この数年短い旅に出る目的は、行きたい場所がある場合と宿泊したいところがある場合の2つになってきた。
前者の場合には、旅の雑誌やサイトで良さそうな宿泊施設を探す。だから、旅館、ホテル、民宿など様々な施設になる。後者の場合には、もちろん宿泊先は決まっている。前者の場合は言うまでもなく、前から決めておいた良い宿泊施設だと思っていた後者の場合でも、その宿泊施設で充分満足が得られることは限らない。むしろまれだと言った方がよい。
先日長野に行ったのは、長らく泊まってみたいと思っていた「旅舎右馬允」があったからである。この宿は、原田芳雄さんの遺作となった「大鹿村騒動記」で話題となった南信州の大鹿村にある。
宿の駐車スペースに着くと、当日の雨で少しぬかるんだところもあり止める場所を微妙に選ぶようであった。そこから、落ち葉があちらこちらに散らかっている階段を下りて玄関にまで進む。ここまでで少し期待を裏切られたかの感を抱いた。