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プルサーマル燃料 明日にも静岡到着

2009年05月17日 12時28分02秒 | 原発・エネルギー問題

プルサーマル:燃料、あすにも静岡・浜岡に到着 プルトニウムを一般の原子力発電所で燃やす「プルサーマル発電」用の核燃料を積んだ輸送船が18日にも最初の陸揚げ地、静岡県御前崎市に到着する見通しになった。中部電力浜岡原発(同市)用の燃料を陸揚げ後、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)へ向かう。

 MOX(モックス)燃料と呼ばれるプルトニウムとウランの混合酸化物で中部、九州、四国の各電力会社がフランス原子力大手アレバ社に製造発注。同国を出航していた。


プルサーマール燃料をこれまでのウラン100%燃料だったのを、プルトニュームを使って造るMOX燃料に変える計画が有る。
MOX燃料の放射能はウランの250倍であるという。
これまでのウラン燃料でも恐ろしい限りだったのに、同じ原発の施設のままで、250倍の放射能を有する、MOX燃料に突然変更するという計画には、佐賀県玄海町、愛媛県伊方町の原発周辺で反対運動が起きているにもかかわらず、プルサーマル燃料は明日にも静岡に到着し浜岡原発用の燃料が陸揚げされるそうである。
プルサーマル燃料についての特集が有ったので、ここにコピーしておく事にした。
これを読むと、政府は国民の安全をあまり重要視していないということが良く分かる。
経済性は安全性を遥かに凌駕し、
国民の身は鴻毛の軽きに置く?

何が変わるプルサーマル:/1 「未知」 /愛媛
 ◇エネルギー確保へ、ウラン資源を有効活用
 ◇自給率4%…向上のカギ
 伊方町の四国電力伊方原子力発電所に今月中にも、プルサーマルで使用されるMOX燃料がフランスから到着する。来年2月から3号機で試験運転が始まるとみられ、四国電力は「発電の仕組みや運転の方法は変わらず危険になるわけではない」と主張。一方、反対派は「非常事態が起きたときの研究が不足している」と反論する。プルサーマルの必要性は、そして危険性、問題点は何か。地球物理学者で随筆家の寺田寅彦が「ものを怖がらな過ぎたり、怖がり過ぎたりするのはやさしいが、正当に怖がることはなかなかむつかしい」(「小爆発二件」)と記した言葉を胸に、「プルサーマルで何が変わるのか」をテーマに取材した。

  ◇  ◇ 

 「エネルギー安全保障の面からもウラン資源は有効に使うべきだ」。日本のエネルギー自給率(国内の1次エネルギーのうち国内産出分の割合)4%、ウラン資源の可採年数が残り約80年という現状の中、四国電力伊方原発の柿木一高所長はプルサーマルの必要性を訴える。国がプルサーマルを推進する中、四電は04年に安全協定に基づき県と伊方町に事前協議を申し入れ、計画がスタート、06年に両者が事前了解した。先行していた東京電力や関西電力が不祥事で頓挫したため、今秋から始める予定の九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)に続いて国内では2番目の開始となる見通しだ。

 現在の原発では、採掘し濃縮したウラン100%の燃料を燃やして発電している。原子炉内でウランが核分裂を繰り返す中で、発電に利用できるプルトニウムが生成され、使用済み燃料に約1%含まれる。プルサーマルでは、ウランに使用済み燃料から取り出したプルトニウムを9%程度混ぜたMOX燃料を燃料の一部として使い、発電する。

 「食料自給率は40%で騒がれる。なぜエネルギー自給率4%の現状は社会であまり問題視されないのか」と四電の関係者はプルサーマルの必要性を強調する。国がプルサーマルを進めるのは、プルトニウムの有効利用と、安定してエネルギーを確保するためのウラン燃料のリサイクルが狙いだ。「新興国の影響でウランの需要は増える一方」(同関係者)と世界情勢も後押しする。

 世界的には約40年前から始まり、現在はフランスやベルギーなどが推進する。一方で、アメリカは先月、経済性などを理由に使用済み核燃料再処理施設などの建設計画を中止する方針を表明した。柿木所長は、「資源のあるアメリカとない日本の立場は異なる」と話す。

 国内では今後、16~18基の原発で導入予定のプルサーマル。だが、原発自体の設備や運転方法は驚くほど変わらない。【柳楽未来】=つづく

何が変わるプルサーマル:/2 「制御」 /愛媛 
◇見えにくい“変化” 設備や運転法、在来炉ほぼ踏襲
 「設備、制御方法、運転マニュアル、安全基準など、プルサーマルを導入してもこれまでの原発とほとんど変わりません」。四国電力の担当者は淡々と説明する。反対派の懸念や住民の不安がある一方で、原発内部ではプルサーマルによる「変化」が見えにくいことに驚かされる。

 MOX燃料の放射線量はウラン燃料の約250倍で、危険性が増すと言われる。だが四電側は「使用前のウラン燃料はほとんど放射線を出さないためこうした数値になる」と反論する。MOX燃料の放射線量は約10ミリシーベルトで、胸部CTスキャン1回で浴びる放射線量(約7ミリシーベルト)と同程度という。MOX燃料は輸送時の事故も心配されるが、四電の関係者は「丈夫な遮へい容器に入れて運ぶので問題ない」とする。到着後は使用済み燃料を入れているピット(プール)に専用の遮へい装置で搬入する。「原発の設備で新しく導入したのはこの遮へい装置だけ」(同関係者)と明かす。

 MOX燃料は核分裂が起きやすい環境がウランとプルトニウムで異なるのが理由で、核分裂のスピードを制御する制御棒の効きがウラン燃料のみの場合と比べて悪くなるという懸念がある。このため日本のプルサーマル計画では、MOX燃料は燃料全体の3分の1以下の量に決められ、伊方原発ではさらに少ない4分の1に設定。MOX燃料はウラン燃料と同じく直径、高さ共に約1センチの円柱型に焼き固められ、パイプに詰めて束ねた燃料集合体とし、ウラン燃料の間に分散して原子炉内に配置する。四電側はプルトニウムを偏らないようにし、制御棒の効きを確保できるとしている。

 また運転中は、燃料に接する一次冷却水に中性子を吸収するホウ素を混ぜて核分裂を制御し出力の微調整を行うが、この濃度もプルサーマルでは変更する。

 四電の説明では、従来の原発でも運転中にウランからプルトニウムが生成されて核分裂を起こし、発電量の約3割がプルトニウムによる。MOX燃料に含まれるプルトニウムが加わり、プルトニウムによる発電量の割合が約5割に増える。運転員や作業員の配置も現状とほぼ同一といい、耐震や放射能漏れに対する安全基準なども変わらず、発電量も従来の原発と同じだという。「原子炉に燃料を入れて運転を始めれば、感覚的にこれまでの原発とあまり変わらない」(同関係者)というのが発電所側の実感のようだ。

 しかしプルサーマルは日本では新たな試み。技術の蓄積はこれからだが、見落とされた危険は本当にないのだろうか。反対派からは大地震に対する備えも含め、多様な懸念が出されている。【柳楽未来】

何が変わるプルサーマル:/3 「懸念」 /愛媛 
◇実証的研究、不足の声も 地震や重大事故「想定通りにはいかない」
 「日本には、他国のプルサーマル実績に対する過信がある。自国での実証的研究は不足しており危険」--。ニュートリノ研究の物理学者で原発にも詳しい新潟大理学部長の谷本盛光教授は、「伊方等の原発の危険に反対する愛媛県民連絡会議」が先月松山市で開いた勉強会で訴えた。

 従来の原発も炉内に生成されたプルトニウムが事実上、燃料の一部として機能する。四国電力はプルサーマルも運転法や安全管理にほぼ違いはなく、海外で40年以上の実績があり安全としている。

 これに対し谷本教授は、日本は輸入技術に頼って世界有数の16~18基稼働を目指しており不安▽プルトニウムは放射能も毒性も強く管理が非常に困難▽運転面でもMOX燃料は通常より核分裂制御が難しい--と指摘。「非常時の対応も当然、ウラン燃料炉心と異なるべきだが想定事故は同一。国の安全審査も基本的に変わっていない。重大事故の際にプルサーマルで何が起き、どう対応するか研究が不足」とした。

 一方、県の門野利之・原子力安全対策推進監は「伊方3号機のプルサーマルは、MOX燃料の割合が全燃料の約4分の1。十分に制御可能で、特に炉の改造は必要ない。MOX燃料の割合が大幅に増える炉を作る場合は当然、設計も変わる」としている。

 日本では原発の大地震被害が懸念され、伊方原発周辺にも活断層がある。被害予防には国の原発耐震設計審査指針が重要で、最近は阪神淡路大震災を経て06年に改定された。これを基に電力各社は、07年7月の新潟県中越沖地震で起きた東京電力・柏崎刈羽原発の被害も踏まえ、各原発の耐震安全性評価に使う「基準地震動」を見直した。

 基準地震動は、原発と周辺の地質調査に基づく理論的解析と、過去に起きた地震データの両面から、まれに起こり得る大規模な揺れの大きさや周期を想定したもの。原発の主要な施設や部材の振動特性に当てはめ、どう揺れるか詳しく分析し安全性を評価する。四国電力は今年2月、「伊方3号機は安全」と国に報告した。

 これに対し谷本教授は、柏崎刈羽原発は緊急停止と放射能封じ込めに成功したが「火災や放射能を含む水漏れなど想定外の事態が起き社会の信頼を喪失した。マニュアル通りにはいかない。揺れも予想を大きく上回った」と、想定の限界を強調する。また専門家の間でも安全性に対する見方が分かれるとし、新潟県は「原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」とその各小委員会に反対派研究者を複数入れ、公開討議していると紹介。「初めにプルサーマルありきでなく、さまざまな科学者が活発に議論すべきだ。本当に大事故が起きたら取り返しが付かない」と話している。【古谷秀綱】



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