採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

手作りソーセージ

2023-02-22 | +肉・魚系保存食

1月下旬、わらび邸にて、手作りソーセージを作ってきました。
私とダンナサマは今回が初めてですが、ほかの3組(わらびさんご夫妻、Duckbillさんご夫妻、miyakoさん)は過去に何回も作ったことがあるベテラン。
慣れなくてオタオタでしたが、いくつかの作業はなんとかこなすことができました。

ソーセージって、ひき肉を腸に詰めるものですが、結構細かい手順が必要です。
今回は、イノシシ肉で3種、豚肉で4種類(各組1種類ずつ)、計7種ものソーセージを作って、かなりの作業量でした。
前日に肉の準備をして、朝から挽肉開始しても、それでも終わったのは夕方。
みんなヘトヘトでした。

手順をまず書いておきます。
そしてそれに続いて写真を。写真は、イノシシや豚のものが混ざっています。
生肉を触る作業が多く、自分の担当部分は写真が撮れなかったりしました。

■手作りソーセージ手順
●挽肉づくり
・大きい肉の場合、筋膜や腱のような固い部分を取り除く(ミンサーが詰まる)
 ミンサーに入る大きさに細長く切る。
 脂身の多い部分と赤身と、二つに分けておく。
・ミンサーの粗目でそれぞれ2回挽く。

●練り混ぜ・調味
・赤身と脂身、それぞれのひき肉に調味料、安定剤と雪氷を加えてよく混ぜる。
 (雪氷は、氷をフードプロセッサーにかけて作る)
 (肉がとても冷たく、この冷たさをキープしたいので、軍手+ゴム手袋がよさそう)
・脂身の方を、フードプロセッサーにかけてエマルジョン化する。
・両方のひき肉をよく混ぜる。ここでいくつかに分割して、それぞれお好みのハーブやスパイスを加える。

●腸詰
・ソーセージ用の羊腸や豚腸をほどいて、外側・内側ともに水洗いして、ノズルにたくしておく(これは詰める直前がよい。前もってやっておくと腸が癒着してとても詰めにくい)
・タコ糸を10cm~15cmの長さに切っておく。
・ソーセージ詰め機に肉を詰め、ノズルをとりつけ、腸に肉を詰めていく。スタート端は腸を結ぶ。腸の終わりの端はタコ糸で結ぶ。大きな空気が入ってしまった場合は、針で穴をあけて空気を抜く。
・長~い腸詰を、まず中央で数回ひねる。そして両側について、ソーセージの長さの部分でひねり、左右を絡めて一回丸結びをするかたちでひねり目を固定する。これを繰り返して、全部についてソーセージにする。
・それぞれのソーセージについて針でつついて、2~3か所穴をあける。

●茹で・冷やし
・大鍋にお湯を沸かし、太さに応じた時間、茹でる。(太さ1mmあたり××分)
・時間がきたら、水洗いして急冷する。だいぶ冷えたら、氷水を作っておいた中に入れて芯まで冷やす。
・水からあげて、水けをきる。
・キッチンペーパーの上でひねった場所をハサミで切ってバラバラにする。
 全てのソーセージをペーパーの上で拭いて乾かして、小分け冷凍する。(これは各家庭にて実施)

どうでしょう、かなり複雑ですよね。

それでは写真を。

手作りソーセージ

今回は、うち以外の3組がクラテッロ・フィオッコを作りました。
なのでモモ原木が3つ。ここからそれぞれ2パーツ切り出します。

手作りソーセージ

クラテッロとフィオッコを切り出した残りについて、肉を骨からこそげていきます。
(クラテッロとフィオッコは、各自計量して塩をまぶして保管)

手作りソーセージ

お肉こそげ中。

手作りソーセージ

さらにこそげて、だいぶ骨になってきました。
真ん中に積んであるのが、ソーセージ用肉。

手作りソーセージ

こそげた肉ですが、そのままではダメで、固い腱や筋膜をこそげる必要があります。
でないとミンサーが詰まってしまって大変なのです。
ペロペロした筋膜をこそげるのは、結構地道な作業です。

手作りソーセージ

分解してしまった状態ですが、これがミンサー。
挽肉を挽く機械です。
(これらプロ用道具はmiyakoさんがはるばる持ってきて下さいました)

手作りソーセージ

すべての肉はそれぞれ粗目で2回挽きます。これは豚肉の脂身の多い部分。

猪は、すでに挽肉になっているものだったので、もういちど挽肉機を通しました。
猪のスジは豚肉より手ごわそうな感じ。


手作りソーセージ

このあと、それぞれのパートに調味料を。
この精密な作業は熟練のmiyakoさんがやって下さいました。

手作りソーセージ

挽肉には、ごく少量ですが安定剤を混ぜ込みます。
うっかり変な具材(レモン果汁とか)を入れると挽肉が分離してしまったりするようですが、安定剤を入れると仕上がりが安定するとか。

手作りソーセージ
手作りソーセージ

これらは、イノシシのひき肉。3種類の味付けにしてみました。
クミンシードとレモンの皮、セロリとショウガ、ケイジャンスパイス。

豚肉は、わらび家はセロリしょうが、miyakoさんは干しネギ?+スパイス、Duckさんはカイエンヌペッパー、私はドライローズマリー。

手作りソーセージ

挽肉の一部(豚肉の場合は脂身の多い部分)は、調味料と雪氷を混ぜて練った後、フードプロセッサーにかけてエマルジョン化させます。こうすることで、なめらかな肉に、ツブツブのひき肉が混ざるようなスタイルのソーセージになります。

あらびき肉+調味料+雪氷の練り物に、このエマルジョンを混ぜて、ソーセージ肉の出来上がり。

手作りソーセージ

この段階で味見です。
これは猪。みんな集まって、じっと集中して、沈黙の味見タイムでした。
この結果、クミンシードはもう少し足すことに。
なお、塩味は、この段階ではかなり強め。このあと茹でることで、多少塩が失われるためです。

ここまできて、ようやく腸詰工程へ。

手作りソーセージ

これが腸詰の機械。
ハンドルを回転させることで、円筒形の容器をプレスできるようになっています。
向こう側に、腸詰するノズルがついています。

手作りソーセージ

ノズルには、ストッキングみたいに腸をたくしておきます。
これは、豚腸。太いタイプのソーセージになります。

手作りソーセージ

こちらは羊腸。細いタイプのソーセージができます。

この段階ではにょろにょろと長い状態ですが、このあとくるくるひねって、ソーセージの長さにしていきます。
下の写真のように、2本ずつ連なっているものが出来上がります。

手作りソーセージ

次は茹で工程。
大きな鍋で、沸騰しないような一定温度を保ちつつ、太さに応じて茹でていきます。
浮いているカスは、ソーセージにあけた針孔から多少漏れ出た肉汁や肉片。
ツブツブしていて、安定剤が入っている様子がわかります。(純粋に肉だったらもうちょっとばらけますよね)

手作りソーセージ

これは、多分miyakoさんのネパールの干しネギ入り豚ソーセージ。
みなさんおっしゃっていましたが、今回はモモ肉の皮下脂肪がたっぷり練り込まれて、「ソーセージが白い!」そうです。

茹で終わったソーセージは、なんと水洗いして急冷し、さらに氷水で芯まで冷やします。


初めての手作りソーセージですが、びっくりするほど美味しい!
塩味が強すぎず、変な調味料の味もなく、すっきりとした味わい。何本でも食べてしまいたい味です。
(相当脂身が入っていたはずなのですが、全然脂っぽくないのです)
こだわりのハム・ソーセージ屋さんのソーセージも美味しいですが、一口目で美味しいと思わせるためかどうか、だいたいどこも、ちょっと味が濃いですよね。
自作のものは、本当にいい味・・。
miyakoさんは、どちらかのお子さんが帰省した際などに一緒に作って、それぞれのおうちに送ってあげるのだそう。それは嬉しいはず。

慣れない肉加工で、最初はこわごわでしたが、とっても楽しかった!
絞り出し袋でいいから、自分でちょっと作ってみられないかなあ。おいしいもんな~。
企画としてあたためてみよう・・・・。

コメント (2)
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