今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

研修医の労働時間

2008-09-21 05:29:47 | 医療倫理
以前も紹介した、ミシガン大学の研修用のサイト Medhubでは

タームごとに、指導医や研修内容の評価を要求されます

それ以外に毎日、労働時間を報告しなければいけません

週末に、1週間分の出勤時間と退勤時間を記入しています

UFMでは週の労働時間上限である80時間ギリギリに、勤務体系が組まれていますので

他の人より早めに出勤している私は、正直に申告するとギリギリで超えてしまうことがありました

実際に定められた勤務よりも、自発的に早くいっているだけなので、

微妙なところをちょっと調整して、ギリギリで申告したことを

一緒に食事に行った同僚にもらしたところ、

「正直に申告しなきゃダメだ」と、真面目な顔で怒られてしまいました

研修医が勤務時間に抵触すると、プログラムがACGMEからペナルティを受けます

最悪、認可取り消しです

実際に先月のGround Roundでも、ディレクターが

「今月は労働時間に抵触した事例が一件ありました。個別に対処をさせていただきました。」

と深刻な面持ちで報告していました

そんなこと言われても、自宅に資料を持ち帰って、家のパソコンからカルテ記載をする時間はどうなるの?という疑問もありますが

物理的に、職場にいる時間がカウントされるというのがルールのようです

そんなことを考えているさなか、

「研修医の労働時間上限を60時間にする」という法律?ルール?が近々、施行されるという噂を聞きました

例えば7時から17時まで週5回働いて、17時から7時までの当直を1回したら、64時間となり、もうアウトです

さすがに、どうなの?と思います

間違いないのは、各専門科のレジデンシーの年数が増やされること

同じ年数で、一人前の医師を育てるのは不可能となります

日本では、かつて週100時間労働も経験している身としては、

80時間の上限というのは妥当な落としどころだと思うのですが

60時間というのは、どうなのでしょうね?

バカ正直にカウントせず

日本みたいに、当直は労働時間にカウントしなければオッケーでしょうか?!

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