落武者の行方

09.02.02>>>迷走中?(since 04.09.13)

「横尾忠則が招待するイッセイミヤケ」

2005-08-17 | art
The Museum of Modern Art, TOYAMA | "Issey Miyake Paris Collections 1977-1999 : Invitations by Tadanori Yokoo"



富山県立近代美術館で9月11日まで開催中の"横尾忠則が招待するイッセイミヤケ パリコレクション1977-1999"です。
会場構成はイッセイミヤケ関係では既に固定職となっている吉岡徳仁。


横尾忠則が手がけたインビテーションとコレクションの映像、実際のイッセイミヤケの服で構成された企画展でした。
現在、イッセイミヤケのブランドの第一線からは退いている三宅一生氏ですが、彼のクリエーションが冴え渡っていたコレクションの招待状を担当していたのが横尾忠則氏であり、原画や印刷指示書などを含めての展示。
インビテーションは三つ折のものが自動で開閉するギミックを用いた見せ方で、おそらく実物に近い状態で観る事はプレーンなものを眺めるのとはまた違った魅力があったりします。
初期の作品には一生さんをモチーフとしたものが多いのですが、それがまた各々見事にバラエティーに富んだ表情を持っている上に、20年ほど経過したものであるにも関わらず全く色あせないデザインもあったりして横尾忠則という人の底知れぬ力を見た気がしました。

また、田宮奈呂によるイッセイミヤケの服とヘッドピースなどアクセサリーを用いたインスタレーションも随分とキュートでポップ。
1976年~2000年までのコレクションからセレクトされたショウを14の大スクリーンを用いて観るのも、イッセイミヤケの素材と身体への眼差しやそれを表現しようとするコレクションの構成の仕方などを感じるものとして良かったと思います。とかなんとか難しいことを考えなくても楽しめるものです。はい。


出展数がそんなに多くなかったので少々物足りない気もしましたが、地方の美術館でこういう企画展をやるというのはなかなか凄いことだと思いますし、着眼点も面白いんじゃないかな、と。
これからも頑張ってガンガンこういう企画を、と思ったりしたのです。

山本基「しろき しろへ」(発電所美術館)

2005-08-16 | art
Nizayama Forest Art Museum | Motoi YAMAMOTO solo exhibition



入善町下山芸術の森:発電所美術館で9月25日まで開催されている、山本基"しろき しろへ"です。

富山の入善町にある水力発電所跡地を県が買い上げてアートサイトとして活用している、下山芸術の森。下山で「にざやま」と読むそう。
そこにあるのが発電所美術館です。
勿論初めて訪れたのですが、過去の企画展履歴を見るとこの場のために創られた作品たち、サイトスペシフィックなものが目立ちます。知らない作家がほとんどだったのですが、併設されたアトリエで創作活動に取り組む方々なのでしょうか、やはり場の特性を良く知っているんだな、という感じでした。

そうした場で、今回は山本基展。
「しろき しろへ」。
金沢出身で現在も金沢を拠点として制作活動も続けています。最近では金沢21世紀美術館のオープニング記念展にも出展しており印象に残っている方も多いのではないでしょうか。


今回メインとなったのは"迷宮"と"空蝉"。

"迷宮"はタービンや導水管の跡が残った約15m×18mのフロアに8tの塩を用いて展開。2本の導水管からまるで流れ込んできたかのように大量の塩が盛られ、それは次第に迷路となって広がっていきます。そのグラデーションは見事でまるで塩の中から幾何的模様が次第に産まれ出てくるかのようでした。
さらに今回は会場の性質のためか、"迷宮"の中を突っ切ることができる。今までの山本さんの"迷宮"は内へと広がっていくその世界を外側から眺めるというものが多かったと思いますが、この大空間に広がった迷路に囲まれて様々な視点で観られるというのは貴重な経験でした。
また視点という点では、"迷宮"の中をぬけると2階へ続く階段がありそこにある半円状のせり出し部分から俯瞰的に眺めることができます。こうなってくるとまた見え方や印象も異なってきて、何か有機物や触手に侵食されたものや、息遣いの聞こえない都市(それは決して死んでいるという意味ではなく)のようなものを連想してしまったりもしました。
彼の一連の作品は想像を絶する作業を要するにも関わらず、どこかその手の名残がないような印象をもっていたのですが、今回タービンの後ろに隠して置かれていた残りの塩の大袋を見つけて、「ああ(笑)大変だな、やっぱり。」と思わずにはいられませんでした。

また"空蝉"は3tの焼いた塩ブロックを用いた階段。こちらも以前から制作しているものなので、目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「すぐに崩れてしまうけれど、いつかこの塩の階段を最後まで昇ってみたい。」(メモとってないので勝手に書き換えてしまいましたが)山本さんの言葉としてこのようなことが書かれていました。
彼が塩を用いるようになったのは実の妹の死がきっかけだというのはだいぶ知れ渡ってきたことだとは思いますが、堂々と聳え立ちながらも危うい脆さを兼ね備えたこの階段、"空蝉"には塩のもつイメージが"迷宮"よりも更にダイレクトに表現されている気がして、昇りきった先には彼の妹がいる世界があるように思えてなりません。

その他、"迷宮"のドローイングや今回の制作過程の映像、過去の作品の写真とそれらが消えてしまうものであるが故に何かしらの形で留めておくため、姿を変えて創られた(説明長いすね…)オブジェ。そういったものが展示されていました。


巨大インスタレーションの名に違わぬ規模で行われている今回の展示。
しかしその大空間によって散漫になることなく、静謐な空気を湛えた秀逸な展示でした。
「ぜひ!」と言って簡単に足を運べる場所ではないのが残念ですが、近くにお住まいの方や北陸に行く予定のある方は。
はい。

途中ですが。鬼石写真館

2005-08-10 | architecture
(無理矢理アップ。時間がないので続きはまた。といってもそんなないですが・・・)


これは何でしょうか。


そう、こんな場所なんです。


花壇から1本だけぐったり、と思いきや咲いてる。


鬼石神社へ。


凄いなぁ~、すごい。


まきびしトラップかと思いました。右も左も前も後ろもゴルフボール。


傾。

つづく・・・