森って?林って?林業って?!

小さなことから知ってほしい。
こちらは公益社団法人静岡県林業会議所のブログです。

川畑理子さん講演会その4(材料と価格と理念)

2013-03-07 15:46:49 | イベント
昨日からお楽しみにしてくださっていた方!
お待たせしました!

と、言いたいのですが。

その4は『理子さんオンパレード』と題してお届けする予定でした…が…
ちょっと変更して『材料と価格と理念』と題して、その3からの続きをお届けします。
やっぱり長くなります…。
※ここでいう「木材」は「国産材」のことです!


◆材料と価格
物を買う・つくる時など
”材料”と言ってもたくさんあります。
”価格”はこの値段までしか…ということが多いです。

実際お仕事をしてみて
”材料”に対して、あまり考えていない人の方が多く
”価格”に対して、考えている人が多い
と思う…とおっしゃっていた理子さん。

”考えていない”というと聞こえは悪いけれど。
値段については、やっぱり厳し~くというか神経質になります。

”場所によって木材を使い分けて提案する”
例えば、靴で歩く床、机や椅子などは、節のある材でもよいし、むしろ、それがデザイン性を高めると。

店舗などの土足で踏んでしまう床に高い材を使って価格を上げるよりも
節のある材などを使って価格を下げる&デザイン性も上がる
じゃ、他の所にも木材使ってみようかな、って。

うん。
確かに、元々床材として考えていた価格より下なら、壁にも使いたくなるし、ここもできるかな?って考えるし、まだ木材使ってできる?って聞いてみたくなります。
なるほど!と思ったコトの一つ。


◆運搬と人とのつながり
理子さんは、材料を調達する際の運搬費用についてもお話ししてくださいました。

遠くから材料を調達しても、運搬費用ばかりかかってしまう。
どこの木材を使うか?ということも考えてコーディネートする。
例えば三重県の材じゃなきゃだめ!ということはない。
どうしてもどこどこの材がいい!という場合には、どなたかに運搬をお願いするときもある。

人とのつながりができたことによって、どこどこに行くから一緒に持って行ってあげるよ、と声を掛けてくれる方が増えて、とても感謝しています。
とおっしゃっていました。

理子さんがくじけずに努力してきた4年間の人とのつながり”絆”なのかな。
すごいな!と感じた一面☆

価格を下げても、遠くから材料を調達したら、材料と同じくらい(それ以上?)の運搬費用が掛かっていまいます。
そこを地理的なことも考えつつ上手くコーディネートするってすごいです。
ここの木材使えるかな?って考えるわけで…
そう考えたら、交渉しに行くわけで…
理子さんの行動力と交渉能力の高さをヒシヒシと感じました!!!


◆国産材を使用すること
ここが一番重要なのかな?

「外材から国産材にシフトした人は、簡単には元に戻そうと思えなくなる。」
「使うことで人を助けられると知ると、他に変えようと思えなくなるのでは…と考えています。」
「自分でも人助けに貢献できると思うようになる。」
「国産材を使用することで、企業としては社会貢献(CSR(企業の社会的責任))にもつながる。」

↑理子さんは、経営理念に沿った考えで、それをきっちりこなしているんだなぁ…
ってはっきり分かった言葉。

「アピールにつながる使用方法を提案することで、次回使用する時の”使う意義”につなげる。」
↑ここはとっても、ほほう~と思いました☆


まず、国産材を使用してもらってからその良さを知ってもらう!
という考え方なのですね。
株式会社西粟倉・森の学校の牧大介さんとこの点は似ているのかな…
って思った。
と言っても、牧さんが以前お話ししてくださったのは、国産材ではなくて西粟倉村の地域材を使った山村振興(村おこし)だったけれど。

あ…脱線してしまった…。

理子さんへの質問に
どうやって国産材の良さをアピールすればよいかわからない
国産材の良さはなんだと思いますか
等々の質問がありました。

なかなか返答しにくそうなお顔をされていました。
良さを知ってもらって使ってもらいたい、と思う方
使ってもらって良さがわかる、と思う方

もしも静岡県内でコーディネート事業を展開するとしたら、どう展開していきますか?
と聞きたかったけれど、様々な思いの方が多い静岡県。
口にチャックが付いてしまいました(涙)


◆最後に
速水亨さんが理子さんにアドバイスした言葉がすばらしい~!!と思ったので、ご紹介。
「高く売れ」
「高くていい材だから、それを理解した上で売れ」
「自分が儲けてはいけない」

理子さんが言っていた言葉がすばらしい~!!と思ったので、ご紹介。
「安くしてくださいと言われるけれど、値切ったことはありません」
「山側に見積もりを依頼した時も、利益が出ているのか確認することにしています」
「値切らないけれど、その代り、A材ではなくてB材にするなど、材料の質を落として提案することにしています」

いい材は、それに見合った価格で売れ!という速水さん。
いい材ということを知った上で、それに見合った価格で売る(コーディネートする)理子さん。

どれだけの時間がかかって、どれだけの投資をして、”木材”ができるのか?
やっぱり知っているからこそなんだな…と思いました。


色々と考えさせられることもあり、また、参考にもなりました。
理子さん、ご講演ありがとうございました♪


明日は、ラスト。
その5『理子さんオンパレード』と題してお届けしま~す☆
写真をね♪
いっぱい♪


それでは、今日はこれで(事務局でした)。