四国から来た少女は、北海道の冷たい川に裸足で入り、ひたすら虫や魚を探していた。
「下流にアミをセットして、上流の石をひっくりがえすと、石の下にいる魚や川虫が流されて、アミに入るから・・・」
と説明したら、スイッチが入ってしまった。
大人は10秒で陸に上がるほどの水の冷たさのなか、
彼女の感覚は、水の冷たさよりも生き物を捕まえることに傾いたらしい。
裸足で入っても安全な川
石を動かすとカジカやヤツメウナギやカゲロウの幼虫などが取れる川
裸足で水や石の感触を感じること
そんな体験が子供たちには遠い世界になっていたのかもしれない。
貧弱で軟弱な人間を気づかせることは、狩猟本能をくすぐることかもしれない。
冷えた足がいつまででも心地よい夕方だった。
森のガイドツアー「魚・川虫捕りの旅」にて(吉原拓志)