化学系エンジニアの独り言

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ガソリンが下がった

2008-12-15 | 石油
IEAなどいろいろな機関から2008年の原油消費量が前年を下回りそうだという発表がなされています。なんでも1983年以来のことだそうです。今春以降の原油価格急騰によるガソリン価格の高騰で、北米、ヨーロッパ、日本などで消費量は一気に落ち込みました。ここ一月くらいの原油価格下落によりガソリンは下がってきましたが、消費は戻っていないそうです。

そりゃ、これだけ経済危機が騒がれればガソリンが安くなったからドライブにどんどん行こう、という人はいませんね。

さらに経済の減速により石油消費は落ち込んでます。これまで石油需要増の大半を占めていた中国やインドでもその伸びは著しく鈍化しているそうで、結局2008年の総消費量は前年を40万BDないし80万BDだか下回りそうだといいます。さらに2009年も減少は続く、というよそうです。

それにつれてという因果関係ではないでしょうが、原油価格は40ドルそこそこまで下がってきました。8月ころの高値から1/3になってます。確かに昨日ガソリンを入れたら106円でした。夏の高値のときは180円くらいでしたから、ずいぶんと安くなったと実感しました。でも、だから満タンに入れようとは思いません。いつもどおり、20Lだけ入れました。

さらにさらに13年ぶりにドル90円を割ったというニュースです。8月ころは108円くらいだったので、20%近く下がっています。円があがることはいいことですが、これだけ急激に上がるとちょっと大変です。あのトヨタでさえ、2008年下期の想定為替レートは100円といいます。何もしないで、売上げが10%も下がってしまうのはとても恐ろしいわけです。もっとも、アメリカ国内での清算比率を上げて、為替変動に対応するでしょうが、全体に販売が落ちているので、それだけでしのげるわけでもありません。

このような需要現象を受けて、サウジは生産量引き下げを発表しました。これを受けて原油価格は48ドルくらいになったようです。しかし、消費の下げ基調はまだまだ続くのですから、これで原油価格が落ち着くとは考えられません。

あの夏の高値のときにこんな事態を想定できた人がどれくらいいるのでしょうか?もちろんあたしゃ、まったく予想できませんでした。でも、注意深く世の中を見ていた人には、金融危機に続く経済の減速とそれに伴う消費量の減少、したがって原油価格の低下は普通に予測できていたのかもしれません。