十勝千年の森

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十勝の庭づくり ― キッチンガーデン紹介 ―

2009-08-31 14:01:22 | ガーデン 連載

「 自分で野菜を育てるならば無農薬で作りたい。 」
キッチンガーデンを作りはじめる時に、そう思う人は多いのではないだろうか。

昔から、農薬を使用せず、自然生態系の仕組みを上手に利用して
野菜を育てる知恵が受け継がれてきた。
現在、それらはコンパニオンプランツ(共生作物または共栄作物)として、
広く一般的に紹介されるようになってきた。

コンパニオンプランツは、植物同士の相性の良い組み合わせと言える。
互いに生長を促したり、病害虫を防いだり、味を良くしたりと、
その効果は組み合わせによって様様である。
十勝千年の森では、このコンパニオンプランツを積極的に取り入れて植栽計画を
立てている。



ネギ科の植物は、優秀なコンパニオンプランツの代表格である。
土壌病害を防ぎ、生育を促進する効果があると言われる。
一緒に植えているのはズッキーニなど。

味や実つきを良くし、生長を促す組み合わせもある。
たとえばブドウとヒソップ。



蜜蜂が大好きなヒソップの花は、ブドウの実つきをよくする。
十勝千年の森では、他にボリジとイチゴを組み合わせて同じような効果を得ている。
組み合わせによるが、開花時期が重なることも重要なポイントである。

生育良好につなげるばかりがコンパニオンプランツではない。
スペースの有効利用もまた、良い相性とも言えるだろう。



こちらはレタスと八列とうきび。
広いスペースが必要なとうもろこしが小さい内に、生長の早いレタスをその間で育てる。
とうもろこしが大きく育ち始める頃には、レタスは収穫されているという仕組み。
小さな庭におすすめの植え方だ。
こんもりとしたレタスの間からすっと伸びるとうもろこしが、見た目にも美しい。

当然、相性の悪い組み合わせもあれば、試して失敗!ということもある。

昨年の植栽では、スペースの有効利用にとうもろこしとカボチャを組み合わせた。
すくすくと育ったカボチャはつるをぐんぐん伸ばし、そのうちにとうもろこしに
絡みつくようになり、挙句の果てにはなぎ倒すという傍若無人振りを発揮した。
カボチャの収穫をしながら、倒されたトウモロコシを引き抜くという苦い思い出がある。

それでも一番良い相性を目指してあれこれと試みることは、とても楽しい。
相性が良ければ、植物は打って変わって生き生きとした表情を見せる。

安全で美味しい野菜は幸せな味がする。

その幸せに向かって、ぜひあなたの庭で奮闘してみてほしい。


(新谷みどり/十勝千年の森ガーデナー)