイから導入。台湾南部の平地での栽培に適し、高雄県燕巢鄉(現高雄市燕巣区)で栽培されている。
 
品種特性:果実は短球形或いは球形。直径15.2~17.5cm、果高は14.3~15.4cm、果重1,330~1,940g前後。
開花期2~3月,成熟期10~11月。
果面は光滑、淡黃色。アルベド層は白色。果肉も果肉白色。
じょうのうは14~18房。砂囊の表面には光沢がある。
種子数60~110粒前後に達する。
果汁糖度9~12度,酸度0.4~0.5%,甘味強。

麻豆白柚

麻豆白柚
沿革:1826年,台南県麻豆鎮麻口里,陳丁通氏が偶発実生変異の白柚の苗を植え、1904年にこの苗を(接ぎ木で?)分け、その後麻豆の名產となった。1927年から「麻豆白柚」と呼ばれる。

品種特性:果形は扁球形或いは短球形。果頂は平ら、果基は丸い。
直径14.0~19.6cm、果高12.7~16.3cm、果重1,000~2,400g。
皮は淡黃色。貯藏後は濃黃色。皮は平滑。果肉は白色で柔軟多汁。
果汁糖度9~13度,酸度0.5~0.7%。風味佳。
種子数は13~147粒、時に種なしのものもある。
花期3~4月,成熟期10下旬至11月。

斗柚

斗柚
沿革:中國の華南より導入された。1924年の記載には、主要產地として西螺、新埔、竹東とある。現在は新竹県新埔鎮でもっとも多く栽培されている。

品種特性:斗柚は別名烏葉柚ともいう(葉っぱが黒い?)。果実は卵球形或いは長球形。直径16.8~18.6cm、果高為17.0~18.6cm、果重1,720~2,200g前後。
花期3~4月,成熟期11~12月。
果皮はやや粗く、黃色。アルベド層はピンク色。果肉は濃い紅色。
果汁はやや少。果汁糖度9~10度,酸度0.3~0.5%。
種子數77~125粒前後。甘味強。
適期に収穫し貯蔵後、風味がよくなる。

汶萊紅柚

汶萊紅柚 ブルネイ紅柚
沿革:1990年にブルネイより導入された。果肉が紅いので「ブルネイ紅柚」と名付けられた。現在は雲林県林內鄉で栽培されている。 (ブルネイはボルネオ島北岸にありマレーシアに囲まれた小さな国)

品種特性:樹勢は強健、豐產で果実は大きくなる。果形は倒卵形、果頂は平ら。
直径15.5~20.0cm、果高16.0~19.8cm、果重1,500~2,400g前後。
開花期3~4月、成熟期10~11月。
果皮黃色、皮厚1.3~2.0cm、アルベド層はピンク色、果肉は紅色で柔軟多汁。
種子数は80~110粒前後に達する。
果汁糖度9~10度,酸度0.4~0.5%。

晚白柚
晚白柚
沿革:1920年、士林園藝試驗分所の島田彌市技師がマレー半島のシンガポールより導入。果肉は白柚に似るがより晚生で、1926年に「晚白柚」と命名された。現在は台南県新化鎮(現台南市新化区)で栽培されている。
 
品種特性:晚白柚の果実は麻豆白柚より大きく、更に晚生である。果形は球形或いは短球形、果頂は豐円。
直径は17.5~20.5cm、果高15.5~18.5cm、果重1,560~2,480g前後。
開花期3~4月、成熟期12~1月。果皮は平滑、淡黃色、皮厚2~3cm。
アルベド層は白色。果肉は白色でやや青みを帯びる。
果肉は柔軟多汁で香気があり、甘酸適和で風味が強い。
種子数83~100粒前後に達する。
果汁糖度9~11度,酸度0.5~0.6%。
(日本だと2月中旬の今頃、店頭でみかけます) 
琯溪蜜柚

琯溪蜜柚
沿革:原産は福建省平和県。1974年に東南アジアから導入された。彰化県永靖鄉や嘉義県竹崎鄉で栽培されている。
 
品種特性:樹性は強健、葉は大きく厚く披針形(細長くやや先細り)。果実は最大で、短球形或いは円錐形、果頂は平たい。大果であり直径は22.0~24.0cm、果高20.0~22.0cm、果重3~4Kg。
開花期3~4月,成熟期10~11月。皮厚2~3cm。
果皮は淡黃色、油胞の香気濃厚。果肉は黃白色、砂曩の基部はうっすら赤みがかる。
果肉は柔らかくみずみずしく多汁、甘く芳香がある。
種子はない、或いは少ない。
果汁糖度9~12度,酸度0.4~0.5%。

参考リンク 琯溪蜜柚試食ブログ(『北京おいしい生活』) 


●収穫期

水果 / 月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
蜜柚                  ○      
文旦柚
(Shaddock、Pomelos)
                 ○      
紅文旦                    ○    
琯溪蜜柚
泰國蜜柚
                   ○  ○  
盤谷文旦
樟柚、西施柚
紅柚、汶萊紅柚
                   ○  ○  
白金柚(Oroblanco)
斗柚(Citrus-Tou Pomelos)
                     ○  ○
晚白柚  ○                    

  ○



■参考サイト
台灣柚類品種果實特性介紹

阿州水果行(果物屋さん) の 文旦のページ  

台湾農業委員会 柑橘館 

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