蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

「旅舎右馬允」泊(2)

2011-11-16 | 食・旅

館内に通された。

ここは、1階2部屋、2階3部屋で基本的に1日2組限定の宿である。当日は私達だけで2階の部屋に案内された。部屋を見た瞬間から、そのたたずまいが気にいった。よく見れば、壁にしみのあるところなど完璧というのではないのだが、どこまでも自然なたたずまいのする部屋なのだ。

 

外に目をやれば、時節柄大きなもみじの木が、真っ赤に紅葉している。見事である。もみじのある庭はきれいに手入れが行き届いたものではなく、自然に草木が生い茂っている。部屋も周りもあるがまま自然に存在しているといった風情が感じられる。

 

事実、滞在中テレビはほとんどつけることがなかった。私達は、自宅ではもちろんのこと旅先の宿でもテレビはよくつけている。それが、帰るときになって、時刻を見ようとテレビをつけた時、「テレビはつけなかったね。」と話しあったほどである。「テレビ」の毒に日々どっぷりつかっている私達の意識の中に、前日の3時から帰るまでその存在はなかった。

 

「テレビ」は日常性の象徴として述べている。この宿には、「あるがまま」(「自然」)の中で、すべてを忘れさせて包み込んでくれる癒しの空間がある。


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