本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部「神殿の巫女見習いI」 | |
香月美夜 | |
TOブックス |
久しぶりに小説を読みました。「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでられません~」です。
著者の香月美夜氏は本作がデビュー作とのこと。
読みやすくて面白いので、KINDLE購入した夜、徹夜してしまいました。
まぁ、よくある(自分はあまり読んでいませんが)異世界モノのライトノベル(ライトというには分量がありますが)で、司書への就職が決まった主人公が死んでしまって異世界で病弱な兵士の娘として転生し、それまでに得た知識を使って異世界で司書になろう、と奮闘する話。
第1部は漫画にもなっていて、弟から借りて読んで続きが知りたいので第2部を購入しました。
ライトノベルというぐらいなので読みやすいです。主人公のマインの視点から書かれていて、各登場人物のセリフ以外の地の文は9割がたマインの独白といった具合です。残りの1割はマインが知らないところでの話。こういう箇所では登場人物の誰かの視点で書かれています。
この登場人物の誰かの視点で書かれている、というのがちょっと曲者で、客観的な情景描写や、感情表現がありません。三人称で書く、登場人物の視点ではなく、カメラの視点で描写する、といったところがあれば、もっと読みやすかったのではないでしょうか。
読み方にもよりますが、登場人物の視点で書かれる、というのはそのキャラクターの思考をなぞることを読み手に強制します。あまり長すぎるとその世界を俯瞰できません。
例えば映像で常に主人公の目線でカメラワークされていたらどうでしょう?
見にくいでしょう。
主人公の目線も必要ですが、主人公とその他の登場人物の位置関係など、第三者からの視点での映像が必要です。
本作にはそういったところがなく、読みやすいにもかかわらず、ちょっとしたストレスが感じられました。
まぁ、人によるでしょうけど。
漫画ではその点、きちんとカメラワークされているので、読み比べると面白いのではないでしょうか。