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Re:SALOON & VBA

しばらくは、過去BBSの倉庫、および
作成した EXCEL VBA の置き場(公開)として

雪を待つ空

2004年12月10日 01時02分35秒 | 詩(塚原将)
夏を深々とかぶって 秋の黄昏に 口笛を吹いて歩く 夏がひえかける頃には もう花が満開の季節になってしまう そんな愛を あなたにあげたかったのに どんなに抱きしめても ひとつの時間の扉の向こうは 雪を待つ空の広がりだ 決して降りつづいて すべてを白く埋めつくすことはない ただ雪を待つ空の拡がりだ わたしたちは こんなにも 想いあっているのに 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』 . . . Read more

さしのべた掌

2004年12月09日 01時09分38秒 | 詩(塚原将)
わたしのさしのべた掌は あなたひとりだけを 包みこんでゆくことは できないことなど解かっているのに あまりにも強い想いが わたしの腕をまっすぐあなたの心にむかって さしのべさせてしまった あなたが背を向ける 哀しい期待を持ちながら それなのに あなたは微笑のままに わたしの掌に答えてしまった 出口のない時間の扉を 思いっきり大きく開けて 誰にも気づかれてはならない 足音に気をくばりながら . . . Read more

愛の旅支度

2004年12月08日 00時00分15秒 | 詩(塚原将)
草にかくれて咲く小さな花に 目をとめたような偶然ではない わたしの想いの瞳が しっかりと捕らえたのだ まわりの風景が 消え去った後に ひとつの人影が残った 時を逆上る帆舟は 舟足を速めながら 透明度を増し続けて 魅かれてゆく哀しみは 急速に強まりなかせらも わたしの両腕を ひとつの人影に引き寄せた わたしはすべてをなくすかもしれない そうつぶやきながらも わたしは少年の瞳をした自分に気づ . . . Read more

小さな夕焼け

2004年12月07日 00時00分59秒 | 詩(塚原将)
黄昏の ひとけのない路を ますます好きになったのは あなたを 知ってからだ そこならば あなたへの想いが 明るい色彩に燃えて 小さな夕焼けのなかに 溜息を気軽に ふりそそぐことができる 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より . . . Read more

青春が遥か遠い風景になって

2004年12月06日 00時00分58秒 | 詩(塚原将)
 青春が遥か遠い風景になって、ふと気づくと、僕の心のなかに残しておきたかった部分が驚くほど小さくなっていて──  風に乗って、草の陰に咲く小さな花を両腕いっぱいに摘みとって、街の花屋の前に雪のようにふりそそぎたい思いも、  車窓からみた、見知らぬ街はずれの路に魅かれて、汽車を降りたりする旅も、  ましてや、青いままに崩れる波を探したいなどという思いは、  ひとには言ってはならないセンチメンタルな夢 . . . Read more

2004年12月03日 00時33分00秒 | 詩(塚原将)
暑い日射しのなかに わたしの想いは すっぽりと厚いコートにつつまれて 寒さをこらえている 今日からあなたは 旅に出ている 慣れきった肩によりそって あなたは今頃 どのあたりを列車に揺られているだろう 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より . . . Read more

ペンダント

2004年12月01日 00時02分37秒 | 詩(塚原将)
わたしのために流した あなたの涙をはじめてみた時 わたしは知っている限りの 言葉を使って 涙のまわりを飾った いま わたしの心に大切にさげているのは その時の涙で作った ペンダントです 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より . . . Read more

黄昏の雪

2004年11月29日 00時17分23秒 | 詩(塚原将)
あなたの 遠い日の愛の話を聞いた時 わたしは 黄昏に舞いしきる雪を感じた その頃わたしは まだひとりだったというだけで あなたは 出逢うはずのない 街に住んでいたのに 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より . . . Read more

恋人の顔

2004年11月28日 08時20分57秒 | 詩(塚原将)
日曜の街で あなたの 母親の表情と 妻の表情を一緒にみてしまった わたしは心の窓を閉めきって 通りすぎようとしたのに あなたはわたしに気づいて 心の窓を いたずらっぽい瞳でひらいてしまった その時だけ ひとふきの風のように 恋人の顔をのぞかせて 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より . . . Read more

孤りぼっちの少年

2004年11月27日 00時29分55秒 | 詩(塚原将)
あなたと別れた直後 わたしは 孤りぼっちの少年だ 茫漠たる草原にたって 凍てついた風に 哀しみを投げつづける 孤りぼっちの少年だ 帰りの列車に乗れば 平穏な顔をして 時には隣のひとと 明るい笑いを浮かべて話しもする 哀しみを おどけて燃やしてみせもする 孤りぼっちの少年だ 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より . . . Read more