玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

7月上旬の記録

2021-07-10 16:07:49 | シンポジウム
7/1 長峰
大雨直後の合間を縫っての観察でしたので通路がかなり水たまりでした。シロヤマブキの実は 緑色からオレンジ色に変化、現在その状態でした。いつも黒色を意識していました。ムクノキの大木が実をたわわにつけております。

雨後の水たまり (21.7/1)

7/3 豊口
今月に入ってからは雨が多く、また気温も低めで、春先に早いと思われた植物の開花も、こちらでは平年並みに落ち着きそうな印象です。
ドクダミ、ホタルブクロはほぼ姿を消していました。カンゾウは蕾の期間がずっと続いていて、咲いているのはわずかです。
毎年観察できているタシロラン がなかなか咲かずに気をもみましたが、今回ようやく開花を確認できました。草刈りのタイミングで見れたり見れなかったりのコバノカモメヅルも、今回確認できました。

7/5 安河内
小雨が降るなか観察しました。カンゾウの群落が見事でした。アキノタムラソウ、ユウガギク、カラスウリ、ノブドウ、ヤマハギが咲き始めています。小金井橋と陣屋橋の間では、藪の中にヤマユリの大きな蕾が見られました。昨年まで水際に見られたオオバギボウシは、藪が深くなるに伴い確認できなくなりました。

7/6 桜井
この間まで一面に咲いていた白いドクダミの花が、一斉に咲き終わりました。ノカンゾウ、ヤブカンゾウ、ヒメヒオウギズイセンなどオレンジ色の花が目につきます。アザミも咲き始め、昆虫を呼び寄せています。緑道の除草がはじまりました。マツヨイグサが2本咲いてましたが、刈り取られてしまいました。前日に写真を写しておいて、良かったです。

7/6 長峰
トウネズミモチの満開の花には沢山の虫が訪花、地面にも黄な粉のような花粉を敷き詰めていました。

7/10 大塚
上水の近くにある高速の下に鳥が運んだのか、トケイソウの花が咲いていました。
上水にもそのうちにやってくるのかな仕方ないなと思いました。
アレチヌスビトハギやヒメヒオウギズイセンやノウゼンカズラなど花が綺麗なものは持ち込まれると市民権を得てしまいます。そのうちに在来種を圧し抑制・駆除も困難になる種類は注意が必要です。生態系被害防止リストに入っている種類もあります。
杉並では、在来種に影響を与えない外来種・園芸種は環境施設帯にゾーニングされています。
隣接の高井戸公園に行ってみるといつの間にか立派な樹木が植栽されて嬉しくなりました。
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7月の「散歩会」の記録

2021-07-10 07:31:54 | シンポジウム
7月10日に観察会ならぬ「散歩かい」をしました。今回は玉川上水駅から鷹野橋までを歩くことにしました。予報では曇り、各地で豪雨の予報でしたが、蓋を開けたら暑いくらいの青空でした。
 玉川上水駅は小平監視所のすぐ近くで、そこまでは蕩蕩と水が流れています。

玉川上水駅から下流

小平監視所まではやや明るい場所が多いのでノカンゾウのいい群落がありました。それからヒメヤブランが可愛い花を咲かせていました。

ノカンゾウ群落

ヒメヤブラン

所々でヤマユリが見事な花を咲かせていました。
「キリスト教世界では、聖書にソロモンの栄華も野に咲くユリには勝らないという記述があるから、ユリは特別な花なんですね。ミッション系の学校の校章はユリをデザイン化したものが多いです。そのユリは日本のササユリなどの大きさですから、このヤマユリがヨーロッパに紹介された時、ヨーロッパ人の度肝を抜いたそうです」

ヤマユリ

今日のコースは長峰さんが花ごよみでいつも歩いておられる場所で、監視所の脇を歩いていたら
「この前、ここでタモで流れてきた空き缶を一つ一つ救い上げていたんですよ」
このすぐ下流で玉川上水の水面が見られるところがあるので降りて記念撮影をしました。




 今は花はあまりない時期です。このあたりは歩道も広く、その左右の木も広い範囲に生えていて、玉川上水川の柵内も上水までの幅が4,5メートルはあります。全体として緑の帯の幅が広くていい林です。春にはいろいろな花を見ました。そういえば、小平監視所までは背丈を超えるような高い柵でしたが、ここから下流は人の膝より少し高いくらいの丈の低い柵です。

ヌスビトハギ

「あ、ヌスビトハギだ」
「早いねえ」
「小さくてわからないけど、よく見るとちゃんとエンドウみたいな蝶形花です。終わるとエンドウとは違うけど、豆が入ったサヤができます。それが昔の泥棒が抜き足差し足で歩いた跡みたいだ、というんだけどどうだか」
「思うんだけど、そのイメージの泥棒って、<申し訳ないけど泥棒をさせてもらいます>という感じ、<コソ泥>っていうくらいだからこっそりと盗んでいた感じだけど、今は電話して人がいることを確認して強盗に入るとか、ぜんぜん違っちゃったよね」
「可愛げがない」
「人に迷惑をかけるのはいけないことだという共通の価値観が泥棒にもあったのがなくなってしまったということだよね」
とヌスビトハギから思わぬところまで広がりました。

小平監視所(39)の下流の歩道

小川橋の近くに直径1 メートルを超えるコナラの大樹がありました。ケヤキにはときどきこういうのがありますが、コナラではちょっと珍しい大きさだと思います。


コナラの大樹

 小川橋を渡ると歩道はやや狭くなりますが、林は立派です。アオギリがありました。

アオギリ

「去年の12月だったか、子供を集めて<木の実草のみたねしらべ>というイベントをしました。その時、アオギリの果実を見せたんです。私が台に乗ってアオギリの果実を落としました。スプーン見たいな形をしていますが、種子の重さで回転します。それで遠くに運ばれるんですが、その時回転しながら落ちていってから、止まって回転し、それから今度は上に上がっていって屋根の上の方まで飛んで行ったんです。子供だけでなく大人もびっくりして大喜びでした」
「それは楽しそう。アオギリって大きくなっても幹が青いんですか?」
「はい、青いです」

土曜日の割にはあまり歩いている人がいませんでした。

小川橋(41)上流

小川橋(41)下流


その後、ずっと歩いて私たちには馴染みの鷹の台の近くにきました。
お父さんと男の子が昆虫採集をいているようだったので
「何かとれた?」
よ聞くと、嬉しそうに
「カブト!」
といって虫かごから小さいカブトムシを取り出して見せてくれました。
「おお、すごいね。よかったねえ」
「うん」

その先で、長峰さんが
「ここは高校?」
「いや朝鮮大学校です」
「そうなんだ」
「この先が上水公園といって、この前子供たちと訪花昆虫を調べて楽しかったです」
「このあたりは明るいせいか色々花があって、その時もこのネズミモチにくる昆虫の説明をしました。ノイバラとかコゴメウツギ、イヌツゲなどが咲きます」

「この辺はキンランがよくあります」
「へえ」
「キンランは東京全体ではとても珍しいそうなんですが、この辺りでは時期にはいくらでもあります。ギンランもたまにあるし、シュンランもたくさんあります」

栄光橋(47)下流

土曜日のわりに人が少ないと言いましたが、このあたりは高校生がよく歩いていました。楽しげにぺちゃくちゃと話しながら歩いていました。

10時にスタートしましたが、鷹の台についたのは11:50くらいでした。4キロ余りですから、まあまあの時間です。鷹の台で少し話をしました。
「暑かったから水分補給をしてくださいよ。この少し先に元創価高校の野球グランドだった場所があって小平市が買ったそうです。公園にするそうですが、そこをショッピングモールにするような動きがあるというのでリーさんに<先生なんとかアイデアを出してくれ>と言われました。この近くに玉川上水の植物や昆虫の写真を掲示してしているところがあったのですが、今はやめています。私は何か玉川上水の自然を紹介する施設があったらいいと思っていたので、博物館の提案をしたんですよ、ひとえん会という団体があって、その場所をどうするかを勉強していて、そこで話をすることになりました。それで考えてみたら、ここは玉川上水の真ん中に位置すること、今日見てきたように、林の状態が一番いいこと、電車の駅からも近いし、玉川上水にも近いことなど条件が揃っています。それに大学が3つもあるから学生に解説をさせるようなことをしたらいいと思うんです。それと私たちが植物について花マップをはじめとして情報を持っていますから、展示する内容もあるわけです。かなり力のある人もおられるようなので、いい方向で動けばいいと思っています」
「そうなるといいですね」
「じゃあ、この辺で解散にしましょう」

++++++++++++++++++
キハギ

シオデ

ネムノキ

ハエドクソウ


ハキダメギク


ミズヒキ


ヤブミョウガ


ヤマユリ


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