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Re:SALOON & VBA

しばらくは、過去BBSの倉庫、および
作成した EXCEL VBA の置き場(公開)として

-遅すぎた愛に出逢った時-

2004年12月23日 00時46分09秒 | 詩(塚原将)
 恋愛詩だけの作品集を作りたいという願いが実現したことはとてもうれしいことですが、どんなふうに書こうかと、だいぶ迷いました。  遠い日の愛では、今までと同じになりそうですし、僕の年齢で美しいだけのものとして、夢のように描くことは、どこか空々しく思えたのです。  色々迷った揚句、ごく平凡に流れている現実の生活のなかに、突然心を魅かれるひとに出逢ったらと考えたのです。  それが独身である場合なら、美し . . . Read more

想いを投げた掌

2004年12月22日 01時24分24秒 | 詩(塚原将)
わたしの想いが 放たれた矢のように 遠ざかってゆくあなたの背に 鋭くつきささる あなたは気づいただろうか あなたの背にささった わたしの想いが 少しずつ淋しさを 濃くしてゆくことに そして 想いを投げたわたしの掌が もっと淋しい顔をして 過ごした時間の頁を閉じることに 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より . . . Read more

心のなかに

2004年12月21日 00時26分04秒 | 詩(塚原将)
なんなのだろう わたしの心のなかに 透明にざわめき始めたものは 心の疲れやすい少年が なおさらに疲れをましながら 海辺に立つ少女を眺めないではいられないように 一群の笑いさざめくひとのなかに 笑いながらも秋の香りのするあなたを 遠く眺めた時に わたしの心のなかに ひとしずくの哀しみを落としてから 透明にざわめき始めたものは はるか彼方に忘れたはずの憧れが わたしの肩に掌をおいている 塚 . . . Read more

枯れ果てる心

2004年12月20日 00時08分47秒 | 詩(塚原将)
いつの間に影を深める十月の空を 明るくさざめかしているのは 群れ咲くコスモス 秋から冬への色あせてゆく哀しさを 花びらのうしろにかくしきって 尚更に時間を淡く染めて わたしにはできない あなたとの愛が 色あせてゆくことを知りながら 明るく微笑むなんて わたしの心は ひとより早く冬のなかに 枯れ果ててしまうだろう 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より . . . Read more

2004年12月19日 01時22分36秒 | 詩(塚原将)
いろいろな声が わたしを包んだ ひとつひとつの声が わたしの想いの素顔を 覗きこもうとした 同情のうしろに 花の季節があった なに気ない言葉に 見世物小屋の幟(のぼり)がみえた 心のまわりに 柵をつくる時間はなかった わたしは かたくなに心の瞳をとじていた そこに あなたの涙ぐんだ顔が 浮かんでいるのだけが ただ哀しかった 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より . . . Read more

別れの言葉

2004年12月16日 20時19分47秒 | 詩(塚原将)
あなたが わたしにあきた時は 一輪の白いコスモスをください はじめて触れた時に 十月の風の香りがした あなたの唇から 別れの言葉を聞いたなら わたしは孤り 想い出を燃やしながら 一枚のカミソリを研がなくてはならない 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より . . . Read more

愛の割れる音

2004年12月15日 01時14分02秒 | 詩(塚原将)
どんなにひき伸ばしたところで 別れの時間は はっきりとみえていて その時 うすい硝子の器を落した時のような 音をたてて ひとつの時間に包んだ愛が 割れてしまうのに わたしたちは懲りもせず また逢える日の話をしている 愛の割れる音に その日まで 苦しむことは解かっているのに 閉じこめられた愛のために 心の耳をふさぎきって── 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より . . . Read more

いさかい

2004年12月14日 01時06分31秒 | 詩(塚原将)
無意識な言葉が あなたの心をかげらせて 溶けあえないままに 別れの時間はやってきてしまった それでも微笑を残して あなたは背を向けた ふっきれない想いのなかに 固い靴音が いつまでもひびいていて わたしは 鋭くとぎすました槍を 心のまんなかに 力いっぱいつき刺した 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より . . . Read more

一瞬の風

2004年12月13日 07時56分26秒 | 詩(塚原将)
一瞬の風に 木の葉が舞い騒いだ後に 静けさの輪が ゆっくりと拡がっていって ことさらにわたしを孤独にした つい先刻まで弾んでいた あなたとの時間が 顔を伏せて黙りこみ 哀しみを深めた想いが もうみえるはずのない あなたの後姿に 遠く目をそそいだ 塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より . . . Read more

あなたとの旅

2004年12月12日 01時59分08秒 | 詩(塚原将)
あなたと旅ができるならば 十月の晴れ渡った日がいい ひとけない山あいの コスモスの群れ咲くところがいい あなたは気ままに ずっと先を歩いていって欲しい わたしは あなたのこぼしていった想いを ていねいにひろい集め 白い花がいちばん多い コスモスの群れにそっとのせ 遠い日を深くまとって あなたが振りむいた時 倒れこみ 揺れ騒ぐ花から あなたの想いがふりそそぐ下で 死にたいのだ 塚原将『 . . . Read more

予感

2004年12月11日 00時01分40秒 | 詩(塚原将)
わたしの心の 最も暗い部分を ふたつに裂いて あなたが わたしに はじめて想いをこめて送ってくれた微笑を 挿んだ 枯れ果てた草原にたって ふと小さな花の香りを 思い出したような 限りなく淋しいいとしさが あなたの微笑を挿みこんだ 心をとじてゆく時間のなかに 満ちあふれて わたしはかくすべき想いを あなたを抱きしめるだろう 予感に 鎖でしっかりと結びつけてしまった 塚原将『愛する人よ-あな . . . Read more