蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

木曽「おぎのや」訪問

2011-11-09 | 食・旅

先日の日・月で木曽と南信州に行って来た。木曽は初めてで、奈良井宿と薮原宿に立ち寄った。木曽には実に沢山の蕎麦店がある。サイトで少し調べて、薮原の「おぎのや」さんに行くことにした。

 

店は、口コミで地図の位置と異なるとあったので注意して行ったが、やはり判り難く近くから電話をかけてたどり着いた。古民家を改装した店内は、とてもよい雰囲気であった。ご主人は、高橋邦弘さんのもとで修業したとのことなので、久しぶりに「翁・達磨」系の蕎麦をいただくことになった。

 

「翁」系よろしく、メニューは少なくあの「ざる」で器は丸山さんのものであった。私はざる2枚、家内はかも南蛮を注文した。そばきりの「めん」は、私が食べたどの「翁」系のものよりも細かった。私は、蕎麦店の「めん」は総じて太すぎると感じているが、これでは細すぎる。

 

細すぎると何がいけないのか。

蕎麦は至極丁寧に、しっかり練られているのであろう、出されたばかり蕎麦は、口に入れ噛むと細いのにも関わらず歯ごたえがある。残念ながらこれは練りすぎからくる硬さなので、いい意味の「コシ」ではない。しかし、ひとたぐり、ふたたぐりしているうちに、細すぎるために「めん」に力がなくなってしまい、1本1本の「めん」が死んできてしまう。

 

かも南蛮にもこの「めん」を使っているので、温かい蕎麦の中では「めん」はさらに問題が大きくなる。また、かもの肉のにおいが強すぎる。もちろん、あのにおいがしっかりあるからよいのだという意見もあろうが、私は強すぎてはいけないと思う。油を抜くなどの処理をして、使ったらどうだろう。

 

私は蕎麦で最も大切なのは香りだと考えているが、香りはほとんど感じられなかった。

 

高橋さんやそのお弟子さんたちの蕎麦を(この「おぎのや」さんの蕎麦を含めて)、私は高く評価するものであり、現在の蕎麦界の頂点の1つであると考えている。


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